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今こそ脱サラ! 飲食店開業で成功する秘訣は準備段階にあり

飲食店-脱サラ-準備

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何をもって成功と呼ぶのかは人それぞれだと思いますが、少なくとも飲食店は存続することが成功の最低限ラインです。

営業を続けていれば、黒字の月もあれば赤字の月もあることでしょう、一年を通して利益が出たのであれば間違いなく成功と呼んでいいでしょう。

後は新規顧客の開拓、リピートアップ、売上アップ、経費削減という課題に日々取り組むことで豊かさが増してゆきます。

コロナ以前から続く、安定はしているけど思うように給料が上らない世相を反映してか、脱サラをして富を得ようと考えるのは自然の流れです。その選択肢が飲食店だったというのはスバラシイことだと思います。

タイトルにある成功の時間軸は1年なのか10年なのかこれも人それぞれですが、少なくとも始めるからには失敗しないことが重要です。その為になにが必要かジックリ考えて見たいと思います。

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Contents

段取り八分、準備段階の重要性

昔から事を成功裏に収めるには、「段取り八分」といって準備段階でその80%が決まるといわれるように、脱サラして始める飲食店の成功のカギもこの準備段階で決まります。

なのに、これまで見てきた脱サラで飲食店を始める方の多くは、お店を早く開きたいという気持ちが先走り準備もろくにせずにオープンしてしまい、後で苦労をなさるケースがほとんどです。

では具体的になにから準備すればよいのか順を追ってみてみたいと思います。

事業計画は必ず作る

飲食と一口にいっても色々な業種があります。喫茶店のような軽飲食もあれば焼肉、カレーといった重飲食もあります。お店を構える場所もビジネス街か住宅街か悩むところです。

まずどの業種で飲食店を始めるのか決めなければなりません。次にその業種で何をメインに勝負するのか決めなければなりません。

ここでもう一つ決めなければならないのが、それを「誰に対して売るのか」ということです。女性、サラリーマン、学生。このターゲットが決まらなければ飲食店を構える立地が決まりません。これを整理すると以下の順番となります。

「 業種 ⇒ メニュー ⇒ ターゲット ⇒ 立地 」

脱サラで失敗しがちな最も多い順番が以下の通りです。

「 業種 ⇒ 立地 ⇒ ターゲット ⇒ メニュー 」

この順番の物事を組み立ててしまうことと、正攻法といったいどこに差があるのでしょうか。

前者(正攻法)の方は商品が先にありその利益に応じた立地(家賃)で成り立っているのに対し、後者(失敗順序)は立地つまり家賃が先にありその家賃に応じた事業の組み立てになっています。

少々家賃は高いけれど、人通りも多くなんとかなるだろう的な甘い考えです。この発想ではオープンから半年ともたないこともあります。不動産を借りる時は収益還元(その場所でえられる売上、収益をもとに賃料を逆算すること)を基本としないといけません。でないと、折角お店が繁盛しても利益は家賃を払うことでなくなってしまいます。

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運転資金は命綱、最悪を想定すべし

脱サラをするということは、毎月給料が入っていたこれまでと違い自分が給料分を稼ぎ出さなければならないということです。ここでポイントになるのが運転資金の考え方です。もし手元に潤沢な貯えがあったとしてもです。

仮に1,000万円の運転資金があったとしてもこれには手を付けずに同額を借入るべきです。サラリーマン時代、借金があるといっても住宅ローンが一番の借金という方がほとんどではなでしょうか。

脱サラで飲食店を始める方が意外と借金に抵抗があるようで、極力自己資金でなんとかしようと頑張るゆえにお店が軌道に乗る前に力尽きる(手元の現金が枯渇)ことが往々にしてあります。

この誤解を避けるには次のように考えてください。「運転資金とは利益が出せるまでの投資」だと。

借入金利よりも開業の為に投下した資金(借入金)による利回りが高ければよいのです。つまり、利益を出しながら借金を返済して行けるということです。具体例で示すと以下の通りです。

具体例:1,000万円を年利1.9%で借りたとします。支払い金利は年19万円、月当たり1万6千円弱です。これを7年84回で元本を返済するとして月々の返済額は12万円弱、金利と併せても14万円弱となります。売上から食材、人件費、家賃を引いて少なくとも14万円以上残っている必要があるということです。

借金する方がいいということではありませんが、事業主となって飲食店を始めるにあたり借金は開業前でないと金融機関は貸してくれないのが現実です。

つまり事業が軌道に乗るのに時間がかかり苦しくなってからでは借金はできないということなのです。だから手元に資金があるのであればもしもの時の為に持っておいた方が得策なのです。

逆に、思いのほか飲食店が上手くいったときに2店舗目を今度は無借金で始めることが出来ます。超低金利の今、手元資金を使わないメリットは大きいのです。

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アクションプラン(中期計画)のススメ

売上や原価計算などを形にする事業計画とは別に、飲食店を開店時からどのように宣伝をしてゆくのか、開店から数ヶ月後、最初に立てた売上に届かなかった時に何をすべきか考えておくことが重要です。

開店から1年以内に閉店する飲食店は、売上が伸びないまま、何も手が打てずに終わって行きます。

おかしいなと焦り始めてから宣伝を考えるのではなく開店する前にそれらを考えておけば余裕を持ちながら営業が続けられます。

例えば、駅前や店先でのビラ配りや周辺オフィス、近隣住宅へポスティング、グルメサイトへの登録にSNSの利用など次々に手を打ち続けて行くことで徐々にリピート客が付き始めます。結果売上が安定し飲食店は存続して行きます。

意外に思われるかもしれませんが、早期に閉店する飲食店の多くがこのアクションプランを持たずに見切り発車をしています。

~まとめ~

飲食店で重要なのは料理の味やホスピタリティーであるのは言うまでもありません。そこは大前提として、賃料の考え方や原価計算など利益が出る仕組み、運転資金と手元資金の関係、さらには宣伝方法まで準備段階で出来る事ばかりです。その上で実際に開店してみて、想定と違っていた部分を修正して行けばいいのです。

最初に決めたことを頑なに貫くことも重要ですが、柔軟に対応することで新たな発見や気づきが生まれ結果お店を存続させることにつながって行きます。

脱サラをして飲食店を始めるのであれば、ある種のプロジェクトを立ち上げることと同じです。会社で稟議をとるぐらい十分な検討と先行きの見込みは不可欠です。

お読み頂いたように脱サラの成功は準備段階で決まると言える理由がお解り頂いたと思います。

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