雨の日の飲食店 リピーターも失う「傘立て」の悲劇を無くす

雨の日の飲食店 リピーターも失う「傘立て」の悲劇を無くす

先日ある雨の日。近くのコーヒーショップに傘をさしてお邪魔した際のことです。傘を入れる半透明のビニール袋が切れていた為やむなく傘立てに傘を立ててお店でテイクアウトのコーヒーを買うものの10分程のことです。ようやく手に入れたコーヒーを片手にお店を出ようとしたその時です。傘が無くなっていることに気づきました。ビニール傘ではない代物だったこともあり自分の不注意と店がビニール袋を切らしていたことに腹が立ちますが後の祭りです。梅雨真っ盛り。いたるところで同じような悲劇が起こっているのではないでしょうか。

さて今回は、傘立てに注目した内容ですが、雨の日の飲食店にとって意外とアキレス腱になっている部分ではないかと思います。

繁盛する飲食店は知っている 雨の日 来客数をUPするには

傘の盗難。さて店側の責任は?

今回の様に飲食店で傘が紛失若しくは盗難にあった際に法律的見地から店側に賠償責任があるのかどうか考えて見たいと思います。まず、飲食店側がもしお客様から傘の紛失について損害賠償を求められた時の法的根拠を見てみます。

商 法

第五百九十四条  旅店、飲食店、浴場其他客ノ来集ヲ目的トスル場屋ノ主人ハ客ヨリ寄託ヲ受ケタル物品ノ滅失又ハ毀損ニ付キ其不可抗力ニ因リタルコトヲ証明スルニ非サレハ損害賠償ノ責ヲ免ルルコトヲ得ス

2.客カ特ニ寄託セサル物品ト雖モ場屋中ニ携帯シタル物品カ場屋ノ主人又ハ其使用人ノ不注意ニ因リテ滅失又ハ毀損シタルトキハ場屋ノ主人ハ損害賠償ノ責ニ任ス

3.客ノ携帯品ニ付キ責任ヲ負ハサル旨ヲ告示シタルトキト雖モ場屋ノ主人ハ前二項ノ責任ヲ免ルルコトヲ得ス

ご覧の様に商法第594条のなかに書かれている内容がそれにあたります。平文になおしますと、「飲食店など集客を目的とした店の主人は、お客様から預かった物品が無くなったり壊れてしまった場合、不可抗力である証明をしない限り損害賠償を免れない」と書いています。また、「お客様が特に預けたというものでなくても飲食店内に持ち込んだ物品が主人若しくは使用人の不注意で無くなったり壊れてしまった場合は損害賠償をしなければならない」となっています。更に極みつけはこうです。「お客様の持ち物に飲食店側が責任を持ちませんと張り紙をしていたとしても先の様な場合は賠償しなければならない」と。

商法的にはお客様の傘がお店の用意した傘立で盗難、紛失という事態になった際は飲食店側が賠償しなければならないとい言うことになります。ただ、そこまで要求されるお客様がどれだけいらっしゃるでしょうか。そこに飲食店側の甘えがあるかもしれません。

傘が紛失した時の飲食店側の対応

先ず、お客様から紛失の申出を受けた際の一次対応ですが、どのような傘であったか伺いましょう。その上で実際傘が置かれていた場所まで一緒に行き申出の傘が無いことを確認します。ポイントはここからです。傘が無くなったことに対し腹を立てているお客様にただ謝るということは避けましょう。というのも間違って持っていったとも考えられます。ですからその場は連絡先をお伺いし出てきたらご連絡すると伝えることです。あわせて、傘が無くなった訳ですから、お店に保管してある持ち主不明の傘を差上げましょう。

傘立てがなまじあるが為に

デパートや人が多く集まる病院などは大型の鍵が掛かる傘立てを用意しています。なかでも国立新美術館の正面入り口前にある傘置場は圧巻です。これにはわけがあります。下手に傘を持ちもまれると床が滑ってケガの元になることや大事な商品が濡らしてしまったり美術工芸品をキズつけない為にも持ち込みを制限する必要があるからです。振り返って飲食店はどうでしょうか。確かに床が濡れて困るということはあります。しかし考えて見れば雨の日の傘立てを無くしてしまえばトラブルは無くなるとかんがえられませんか。つまり先程の商法で言えば、お客様の傘は全く預からないこととなり飲食店側が不作為に問われることはないと言うことです。

梅雨でも繁盛する飲食店 雨にも負けないメニューの作り方

傘をお客様が持って店内に入るには

傘を預からないと決めたわけですから方法は二通りあります。飲食店の店頭に置かれた半透明のビニール袋に入れるか、チョット洒落た傘ケースに入れて席まで持って行って頂く方法。もう一つは傘の水分を吸引して取り去る機械かV字型をした傘のしずくを取り去る置き型の装置などがあります。こちらは傘を入れるビニールなどに比べると値段は張りますが、繰り返し使えることを考えると長い期間ではお得かもしれません。いくら傘はお客様任せと言えども限界があります。靴を脱いで上がる和食店ではそうはいきません。お客様の不注意で傘のしずくが垂れてしまっては、畳が濡れてしまいます。掘りごたつのなかに漏れた滴で足が濡れてしまうことも我慢できないものです。ここは客席までご案内する際にお店の方が傘をお預かりして席まで運んであげるだとか、別途の滴対策が必要となります。この場合は、鍵付きの傘立てを設置するのが無難のようです。

気を付けたい傘袋の整理

雨の飲食店で気になる点が2点あります。入口に置かれたマットと傘を入れた後の用済み傘袋を捨てるゴミ箱です。前者は、水を吸い過ぎてマットに乗ると逆に滴が溢れてくることがあります。意外と多いのが晴れた日に靴の裏に着いた埃を店内に持ち込まない為のマットを雨の日も平気で使っているケースです。必ず水を十分に吸収する雨用マットと交換してください。後者は、袋が入りきらずに溢れて散乱しています。どちらも飲食店の品格を疑うものです。とりあえず準備しておくことに意義があるのではなく、シッカリと運用されていなければ逆効果になります。具体的に言いますと、雨の日はそのお店には行かないとなります。これってお店にとっては大きな痛手です。傘は無くなる心配があり、マットはグチャグチャと水がしみ出してきて挙句の果てにゴミ箱はあふれかえっているというのでは、女性でなくても敬遠したくなります。ランチや夕方の早い時間に傘や雨用マットのことなどかまっていられないという経営者の方もおいでかと思いますが、そのことを押してまで通いたくなる料理やサービスが無い限り雨の日の集客は減る一方だと思ってください。雨の続く梅雨だからこそいま一度入り口付近のチェックをお薦めします。

飲食店 雨の日に集客と売上を伸ばす「5つの割引」

物件情報

お店をはじめよう 業種を決める ライフスタイル 相談する 開業情報 お金

  • このエントリーをはてなブックマークに追加