飲食店 雨の日は傘対策でリピーターづくり

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ある雨の日、コーヒーショップに傘をさしてお邪魔した際のことです。傘を入れる半透明のビニール袋が切れていた為傘を傘立てにさしお店で打ち合わせをしておりました。お店を出る際傘が無くなっていることに気づきました。廉価な傘ではなかったこともあり自分の不注意と店がビニール袋を切らしていたことを恨みましたが後の祭りです。雨の多い6月。いたるところで同じような悲劇が起こっているのではないでしょうか。

さて今回は、お客様の濡れた傘に注目した内容ですが、雨の日の飲食店にとって意外とアキレス腱になっている部分ではないかと思います。

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傘の盗難。さて店側の責任は?

今回の様に飲食店で傘を紛失した若しくは盗難にあった際に法律的見地から店側に賠償責任があるのかどうか考えて見たいと思います。まず、飲食店側がもしお客様から傘の紛失について損害賠償を求められた時の法的根拠を見てみます。

商 法

第五百九十四条  旅店、飲食店、浴場其他客ノ来集ヲ目的トスル場屋ノ主人ハ客ヨリ寄託ヲ受ケタル物品ノ滅失又ハ毀損ニ付キ其不可抗力ニ因リタルコトヲ証明スルニ非サレハ損害賠償ノ責ヲ免ルルコトヲ得ス

2.客カ特ニ寄託セサル物品ト雖モ場屋中ニ携帯シタル物品カ場屋ノ主人又ハ其使用人ノ不注意ニ因リテ滅失又ハ毀損シタルトキハ場屋ノ主人ハ損害賠償ノ責ニ任ス

3.客ノ携帯品ニ付キ責任ヲ負ハサル旨ヲ告示シタルトキト雖モ場屋ノ主人ハ前二項ノ責任ヲ免ルルコトヲ得ス

ご覧の様に商法第594条のなかに書かれている内容がそれにあたります。平文になおしますと、

「飲食店など集客を目的とした店の主人は、お客様から預かった物品が無くなったり壊れてしまった場合、不可抗力である証明をしない限り損害賠償を免れない」

「お客様が特に預けたというものでなくても飲食店内に持ち込んだ物品が主人若しくは使用人の不注意で無くなったり壊れてしまった場合は損害賠償をしなければならない」

更に「お客様の持ち物に飲食店側が責任を持ちませんと張り紙をしていたとしても先の様な場合は賠償しなければならない」という内容です。

商法的に従えば、お客様の傘がお店の用意した傘立で盗難、紛失という事態になった際は飲食店側が賠償しなければならないとい言うことになります。ただ、そこまで要求されるお客様がどれだけいらっしゃるでしょうか。そこに飲食店側の甘えがあるかもしれません。

傘が紛失した時の飲食店側の対応

先ず、お客様から紛失の申出を受けた際の一次対応が鍵となります。

  1. どのような傘であったか伺いましょう。
  2. 実際傘が置かれていた場所まで一緒に行き申出の傘が無いことを確認します。

ポイントはここからです。傘が無くなったことに対し腹を立てているお客様にただ謝るということは避けましょう。というのも間違って持っていったとも考えられます。ですからその場は連絡先をお伺いし出てきたらご連絡すると伝えることです。あわせて、傘が無くなった訳ですから、お店に保管してある持ち主不明の傘を差上げましょう。

傘立てがなまじあるが為に

デパートや人が多く集まる病院などは大型の鍵が掛かる傘立てを用意しています。なかでも国立新美術館の正面入り口前にある傘置場は圧巻です。これにはわけがあります。濡れた傘を持ちもまれると床が滑ってケガの元になることや大事な美術工芸品をキズつけない為にも持ち込みを制限する必要があるからです。

ひるがえって飲食店はどうでしょうか。確かに床が濡れて困るということはあります。しかし考えて見れば雨の日に傘立てを無くしてしまえばトラブルは無くなるとは考えられませんか。つまり先程の商法で言えば、お客様の傘は全く預からないこととなり飲食店側が不作為に問われることはないと言うことです。

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傘をお客様が持って店内に入るには

傘を預からないと決めたわけですから方法は二通りあります。

  1. ビニールの傘入れを用意する
  2. 傘の滴取り器を用意する

飲食店の店頭に置かれた半透明のビニール袋に入れるか、チョット洒落た傘ケースに入れて席まで持って行って頂く方法。もう一つは傘の水分を吸引して取り去る機械かV字型をした傘のしずくを取り去る置き型の装置などがあります。こちらは傘を入れるビニールなどに比べると値段は張りますが、繰り返し使えることを考えると長い期間ではお得かもしれません。

とは言え、いくら傘はお客様任せと言えども限界があります。靴を脱いで上がる和食店ではそうはいきません。お客様の不注意で傘のしずくが垂れてしまっては、畳が濡れてしまいます。掘りごたつのなかに垂れた滴で足が濡れてしまうこともあるでしょう。このような場合は、客席までご案内する際にお店の方で傘をお預かりなどの対策が必要となります。

気を付けたい傘袋の整理

雨の飲食店で気になる点が二点あります。

  1. 入口に置かれたマット
  2. 傘を取り出した用済み傘袋を捨てるゴミ箱

前者は、水を吸い過ぎてマットに乗ると逆に滴が溢れてくることがあります。これは靴の裏に着いた埃を店内に持ち込まない為のマットを雨の日も使っているためです。必ず水を十分に吸収する雨用マットと交換してください。後者は、袋が入りきらずに溢れて散乱しています。どちらも飲食店の品格が疑われるもとです。

とりあえず準備しておくことに意義があるのではなく、シッカリと運用されていなければ逆効果になります。

ここがなおざりになっていると雨の日はそのお店には行かない方が増えるということなのです。これってお店にとって大きな痛手です。傘が無くなる心配があり、マットはグチャグチャと水がしみ出してきて挙句の果てにゴミ箱はあふれかえっているというのでは、女性でなくても敬遠したくなる光景です。

ランチや夕方の忙しい時間に傘や雨用マットのことなどかまっていられないという経営者の方もおいでかと思いますが、雨の日そのことを分かった上で行きたくなる料理やサービスでも無い限り集客は減る一方だと思ってください。これから本格的な梅雨に向かう今だからこそ改めて雨の日の傘対策を考えてみてください。

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