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【業界人語る】飲食店物件のおとり広告を見抜く~その実態と対処法~

飲食店-おとり広告-不動産仲介

日々インターネット上に掲載される不動産物件、毎日眺めているとあることに気づきます。「あれ?この物件前も出ていたな」結局決まらなかったんだと思うのですが、それが2度、3度となると「なんか問題あるのかな」から「これってもしかするとおとり広告 ?」となって行きます。

たまにしか物件検索をなさらない方がこれを見つけると、「おっ!いい物件が出てるじゃん」となるのです。早速メールか電話で問い合わせてみると不動産業者の対応はこうです。「ご覧のとおり人気物件ですので引き合いが多くて。。。他の物件をご紹介しますよ」とお決まりの対応となります。

今回はおとり広告の例示とおとり広告を出す不動産会社が目論んでいることを具体例をもとに解説いたします。。

店舗物件の表示規制の範囲を知る

さて、 おとり広告 の規制を受ける範囲は意外と知られていません。インターネットはもとより、新聞の折り込みチラシに物件を特集している雑誌、このほかにダイレクトメール、電子メール、ポスター、街頭ビラなどが対象です。さらに、不動産会社社員のセールストークまでも含まれる徹底ぶりです。

さらに、規制を受ける物件も具体的に規定されています。

まず「宅地」。建物の敷地に供される土地が対象です。続いて「建物」です。土地に定着し、屋根及び周壁を有する工作物であって、主として居住用の用に供されるものをいい、賃貸アパートその他の貸室等建物の一部を含むとなっています。

お気づきでしょうか。 おとり広告 の規制対象になっているのはあくまでも「居住用」だけなのです。これは消費者保護の観点からかけられている規制です。したがって飲食店舗のような事業用はこの対象外ということになります。

だからと言って、不動産会社はなにやってもいいというものではありません。

実際に公取から制裁金処分となった事例を見ながら、飲食店舗不動産で起こりうる間違った表現について見てみましょう。

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1.店舗物件の典型的なおとり広告を知る

  • 契約が済んでいるにも関わらず掲載をしている物件
  • 取引する意思のない物件の掲載

まず、取引をする意思のない物件とは何かを説明します。この手の物件は不動産会社が所有しているケースがほとんどです。

具体的には、周辺相場よりも明らかに安い賃料設定で掲載し、長期間に渡って掲載していたり相当数の反響数があるにもかかわらずなかなか成約に至らない物件を指します。いづれにせよ、一見して目を引く物件であるがゆえに「おとり」と呼ばれる物件です。

2.必須の諸費用を記載していない

例えば賃貸借の条件以外の保証会社にかかる保証料が記載されていなかったりするケースや、契約の直前になって企画料だとか広告宣伝費と称して追加請求をしてくるケースが実はおとり広告です。

最初から総支払額を安く見せる目的で記載しないというケースがありますが、他の理由で発生する場合があります。募集当初あまり期待していなかった物件が募集に出したところ思いのほか問い合わせがあり、申込も重なるような場合です。希望者が多ければ不動産会社が自分たちの手数料欲しさに別途金額を上乗せしてくるのです。この場合大家さんがこのことを全く知らないこともしばしばあります。まったくの後出しじゃんけんです。

そのお金を追加しないと借りられないという借手の弱みに付け込んだ卑劣なやり方です。飲食店舗物件を扱う不動産会社の傾向として、古くから営業されている会社でもたまに見かけます。

3.大家に確認もせず勝手な賃料設定をしている

不動産仲介を行っている会社は物件を公開するまで本来次のような手順を踏みます。

入居可能日が確定し大家さんの意向(賃貸条件、一般に公開していいという了解)を確認してから正式に募集となるのですが、競合他社より早くお客様を探して手数料を手にしたい不動産仲介会社は、大家さんや物件を管理している不動産会社に確認をせずにネット公開をします。

よくあるやり方が、前回募集が出ていた賃貸条件や今まさに契約中の賃貸条件が基本ですが、万が一大家さんが値上げをしたいと言い出してもいいように少し金額を上乗せしてたフライング価格での公開です。

それをネットで見つけたお客様は、その不動産会社を信じて仲介をお願いするのですが、そもそも物件を管理している不動産会社は出鱈目な価格で募集をしていることぐらいすぐわかりますから相手にされません。結果、その不動産会社を信じた申込人は物件を借りられないと言う訳です。

同じ物件が複数の不動産会社のウェブサイトに掲載されている場合で賃貸条件や面積などがサイトによって数字が異なるものを見かけることがあると思いますが、その場合ほとんどがこのフライングのパターンです。この傾向は新興の不動産会社にみられます。

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4.飲食店物件、嘘の申込と嘘の言い訳が常套手段に

本来、 おとり広告の規制は借手を保護するのが目的ですが、事業用の飲食店舗物件は住宅やマンションなどに比べ供給が少ないため優良物件に人気が偏りがちです。当然不動産会社同士の熾烈な争奪戦が繰り広げられます。手数料の為なら、彼らは借手である消費者ばかりでなく、大家さんに向けても平気で嘘をつきます。

実際によく聞くケースを紹介します。

物件を公開した大家さんや管理会社に対し、その不動産仲介会社は自社で借りると言って書面で申込みを入れます。従って対応する大家さん、管理会社は募集を止めることになります。その後、当の不動産仲介会社は社内決裁に時間がかかっているなどと言って時間稼ぎをします。彼らは、時間稼ぎをしてる間に募集広告を出し、借り手となる一般のお客さんを探すのです。

お客様が見つかれば、自分たちが先に出した申込書は撤回し、代わりに自分たちが見つけて来たお客様で仲介に持ち込むのです。もし、お客様が見つからなければ時間稼ぎをした挙句社内決裁がとれなかったといって申込を簡単に破棄します。

この芸当が出来る会社は限られています。主に公開情報が閲覧出来るなどの謳い文句で自社サイトで飲食店物件を探す会員を募る不動産会社です。彼らは、会員のニーズに当てはまる物件は手当たり次第に唾をつけて(申込を出して)抑えようとします。2万人だとか3万人だとかその会員数を誇示するサイトをお見受けします。よもやそのようなことはないであろうと思っております。

不動産仲介会社が飲食店おとり広告に手を染める理由

これから不動産仲介会社を始めるとします。まず手始めに商品を集めなければなりません。これはいたって簡単です。不動産会社だけが見ることのできる指定流通機構なる不動産情報サイトがあり、そこに山ほど情報があふれています。

となれば次はお客様です。不動産情報満載のウェブサイトをオープンさせてもすぐには見てもらえません。新聞で折込み広告を出しても1回や2回では集まるお客様の数は限られてしまいます。そこで手っ取り早くお客様を探す方法として おとり広告 に手を出すのです。

おとり広告 を見て連絡をしてくるお客様は、成約見込みのあるお客様です。言い方を変えるとすぐにお金になるお客様です。この手のお客様を おとり広告 でかき集め、そのニーズに合う物件を山のようにある情報から探し出して収益にしているのです。

実際に私共が貸主となる飲食店舗物件でも似たようなことがありました。

その不動産仲介会社は、お客様が物件の内部も見ていないうちに申込書を持ってきました。理由を聞いてみると、以前からよく知っているお店だからと言うのです。ところが事業計画書の提出や連帯保証人様の件になると途端にスピードダウンして時間ばかり過ぎてゆくのです。不審に思い申し込みをされたお客様に直接お電話を申し上げたところ、その仲介会社の言われるままに申込書を書いただけで借りる意思はないと言うのです。

申込を入れてきた不動産仲介会社は、会員を利用して物件を押さえ、本当に借りるお客様が見つかるまでの時間稼ぎをしていたのです。まさによくあるパターンでした。

おとり広告に惑わされることなく不動産会社と付きあうには

もちろんですが、大半の会社は宅地建物取引業法に則りまじめに商売をしています。今回ご紹介したケースは一部の業者です。まれに会社はまじめにやっているのにある担当者だけがそのような振る舞いをしているというケースもあります。そういった場合は正社員ではなくフルコミッション契約社員といって売上金額によって給料が支払われる雇用形態の人達です。

とは言え一度や二度お会いしただけではなかなか見分けはつきません。問題のある不動産仲介会社にはある種の傾向があります。

  • 連絡のレスポンスが悪い(多くのお客様を抱えていて手が回らない)
  • 大切なことが伝わらない(伝えられない)
  • 言い訳が多い。もしくは上手い。
  • すぐに申し込みをするよう急かせる
  • 手付金などのお金を入金するよう急かせる

彼らは、仲介手数料を払った時点で連絡が取れなくなるという特徴も持ち合わせています。その後いろいろと話が通っていない為に管理会社や大家さんとのやり取りに苦労したという話も枚挙にいとまがありません。

もし、おとり物件らしきものを扱っていたり、最初の説明と契約まじかに内容が変わるようなら、早々に仲介会社を変えることをお薦めします。

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