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大家さん直伝!飲食店開業時の近隣対策とトラブル発生時の対応策ー実例つき

飲食店-近隣対策-クレーム

Photo credit: WanyBae on VisualHunt.com

近隣対策と聞くと思い出すのが、工事現場です。工事が始まる前に周辺のお宅を挨拶をして回ることをさします。たいていはタオルと工程表を持ってお伺いします。トラックが通る時間帯や音の出る日などを簡単に説明をして最後はお決まりの、“何かお気づきの点があれば何なりとお知らせください。現場事務所におりますから”で締めくくるというものです。

今回取り上げる近隣対策は、新しくオープンする飲食店が近隣の住民やお店といかに何事もなく過ごせるかを目的としたものです。本来、一般常識としてわきまえる行動では気づかない、それぞれの土地柄に合わせた振る舞いなどを店舗の貸主である大家さんのアドバイスを交えて考えてみたいと思います。

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大家さんから近隣対策の情報を伺う

すべての大家さんに当てはまる訳ではありませんが、飲食店にお貸しした物件の上階に住んでいらっしゃたり、近くの別宅に住まわれている大家さんは間違いなくその土地の事をよくご存じです。例えば下記のようにです。

  • 周辺の店舗で、〇〇の業態はすぐにダメになる
  • この先にある○○はよく流行っている
  • 近くの○○は美味しいので評判
  • 自治体の会合では〇〇が定番のお店

などなどです。

ご入居される飲食店のオーナーがその土地の事をよく知っているとは限りません。まず大家さんからは、店舗物件の最低でも「向う三軒両隣」のことなどを伺いましょう。その上で、ご挨拶に伺うタイミング(朝方がイイとか夜の早い時間がイイとか)もあわせて伺いましょう。

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飲食店の新規開業で必ずおさえておきたい情報とご挨拶

町 会 長

今の東京でも4年に1回各地でお祭りが執り行われています。大人神輿や子供神輿など、熱心な町会では道を塞いで練り歩きます。その単位が町内会なのです。今でもその絆はしっかりとしており、都心の赤坂や新宿でも盛んです。

この町会長さんにご挨拶に行くことがお店のよい宣伝になります。町内会の会合などに利用頂けるようになります。月々ちょっとの町会費と会合に時間をとられますが、それ以上に得られるものの方が間違いなく大きいものです。

商店会・商店街連合会

ネットで調べてみても商店会や商店街連合会は各エリアに必ずあります。一つの通りで商店会を組織することもあれば、複数の商店会の連合会もあります。ご自分のお店が所属する商店会について大家さんか町会長に聞きましょう。

加入を薦められることを承知でご挨拶に行けばこちらも色々な情報が仕入れられます。月の決まった日に商店会で催しをするなど参加をさせてくれるでしょうし、商店会の人たちも利用してくれます。なぜなら一種の互助会なので、力強い仲間のような存在になるでしょう。

酒 販 店

お店の近くや商店会の中に酒販店がないか伺ってみましょう。配達をしてくれるような卸店でなければお付き合いはきびしいかもしれませんが、街の飲食事情を知る大きな存在です。

どこのお店が流行っているよだとかの情報が聞き出せれば、街でウケている業態や客単価が苦も無く分かるので大変参考になります。

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本当にあった飲食店の近隣トラブルと解決策

最初に知っていれば避けられたかなというトラブルを見てみましょう。

ゴミの出し方

これは隣接する同じような飲食店舗が入るビルの大家さんとのトラブルです。そのビルの上層階に住んでいらっしゃる大家さんは、毎朝早起きをしてビルのエントランス付近の掃除が日課です。そのお隣の1階に入居した飲食店のゴミの出し方がどうにもお気に召さなかったらしく、飲食店にビルを貸した大家さんのところにクレームの電話が入ったそうです。

朝回収に来るゴミを夜のうちに出しておくため、カラスや犬に食い散らかされてしまうようです。見かねたお隣の大家さんが代わりに掃除をして出し方に気をつけるよう張り紙をしたそうですが、月に1~2度はその状態になっていたようです。その後、大家さんとお店のオーナー二人で謝りに行き事態は収束したと伺いました。

煙のクレーム

冬にオープンした飲食店は、居酒屋の居抜き店舗を改装した焼鳥屋さんです。夕方から周辺のサラリーマンで賑わうお店です。その店舗は平屋建てで左隣はオフィスビル、右隣が問題となった2階建ての住宅です。

お店がオープンした冬から春は何事もなく営業を続けてきたのですが、季節が移り夏になる頃から事態は急変します。突如右隣りのお宅からクレームが入ったのです。どうやら寒い間締めていた窓を夏になって開けるようになった為焼き鳥を作る煙と臭いが部屋に入ってくるというのです。

お店の新規開店時にご挨拶に伺ったもののお会いできないままになっていたところにクレームとなったようです。結局焼き鳥店は、居酒屋時代の吹き出しにダクトに加え、新たに増設して建物の前面に煙が出るようにしたところクレームは解決となったそうです。その後お隣からは、月に何度か出前の注文を頂くようになったと胸をなでおろされていました。

~まとめ~飲食店の近隣対策のポイント

  1. 新規開店時に顔を合わせて挨拶をしておく
  2. ちょっとした心付け(おもたせ)でクレームの圧は大きく抑えられる
  3. クレームなどの発生時を想定して連絡先を伝えておく(店主の携帯番号など)
  4. クレームになった時。解決策は思い浮かばなくてもまず話を伺う
  5. 対応は迅速に、ですが時間のかかる場合でも中間報告をマメにする

以上の5点を行うだけでほとんどの問題は解決となります。だれも近所でいがみ合いたいと望んでいる訳ではありません。問題が解決すれば、逆にお店を利用して下さる可能性の方がたかくなるものです。まさにピンチはチャンスなのです。

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