飲食店における騒音問題 その時大家さんは

Photo credit: Leo Reynolds on Visualhunt.com / CC BY-NC-SA

飲食店をめぐる騒音問題と言えば、近隣からのクレーム、直上階や直下階からのクレーム、また意外なところで言えば有圧扇やシロッコファンからの騒音というものがあります。大家さんにとってみれば、管理会社や仲介会社が薦めるお客様を入れたのに思わぬクレームが発生して困惑していますという話を伺うことがあります。その次のセリフが決まって、今までこんなこと一度もなかったのにとなります。そうなのです。経験していないことが最大の落とし穴なのです。本来は管理会社や不動産会社が入居のリスクを説明しなければならないところを自分たちの利益を優先するあまりにトラブルとなったともいえます。

今回は、大家さんが知るべき騒音問題の実態について実例をもとに紹介いたします。

飲食店の騒音問題

生演奏の騒音

閑静な住宅街と歓楽街の狭間に位置する1階と地下1階は飲食店、2階から上は住居という都心によくある賃貸マンションです。テナントと住人は長らく良好な関係にあり騒音で問題が起きることはありませんでした。そこへ降ってわいたように巻き起こったのが、新たに入居したダイニングバーの問題でした。入居時にダイニングバーの店内で楽器の生演奏もするという内容で申し込みが入ったのですが、地下なので問題ないだろうと判断した管理会社と大家さん。この後大変苦労することになります。

まず問題になったのが1階の和食店です。直下階から漏れてくる音がそれまで静かだったお店を悩ませます。次に音による振動が和食店のご主人の健康を襲います。結局1階の和食店は解約して退去となったのです。たまりかねた大家さんは、音量を抑えるようテナントに申し入れをしたところ、初めにちゃんと説明をして入居したのだから落ち度はないとの返事が返ってきました。結局大家さんの方で防音工事をすることとなったのです。

ドッグカフェ・猫カフェをテナントに入れた時 大家さんが注意すべきこと

フィットネスの騒音

最近住宅地近くのオフィスビルなどの基準階(2階や3階)でフィットネスクラブがオープンしています。シャワーなどの設備を持たず軽いストレッチやサーキットトレーニングができる比較的手軽なものです。しかし中にはダンベルと言って数キロの鉄の塊を使ってトレーニングすることもあり、床に乱暴に置いた衝撃音は直下階にひびきます。また、エアロビクスやボクササイズなどを取り入れるところもあり不定期ではあるものの一定時間騒音と振動が続くこともあります。先程のダイニングバー同様耐えがたいものとなります。

2つの防止策

どちらの場合も、十分な防音対策を取ることを条件として入居を許可するのですが、それでも他のテナントもしくは近隣からクレーム出た場合は、テナントの責任と費用負担によって解決をすることを条件としましょう。あくまでも問題解決の主体はテナントにあるというスタンスです。

飲食店 家賃滞納 2ヶ月、どうする大家さん? 

有圧扇およびシロッコファンの騒音

飲食店に使用している換気扇は家庭用のものと異なり、有圧扇と言って風の強い日でも安定して煙や臭気を屋外に出せるよう強い圧がかかっています。当然プロペラの様に音がするのが一般的です。普段はあまり問題になることはないのですが、これが深夜12時を越える頃になると状況が変わってきます。静まった場所では相当な音になります。また厄介なことに、プロペラにゴミや脂が付着したり、フード内にグリスフィルターなどが設置されていると更に音が大きくなることがあります。これは店側のメンテナンスによるものですから大家さんの方で指摘して改善してもらいましょう。

意外と問題になるのが屋上まで伸びたダクトの先端に付けられているシロッコファンという煙や臭気を屋上で引っ張るファンのモーターが発する音です。近隣マンションの住居からうるさいとクレームになることがあります。大抵はベルトの破損かモーターのグリス切れ、またモーターを固定している足の部分に振動防止のゴムが設置されているのですが、これが経年により劣化し振動する音が原因となります。半年に一度でも定期的に調査をすればクレームになる前に改善を求めることが出来ます。ここは管理会社の出番です。調査と報告をしてもらいましょう。

話声が騒音

意外と厄介な騒音問題です。深夜お店付近で酔ったお客様が大声を上げていると近隣からクレームを頂戴することがあります。間違いなくそのお店のお客様かどうか疑わしいところもありますが、大家さん、管理会社側としては何らかの手を打つ必要があります。お客様が帰られる際、扉や引戸の内側に「お静かにお願いします」とお願いの張り紙をするだけでも効果があります。何よりもお客様に対する啓蒙活動をしているという姿勢が近隣に対するアピールとなりますので、見えるところに縦札を立ててもらうお願いを飲食店側に申し入れるのもよいでしょう。

まとめ:飲食店の騒音問題

意外とカラオケやクラブといった飲食店形態はクレームになりづらいものです。音や振動が最初から出ることが分かっているからです。当然大家さんや管理会社も注意をしますし、テナント側も入居物件が限られてくる為最初からクレームにならないような工夫をします。これに対し、今回実例をあげたダイニングバーの生演奏、フィットネス、話声といった騒音問題は、クレームになってみてはじめてわかる部分とクレームの内容次第で対応を個別に考えなければならない煩わしさがあります。だからこそ契約時に音源の特定をせずに騒音に対応する条文を入れることで解決するのです。(テナントの費用と責任において等)。飲食店の排気設備などの不具合などもそうです。定期的なメンテナンスを実施するよう条文に入れておけば電話一本で問題解決となります。

結局今回取り上げた飲食店の騒音問題を解決する一番の秘訣は、起こさないことではなく、起きた際に誰の責任で対処で解決するのか予め決めておくことなのです。

大家さん必見 撤退を余儀なくされ閉店した飲食店舗の有効活用

物件情報

お店をはじめよう 業種を決める ライフスタイル 相談する 開業情報 お金

  • このエントリーをはてなブックマークに追加