飲食店舗専門情報サイト 店サポ

飲食店舗専門情報サイト

コロナで激変!飲食店の開業で営業時間の新たな決め方・考え方~3つのアプローチ~

飲食店-営業時間

Photo credit : AJ 林 on Visualhunt.com

昭和から平成にかけてファミリーレストランの24時間営業はあたりまえでした。コーヒーを注文すると飲み放題で朝までいても嫌な顔一つされません。当時とても重宝するスペースでした。

ところが、この流れを変えたのがSNSとコンビニエンスストアーでした。それまで深夜に若者が集まる場所はファミリーレストランしかなかったのが、SNSがその機能を果たすようになり、場所・移動という制約から彼らを解き放たのです。また、24時間営業のコンビニも増えわざわざ高いお金を払ってまでファミレスに行くことも無くなったということも大きな理由です。

そこにコロナ禍が追い打ちをかけたことで、これまでの営業時間を大幅に短縮し24時間営業店は少数派となったのです。この流れは牛丼店やハンバーガーチェ―ンにも波及し、折からの人材不足と相まって一気に広がりを見せています。

飲食店の営業時間が社会を映す鏡のような存在であることをうかがわせる話ですが、実際に飲食店はどの様に営業時間を定めているのでしょうか。今回はコロナ禍、ウイズコロナを見据えて飲食店の営業時間をどのように定めるのか考えてみたいと思います。

Contents

飲食店の営業時間は儲かる時間帯

需要と供給の関係から言ってもお客様が来店されない時間帯で営業をすることは水光熱費、人件費、食材の無駄に繋がりますので飲食店の利益圧迫となります。当然ですね。逆に、夜中人が溢れている場所で、早々と店じまいをしてしまうのは利益損失と言わざるをえません。

利益を最適化もしくは最大化するには、需要と供給が交差する点を探し出すことが求められます。ではその求め方はどの様に考えるのでしょうか。

【開業前に読む】間違いない飲食店の立地選び<失敗した店舗立地>を検証

お客様の流れから開店と閉店時間を定める

これから飲食店をオープンされようとしている方は必見です。

近隣にある飲食店を、客単価が似通った飲食店、安い単価の飲食店、高単価の飲食店に分け、時間帯と曜日ごとに入店客の調査を行います。

一般的には、安い価格帯のピークは早い時間帯です。深夜まで続くということはないでしょう。中間価格帯(一般的な居酒屋)でお客様のピークは8時から9時前後に迎えた後、高価格帯へとお客様の流れは変わって行きます。

  • 角打ち(立ち飲み)・・・営業時間16:30~20:30(ラストオーダー)
  • 居酒屋 ・・・営業時間17:00~22:30(ラストオーダー)
  • 高級焼肉 ・・・営業時間18:00~23:30(ラストオーダー)

概ね上記のような時間帯が営業時間となっています。

赤坂や新宿など飲食店の集積地では更に遅くまで営業は続きます。逆に神田や新橋などオフィス街にある飲食店の集積地は営業時間が短くなる傾向にあります。これはコロナ禍でリモートワークが増えたことや早めに切り上げて帰るビジネスマンが増えた為です。

ここで重要なのは、街が持つ特性というバイアス(調整)を掛けることを忘れないことです。

コロナで激変!従業員採用という観点から営業時間を考える

コロナ禍で飲食業界の人手不足は更に深刻さを増しています。ここでは、なぜこのような事態となったのかを論じるのではなく、打開策を考えたいと思います。

気軽なアルバイトからの変化。

手軽なお小遣い稼ぎから活動費の捻出場所へと変わって来た飲食店のアルバイト。例えば、いずれ目指す資格やアーティストとしての活動の傍らその資金を飲食店のアルバイトで捻出する方をお見受けします。彼らは高額の時給(それも魅力的ですが)よりも社会保険安定収入、なにより休みがとれる環境を重視しています。

忙しすぎて人が集まらない繁盛店が考え出した人材獲得策は昭和に逆戻りの印象があります。採用時は、携帯電話の番号だけ聞き、アルバイト費は日払い清算だと聞きます。

また、ある飲食店で伺った話ですが、求人を出しても面接すらないとうことで困り果てた末にあることを始めたところ面接が急増したというのです。そのあることとは、面接にこられた方全員に食事を無料で振る舞うというものでした。かなりの効果があったとおっしゃっていました。

ここから読み取れることは、飲食店の営業時間にあう人材を集めるとなると相当苦労するのに比べ、彼ら(アルバイト)のライフスタイルに合わせ営業時間を柔軟に運用することでなんとか数を揃えることが出来ているということです。変わらなければいけないのは、飲食店側だったのです。

そんな方法が?飲食店が人材不足で廃業しないためのアルバイト雇用術を公開!

大家さんとの関係から営業時間を定める

飲食店の賃貸借契約書では貸す側が営業時間の縛りを入れることがあります。つまり大家さんが営業時間の制限をするということです。通常は、この時間内でどのように利益を出すかを考えるものですが、なかには営業時間の制限のない契約書もあります。何が違うのでしょうか。契約書に何かしらの制限が加わるのは、過去にトラブルがあったと考えるのが自然です。だからこそ制限をするのです。ここを聞き出せれば対策を練ることが出来ます。

例えば、飲食店の上層階に大家さんが住まわれている場合、天井その他に防音材を施すことで営業時間を延長してもらえただとか、店外で喫煙や会話などを店側が厳しく指導する約束をすることで営業時間の延長を取り付け、問題が起これば営業時間の見直しをするなど具体的な内容を特約に入れることで了解頂いたなど、何かしら大家さんを安心させる工夫があれば突破できることも結構あります。真摯にお願いすれば意外と要望は通るものです。ダメもとでトライしてみてください。

~まとめ~

コロナ以前、飲食店をオープンする場所(街)の特性や業種によって概ね営業時間は決まっていました。コロナ禍になって今度は採用するアルバイトの属性によっても営業時間を考える時代になっています。とは言え基本は、お客様の需要にあった時間帯です。もし契約書で営業時間を制限されている場合でも真摯に問題に取り組む姿勢が大家さんを動かす可能性が十分あることを覚えておいてください。

飲食店で空席をつくらないオペレーションとSNS活用法~回転率を上げる工夫も

  • このエントリーをはてなブックマークに追加