飲食店の営業補償に気をつけて!大家さん

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1階に入居中のテナントさんから電話が入りました。内容は、天井から水が滴ってきてバケツで受けている状態なんだけど至急対応して欲しいというものです。上階は大家さんがお住まいですからすぐに電話を入れて確認したところ、水回りの工事中だということが判明、急ぎ工事を中止して一階へ行き状況を確認するようお願いをしました。すぐに現場に急行したのですが、4人掛けのテーブルの上から水がしたたり落ちていてバケツが無いと水浸しになります。当然バケツがテーブルにあるのでその席は使用できません。ランチが終る頃に発生した水漏れは夜の時間帯まで影響が出てその日はそのテーブルにお客様が座ることはありませんでした。

さて、この話はここからが本番です。普段から音の問題やゴミの出し方で小さないさかいがあったテナントと大家さんの間に起こった水漏れ騒ぎ、営業補償の話に発展します。今回は、大家さんが備えなければならない営業補償について考えてみたいと思います。

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飲食店の引き渡し遅延による営業補償

この場合2つのパターンがあります。

  1. 新築物件で工期が遅れたことで引き渡しが遅れた場合
  2. 大家さんが飲食店居抜き店舗の引き渡しを遅延した場合

あまり多いケースではありませんが、過去には雨による悪天候が理由で外装の仕上げ工事が遅れ引き渡しが1ヶ月伸びたケースがありました。テナントは竣工前に契約を結んでいますから引き渡し日から工事に入れるよう準備をしていました。引き渡しが遅れることで一度手配した人工を手放すこととなり、折からの人材不足から次の着工が2ヶ月も先になるということになったのです。賃料は発生するものの工事が出来ない。当然引渡遅延による営業補償問題となります。

ポイント

この場合新築であることで予約契約をテナントと締結していたかどうかが分かれ道になります。新築の場合オフィスビルなどは予約契約を締結するのですが、飲食ビルの場合はあまり一般的ではないようです。この予約契約書では、引き渡しが遅れることがあると明記してあります。その場合、引き渡しが可能となった日より契約期間と賃料の支払い義務がスタートすると書いてあります。信条的には申し訳ないと思いながらもこの場合大家さんには営業補償をする義務はありません。

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次に、大家さんが飲食店居抜き店舗を引き渡すという場合は結構あります。ご自身で飲食店を経営されてこられて、引退と同時にお店を居抜きで賃貸に出されるケースです。よく起こるのが、これまでのお得意さんを対象に閉店にむけた営業をしていた為、食材やゴミ、什器備品などが運び出されないまま引き渡し日を迎えるというものです。またこんなケースもありました。非常に綺麗なフレスコ画のあるイタリアンのお店の閉店日、こともあろうにお客様がこぞってフレスコ画の上にお別れメッセージを書いてしまったのです。翌日の引き渡し日にそれを見たテナントは、既にパーティーの予約も入っているのにこれでは恥ずかしくてオープンできないと怒り心頭でした。当然営業補償という話になりました。

ポイント

後者の場合、いささか感情的な話し合いではありましたが、最初に提出されていた事業計画書にもとづき、店側が見込んでいた利益分を引き渡しが遅れた分だけフリーレントつまり賃料を免除することで決着しました。準備不足で引き渡しが遅れるような場合は話し合いです。1日2日の事であれば契約開始日を後倒しで解決しますが、時間がかかるようであればイタリアンの場合と同じ対応になります。言い忘れましたが、当のフレスコ画の修復代は大家さん持ちでした。

上階の水漏れによる営業補償

冒頭にお話しした大家さんの工事に起因して水漏れが発生し、そのせいでテナントの席が使用できなかったという件ですが、この顛末についてお話しします。

テナントは営業補償をして欲しいというだけで具体的な数字は言ってきません。大家さんも営業できなかった分については何らかの補償は考える姿勢です。さて決着は以下の通りです。

ポイント

大家さん、テナント共に水漏れについての保険に入っていました。大家さんは水漏れで被害を与えてしまった場合を想定した保険です。テナントは逆に上階からの水漏れにより被害を受けた分を補償する保険です。そこで双方の保険会社同士で話し合いをしてもらうことになり結果双方からお金が出ることとなり一件落着となったのです。

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飲食店の営業補償と解決できる保険

先程の大家さんとテナントのように双方が自分たちを守る保険に入っていればあまりもめることはなく、また金銭的な負担をすることなく解決が出来ます。では大家さんが入るべき保険とはどのような物でしょうか。

ここで賃貸借契約書を思い出して欲しいのですが、契約条項には必ず「契約の終了」、「貸主の責任」という条項が入っています。契約の終了とは、貸主の責めに帰しえない事由ということで、天災地変により建物の一部もしくは全部が壊れて使えなくなった場合契約は終了するとなっています。また同様に貸主の責めに帰しえない地震、火災、風水害、停電、漏電、漏水、偶発事故、盗難によりテナントが損害を被った場合、大家さんはその責を負わないとなっていますし、テナントも損害賠償を請求しないとなっているはずです。冒頭の場合は大家さんの工事ですから補償となりましたが一般的には建物の火災保険に入りオプションで台風で屋根が飛んだ際の補償や水漏れ補償、車などが飛び込んできた際の補償などをつけておけば良いでしょう。

一方テナントは、火災保険だけでは不十分です。これに借家人賠償特約を付けることで、火事で建物を燃やしてしまった場合の大家さんへの補償、台風による水害でお店が営業できない補償、爆発等で道行く人にケガをさせた際の補償、さらに食中毒に対する製造物責任補償も加入すべきです。これらの補償は火災保険と同時に(後からでも可能)オプションで入ることが可能ですが、最近では少額短期保険と言って月々の掛け金が格安な保険も出始めています。よく比較をして無駄な掛金を払わずに最大の補償を受けられるよう研究しましょう。

まとめ:飲食店の営業補償に気をつけて!大家さん

大家さん、テナント共にどのような保険が必要なのか考えるところから始めましょう。大家さんが賃貸借契約書の条文で守られている分、ご自身の財産を守る為に自然災害や火災により毀損した分を補償してくれるような保険を選ぶのに対し、テナントはご自身の財産を守る以上に大家さんや第三者に被害を及ぼした際に補償できるような保険を選ぶことが大切です。

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