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はじめに
飲食店を経営している方々に聞いてみました。お店として理想とする状態は何ですかと。
異口同音に安定した客数(売上)という返事でした。曜日や天候、季節に左右されずに安定したお客様の入りと言うことです。
確かに、日々安定した数のお客様が来店されるのであれば仕入れに頭を悩ますこともありませんし、当然無駄な廃棄も少なくなります。
また、食材の支払や税金の支払いを気にしないで手元の現金管理ができるなど経営的に安定する状態だと言えます。
さて、どうしたら曜日や天候に左右されない来客を実現できるのでしょうか。今回は、法人契約つまり食事補助や社員食堂、ケータリングというキーワードで理想の形に近づけないか実例をもとに考えてみたいと思います。
食事補助と飲食店を結ぶサービスとは
以前の社員食堂とは、郊外の工場内や周辺に飲食店がない立地の大型オフィスビルが定番でした。これは、実際に食べるお店の数や収容能力を補う為に用意された職域食堂です。最近は違う使われ方で社員食堂が用意されるようになりました。
例えば、IT企業など曜日や時間を問わず業務をする会社の社員向けに会社が用意しているケースや魅力的で低価格の社員食堂を人材確保の宣伝材料としている会社など、本来食べる場所の心配のないエリアにある大型ビルの一角を社員食堂にするケースが増えています。
一般的に見て社員食堂は周辺の相場に比べ割安ということがほとんどですがなぜなのでしょうか。そこには会社からの補助金が出ているからなのです。
福利厚生費に計上するには
1.役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
2.次の金額が1か月当たり3,500円(税抜き)以下であること。
( 食事の価額 )- ( 役員や使用人が負担している金額 )
国税庁の指針のように、会社側が負担できる月に3,500円以下ですから、月に20日間出社して毎日利用するとなると、1日あたり175円となります。800円の定食なら625円となりますから十分安いといえるでしょう。
この仕組みを取り入れて、指定飲食店として社食代わりに使ってもらえばよいのです。
とはいえ他のお客様と価格が違うことで不信感は生まれないのか、ただでさえ忙しいランチタイムに余計な計算は面倒とお考えのお店には便利なサービスがあります。
エデンレッドジャパンという会社(旧バークレーヴァウチャーズ)が扱う、「チケットレストラン」というチケットサービスです。すでに数千社社が導入している食事補助サービスです。
利用率は99%を誇ります。社員は配布される「電子食事カード」と「食事券」のいずれかを使用して、全国3万以上のお店で食事ができるというものです。
飲食代は現金ではなく食事券で支払うため、領収書による精算も必要ないので手間いらず。この「チケットレストラン」は食事補助の要件を満たした福利厚生用のサービスなので、会社側は問題なく福利厚生費として計上することができます。
学校近くの中華料理店の例では
その中華料理店はとある商店街の一角にあるご夫婦で経営する飲食店です。商店街を抜けた先にスポーツの団体競技で全国制覇をするようなクラブをいくつももつ有名私立高校、大学があります。
このお店、昼は周辺のサラリーマンで行列ができるほどのお店ですが、夕方からは別の顔を持ちます。全国制覇常連のチームの御用達店なのです。夕方近くは高校生が、その後に大学生が、夕食時を過ぎるとそのOB達で常にいっぱいです。
入店してくる部員たちは必ず所属のチーム名を宣言してから注文をしています。不思議に思いこっそり聞いてみたところ、高校、大学、社会人ともに所属のチームから年1回まとめてお金をお店側に差し入れているとのこと。
彼らの注文はすべて大盛か一皿サービスなどの特別メニューとなります。ただ、全員正規の値段(普通盛り)は支払って帰りますから飲食店側は大変繁盛していることと思います。
会議用弁当のケータリングは穴場です
法人契約のなかでも、大きな利益を生むのがお弁当のケータリングです。都内には福利厚生費に対応したお弁当専門店があるぐらいですから大きなニーズがあります。
今回ご紹介する居酒屋は60席とやや大き目な店舗ながら毎週90食ものお弁当をとある組合に届けています。その日はお弁当仕込み要因にアルバイトを朝から増員して対応するそうです。
過去10年同じ組合から毎週オーダーが来るとのこと。毎週ですから、通常の売上にプラスして1.5回転分(90食÷60席)が加算されるわけですから飲食店として安定した売上が稼げます。
詳細は申し上げられませんが組織名で検索するとかなりの確率でお弁当需要があります。例えば、協会、社団法人、連合会そして組合。今回の様に毎週ではなくとも月数回と言うのは曜日を問わず多いと思います。Webサイトで周辺住所を入れれば簡単に検索することができる時代となりました。お弁当メニューを作成し営業で訪問してみてはいかがでしょうか。また数量限定で実際にお弁当を制作しお試しで食べて頂くと言うのもよいアイディアだと思います。
~まとめ~
ある飲食店が閉店する際のことでした、その物件の大家さんが同じ建物に入居されており自分たちの社食代わりに使ってきたお店だった伺いました。
次のテナントにも同じ対応をしてくれる飲食店が入居の前提条件ですといわれたことを覚えています。また、新築のホテルの1階テナントには、宿泊客向けに朝食を出すサービスを受託することが前提だと言われることがあります。
最初は面倒に思いますが考えてみれば安定収入を得るチャンスだと考えを変える方が得策の様に思います。人材の不足に伴い今後ますます福利厚生の分野は見直されてくることが予想されます。今から研究なさってはいかがでしょうか。