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飲食業界で2月のイベントといえば
2月と言えば恵方巻とバレンタインデーが思い浮かびます。
さてその一つ恵方巻に関し2019年1月農林水産庁から小売業界団体にあるお達しが出ました。皆さんもご存知の通り、需要に見合った販売を推し進めるようにとの要請でした。
昨今の報道にある食品廃棄に対する批判に答えたものですが、2018年に兵庫県姫路市にあるスーパーマーケットが出した広告が起点になっているとの指摘もあります。
そのスーパーの出したチラシには、「もうやめにしよう」と大きく書かれた後に、節分の日に売り出される恵方巻について「作り過ぎて廃棄が出ないよう昨年の実績分しか作らない」と続けています。
やめにしようと書いたのは恵方巻の事ではなく「売れ行きに合わせて増産する体制」の事でイコール「廃棄」のことだったのです。
このメッセージは毎年苦戦を強いられる2月の数少ないイベントに冷や水を浴びせることになっていないでしょうか。
さて、飲食店の現場で囁かれる2月の売上落ち込み(閑散期)についてその理由と起源について考えてみたいと思います。
“ニッパチ”といわれる所以とその意味を解説
「28」=ニッパチという言葉をご存知だと思います。一般的には2月と8月に売上が落ち込むことを指す言葉です。さてこの言葉いつごろから使われるようになったのか気になります。
ものの本を開いてみると、第二次世界大戦の後だといわており、戦後加速するインフレに窮する社員、公務員に一時金をだしたあたりから巷でささやかれるようになったようです。つまり、ニッパチの起源は戦後だと分かります。
このことをヒントに由来を調べてみたところ納得の背景が浮かんできました。
ポイントは3つ
- ボーナス
- お中元・お歳暮
- バーゲンセール
1.ボーナス
まずはボーナスからです。ご存知のようにボーナスは6月末から7月上旬と12月上旬の年2回というのが一般的です。公務員のボーナスが今年は何か月出るのかという内容がニュースになっています。つまり7月と12月にはまとまったお金がサラリーマン、公務員の所帯にもたらされることで購買意欲が一気に高まる時期ですね。
2.お中元・お歳暮
次にお中元とお歳暮です。ボーナスの支給と連動するかのようにお世話になった方への贈り物をする一大イベントが日本にはあります。毎年送り続けることが感謝のしるしとして考えられていて、一度送り始めるとなかなかやめられないのがこの風習の特徴です。故に毎年かなりのの消費を生んでいます。
3.バーゲンセール
そして三番目のバーゲンセールです。7月中旬から下旬にかけてと1月です。さらに1月は新年の初売りもあります。
3つポイントから導き出される結論
もうお分かりかと思いますが、ボーナス⇒お中元・お歳暮⇒バーゲンセールでまとめ買いをした反動が翌月の2月と8月に反動として現れるのです。つまりボーナスを当て込んだデパートや小売業界の販売戦略の落ち込みぶりを表した言葉がニッパチだったのです。その様子は下記の表を見ても明らかに2月と8月はお売上が落ち込んでいる様子がみて取れます。
飲食店の2月、売上落ち込みと重なる理由とは
飲食店の皆さんからは2月の落ち込みが顕著だと聞きます。なかには1月中旬から始まると言う方もおられます。先程の小売業同様バーゲンやお歳暮でお金を使いサイフの紐が2月給与が出る月末まで緩まないことは容易に想像つきます。それだけでありません。12月の忘年会、お正月のお節料理、新年会とお酒や料理を食べ過ぎる時期であることも大きく関わってきます。
健康志向のこのご時世では、年末年始に取り過ぎたお酒や高カロリーな食べ物をこの時期に避けることで帳尻を合わせようとします。ダイエットを心がけている方は顕著にその傾向が現れます。
いわば過ぎた消費と貯え過ぎたカロリーのリバウンドが2月に影響を及ぼすのです。
~まとめ~今後のニッパチの行方を占う
冒頭に御紹介した食品ロスを減らす流れは今後一層大きくなると思われます。
既に、携帯電話のアプリから通常よりも安く廃棄前の食品を買うことができたり、コンビニエンスストアがこども食堂を展開することもこの食品ロスを減らすことに沿った活動です。
そのような節目を迎え今後の予想は、リモートワークの定着や虚礼廃止がさらに進むことで各月の売上は平準化してゆくものと思われます。
いずれ2月の景気も浮揚し他の月と変わらない売上となることでしょう。