まとめーSummaryー
- お客様が飲食店に期待するものはなにかを知る
- 時間があるからこそ雨の日はお客様とコミュニケーション
- 雨の日は特別な日として考える
- ホスピタリティーとは考え過ぎないこと。ちょっとした気配りの積み重ね
東京の年平均降雨日は109日との発表があります。一週間単位でみれば2日は雨となります。立地や業種でお客様の来店数が雨が原因で左右されるのはなんとかしたいものです。
ただでさえコロナ禍で以前の客足が戻らない飲食店、ここは前向きにとらえて雨の日も晴れの日同様お客様に来ていただけるよう考えてみたいと思います。
これまで雨の日対策を何度か取り上げてきました。どちらかというとアイディアが中心で、ややテクニカルな内容が多かったのですが、今回は、雨の日でもお客様が来店される飲食店とはどのようなものなのかその本質を考えてみたいと思います。
Contents
雨の日集客のヒント、お客様が飲食店に期待するものを考える
お客様はさまざまな目的で飲食店を利用します。食事、お酒といったものから、一休みする為や本を読んだり考え事をする目的もあります。また語らいの場でもあります。
これから飲食店を始められる方も既に飲食店を経営なさっている方もご自身のお店がお客様にどのような目的で利用されているのかまずジックリ考えるところから始めましょう。
ここで気をつけたいのは、飲食店側の想いを一旦忘れることです。どんなに思い入れのあるメニューや内装でもお客様が評価しているとは限りません。
逆に思いもしなかったところで評価されているかもしれません。ぜひ常連さんなど第三者の客観的な眼で評価してもらいましょう。
例えば、導き出された強みを雨の日の集客につなげるとすれば以下のような展開が考えられます。
< 料 理 >
お通しが美味しい店だと評価が高いお店だったとしましょう。ここを強みにするのであれば、雨の日に限り何種類か取り揃え選択できるようにしたり、普段は1品のところを2品に増やすなどの取り組みでもいいでしょう。
< 時間帯 >
女性に人気のパスタが美味しいと評判のお店ではランチは満員、夜はガラガラということもあります。つまり強みはランチタイムです。これを活かすには夜来店時に使える割引チケットや飲み物のサービス券、3名以上でボトル半額の特典などをランチに来られた人それぞれにお渡しするのです。もちろん雨の日に限りということで。
< 空 間 >
コロナ禍の時期、お隣との間隔が適度にありました。これをヒントに、話をするのに最適というお店作りを考えてみましょう。
席と席の間隔を広げたり、観葉植物やライトスタンド、ちょっと背の高いつい立などでアクセントをつけるなど簡単なものでよりプライバシーが保たれる工夫が評価を得られるポイントとなります。
利用される目的がわかれば雨の日の工夫を考える糸口になることでしょう。
雨の日、飲食店はコミュニケーションとサプライズ
雨の日はお客様が少なくて。と嘆かれている飲食店では当然晴れた日に比べ厨房もホールもさほど忙しくありません。もし、あるがままで暇そうにしているとお客様に必ず分かってしまいます。ホールのアルバイト同士で話が盛り上がっているような光景はもってのほかです。
普段の営業では、お客様に割ける時間は限られています。追加オーダーをしようにも席の近くを店員さんが来てくれないこともあります。だから雨の日こそ忙しくない分接客に時間を費やすのです。
例えば、お店の自慢料理をいくつかご紹介してみて、これまで食べたことがない料理があれば、食材や作り方、味などを紹介して試して頂くようにしましょう。
厨房も力が余っているなら賞味期限が迫っている食材を使って一品サービスをする「サプライズ」を雨の日は取り入れてはどうでしょうか。
それらが口コミで広がれば雨の日に来られるお客様はグンと増えることでしょう。
雨の日、飲食店はお客様が期待する特別な日にする
有名焼肉店が雨降り限定で割引を始めたところ話題となりました。通常500円以上するジョッキのビールが290円程で飲めるようにしたのです。
そもそも肉がメインではありますが、話題の中心はビールとなったわけです。同様なサービスももちろんですが、肉+ビールなどお店の強みと雨の日サービスが紐づいているからこそお客様に響くのです。
- 雨の日しか出さないメニューを考案する
- お店で一番売れている料理を原価に近い価格で提供する
雨の日には、インパクトのある特別感があるほどお客様に覚えて頂けます。逆の発想でいえば、お店の従業員が食べるまかない飯などを格安で提供するのも斬新なアイディア(物珍しさ)でインパクトがあります。
雨の日に来るたびに違うものがあるとさらにリピーターが増えることでしょう。写真映りを考えた盛り付けや、来店されたお客様が人に見せたくなる、自慢したくなる特別感を考えましょう。
飲食店は雨の日ほどホスピタリティーがとわれる
飲食店のホスピタリティーとは?重く考えすぎないでください。ちょっとした心遣いの積み重ねが大切なのです。
「雨の傘」は、席までもっていって椅子にかけたり、テーブルの脇に置いたりと意外におさまりの悪いものです。特に女性などレインコートでこられることもあります。全部ひとまとめにして店側で預かれば雨の日の煩わしさは随分と解消されます。
「おしぼり」一つとっても気配りが生かされるところです。普段はウエットティッシュのようなもので済ませている飲食店でも雨の時期だけはタオルのおしぼりを導入されることをご提案します。
冷たいおしぼりだけでなく温かいおしぼりも常備しましょう。雨の中歩いてこられたお客様は冷たいおしぼりより温かい方がホッとするものです。
お客様が席に着かれたタイミングでどちらがいいか伺うことでお店のホスピタリティーは十分伝わります。
~まとめ~
TwitterやFaceBook、Lineなどを使い雨の日集客をする方法を目にします。飲食店ですから宣伝をすること自体なにも問題ないのですが、2017年8月の様に連続20日を超えて雨が降るようなことになるとそのようなメッセージは飽きられてしまいます。
宣伝だけの集客方法は雨の日に来店頂くための本質ではないと言うことになります。SNSを生かすのであれば意外とアナログなサービスとの組み合わせこそが雨の日に強いといえるでしょう。
最初にも書きましたが、飲食店の強みが雨と紐づいてより魅力あるものにしてゆかないと雨の日を克服できないことがお解り頂けたと思います。
更に小さなサプライズやホスピタリティーがあわさって雨の日でもお客様が訪れるお店が形作られてゆくのです。
安易な値下げや過剰なSNSはかえって逆効果となります。まずはご自身のお店の強みが何なのかジックリと考えてみてください。