飲食店舗専門情報サイト 店サポ

飲食店舗専門情報サイト

小さな飲食店でも売上アップは出来る!「回転率」と「時間短縮」を解説

飲食店-回転数-時短

Photo by Assorti

飲食で全国展開をしているチェーン店は独自のメニューや低価格を武器に売り上げを伸ばしているように思われがちですが、その陰であらゆる無駄の削減に日々工夫を重ねています。

注文を頂いてから料理を提供するまでの時間を短縮する為に食材の収納場所と調理器具の配置などに工夫するばかりか、ある大手ハンバーガーチェーンでは毎年そのスピードを競う大会まで開いて技術向上と時間短縮を続けています。
また、ある居酒屋チェーンでは、調理をするスタッフに万歩計を持たせて一日に厨房内を移動する歩数を測り、厨房機器のレイアウトや厨房機器自体のサイズを独自に開発することで調理時間の短縮を図っています。チェーン店はなぜこんなにもバックヤードにこだわるのでしょうか。

今回はその答えから一人、二人で営業されている飲食店でも活用いただけるヒントを探りたいと思います。現在営業中の飲食店舗でも売り上げを伸ばすヒントにして頂ければ幸いです。

Contents

限られたランチタイム

ランチタイムは1時間と相場が決まっています。都心では時間をずらしてランチタイムをとる会社も多くあります。周辺の飲食店を見てもランチの営業時間は11:30am~2:00pmのところが大半です。この限られた時間内で売上をアップするには4つのポイントがあります。

  1. 客単価を上げる
  2. 原価率を下げる
  3. 労働力を削減する
  4. 回転率を上げる

それぞれ見て行きましょう。まず客単価を上げるとなるとこれまでランチ800円だったのを850円や900円に値上げするということになります。周辺にまったく飲食店がないというのであればいざ知らず、安易な値上げは命取りになります。これまでリピートしてくれていたお客様が他店に流れてしまいます。

ランチを利用するサラリーマン、OLの皆さんは限られた予算の中で一番おいしい料理を求めています。味も内容も変えずに代金だけ上げたのでは間違いなく理解は得られないでしょう。最終的には少々高くても空いている、いつ行ってもすぐに食べられる程度のお店になってしまいます。

2番目の原価率を下げる方法も実は1番の値上げとさほど変わりません。同じ金額を払ってこの内容かと見限られてしまいます。そのあたりお客様は敏感に察知します。想像以上にシビヤだと考えて下さい。

3番目の労働力削減とは人を減らすことですから、これまでなんとか注文、配膳、下膳と回っていたサイクルが回らなくなる可能性があります。そればかりか、別のアルバイトが辞めてしまったり、ご主人もオーバーワークで体を壊す可能性があります。

最後に残った回転率を上げる方法ですが、ここがまさにチェーン店が日々研鑽を重ねる部分です。少人数の飲食店でも応用できる部分を考えて見ましょう。

知っ得 飲食店のランチタイムは女性客を狙え

回転率アップのヒント

まず飲食店における回転率とはなんでしょうか。カウンター10席に対しランチタイムに訪れたお客様が10名であれば回転率「1」となります。20人来れば2回転、50人であれば5回転となります。24時間営業の店であれば時間が長い分その回転率は必然的に上がります。チェーン店が24時間営業にこだわった訳はここにあります。

しかし少人数店舗ではそうはいきませんしランチタイムの時間も限られています。つまり解決すべきは時間内にどれだけのお客様に食べて頂けるかにかかっていると言えます。

まずお1人が入店され注文から食事をして会計を済まされるまでを考えて見ましょう。仮にその時間が15分間だったとすると1席当たりランチタイム60分で4人分の売上となります。全部で10席のお店であればトータル40人がランチタイム1時間マックスの売上となります。ここをベースに回転率アップについて考えて見ましょう。

お客様1人当たりの時間短縮

席が増えない以上売り上げを上げるには1席当たりの回転率を上げる必要があります。仮に一人当たりの所要時間が15分から12分に短縮できたとすれば1席当たりの回転数は4回から5回にアップします。全体では40人から50人へ25%のアップです。これを1日の売り上げベースで見てみると仮にランチ850円×40食=34,000円が25%アップで42,500円になります。月に20日稼働で170,000円の増収、年換算で204万円もの売り上げ増です。

3つのタイプで考える 飲食店のランチ戦略

時間短縮の具体策

さて、具体策について考えて見たいと思います。そこでは大きく3つの場面が想定されます。

  1. 注文を伺う時間
  2. 注文ごとに料理する時間
  3. お金を精算する時間
  4. 厨房内の移動時間

まず、お客様が何を頼もうか悩む時間を削減できないものでしょうか。近くにある割烹料理店のランチは1種類しかメニューがありません。但し日替わりで毎日伺っても違うメニューです。空いている席に座ればすぐにメインの料理以外のご飯、おみお付け、漬物、箸休めなどがお盆に載せられて出てきます。ほどなくその日のメイン料理が運ばれて食事がスタートします。このようにメインの料理を一品か二品に絞ることで注文の時間を短縮することが出来るばかりか、調理をする時間も大きく短縮できます。更に言えば、食材のロスも大幅に減らすことができ一石三鳥の効果が生まれます。

この後お金を払って頂く場面では、お代金とお釣りのやり取りが発生しますから、そこにどうしても一人の労働力を割かなければなりません。やはりチェーン店がお手本ですが、券売機という選択があります。入口で注文と清算を済ませることで「時間」も「人」でも削減できます。

一人当たりのオペレーションを短縮するにはもう一つ大きな要素があります。

  • 調理時間が短縮できる厨房のレイアウト
  • 出来上がった料理をお客様に届ける配膳
  • 食べ終わったお膳を下げる下膳

この3つの作業に必要な移動距離の短縮です。分かりやすい例がカウンターだけの牛丼チェーン店です。Uの字かコの型のカウンターは配膳も下膳も同時に出来ます。移動距離も最小限で済むように出来ています。

今回の例で言えば、奥の厨房はメインの料理作りに専念し、ホールの一人は予め作り置きしておいたメイン以外の膳を直前にご飯を盛り付けて出すと同時に食べ終わった膳を下げる役割に徹すれば、時間短縮と同時に回転数が上った際の客数にも対応できるという訳です。

~まとめ~

お客様1人当たりにかける時間を短縮することが少人数の飲食店でも大きな利益を生むことがお分かりいただけたと思います。冒頭で書きましたチェーン店がバックヤードに並々ならぬこだわりを持つ理由もお分かり頂けたと思います。彼らの事業規模だとお客様一人当たり1分短くなるだけで年間億単位の売上増となるからです。

今回は、ランチに限った内容で書きましたが、飲食店を計画されている方や既に経営なさっている皆様にとって夜の営業も同様の工夫が出来るはずです。

正月の駅伝選手が腕に書いていた「その1秒を削り出せ」の如く、飲食店でも1分を短縮する工夫にトライしてみて下さい。間違いなく少人数でも売上アップにつながります。

飲食店 繁盛店は知っている 儲かる メニュー の考え方

  • このエントリーをはてなブックマークに追加