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マンションの一室を飲食店舗に貸す時は管理組合に事前相談!

飲食店-管理組合

Photo credit: jun560 on VisualHunt / CC BY-NC-ND

管理組合が存在する建物とは、分譲マンションや再開発建物など区分所有建物の場合に存在します。似たような建物でも、ご兄弟や親子で持分により所有されている場合や区分所有でも幹事となる方や法人が存在する場合はこの管理組合は存在しないことがほとんどです。

分譲マンションにお住まいの方なら誰でもご存知の理事会と呼ばれる自治組織。実はこれがその組合にあたります。理事長がいて副理事、監査、会計など役割と責任が分かれており区分所有者から集めた管理費や修繕積立金を有効かつ厳正に管理しています。

今回は、管理組合のある建物の一部を区分所有されている方が、その持分を賃貸室として飲食店にお貸しする際の注意点について考えたいと思います。

Contents

マンションの管理組合の役割とは

まず、組合組織とは何かを知る必要があります。一般には、組合を構成する人たちがそれぞれに組合の目的に沿った役割を分担し、その役割において責任を果たすことで構成する人たちの共通の利益や目的を達成させるという集団を言います。

例えば、農協と呼ばれる組合組織が各農家の収入を安定させる目的で農作物の一括買い上げと流通販売をになっていることが代表的な組合方式です。

さて、区分所有建物や再開発建物の場合は何を共通の目的とした組合なのでしょうか。

  • 建物の美化・維持・修繕
  • 日常管理
  • 修繕費の積み立て
  • 修繕計画
  • 資金管理

などが主な役割となります。誰かが建物に関する世話をやいてくれるのではなく、建物の区分所有者全員で建物の財産価値を維持する為の資金管理や意思決定をする機関なのです。

その対象が住居の場合、住むという行為は人によりさほど差はありませんから、仮に区分所有の一室を住居として賃貸に出すにあたり管理組合の許可を必要とはしません。音やペット、ゴミに関する取り決めを守りさえすればまずトラブルにはなりません。

これが飲食店に貸出すとなると状況が一変します。

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分譲マンションで飲食店に貸す場合の注意

住居で貸す場合は管理組合への確認は必要ないと申し上げました。飲食店の場合は管理組合の許可が必要となるには理由があります。

「管理規約」で住居以外の使用は制限されていることがほとんど

この管理規約とは、区分所有建物が出来た際に区分所有者全員が持つルールブック兼取り扱い説明書のようなものです。

この規約でそもそも飲食店の営業が出来ないと定められているケースがあります。飲食店が営業できる場合でも酒類は置いてはならないというケースや営業時間を夜10時までとするケースなど立地や建物のグレードにより千差万別です。

最初から飲食店として所有されている場合でも業種が変わる際にはやはり管理組合に確認する必要があります。

なぜこのように厳しく管理されているのかと言うと、飲食店が入居することで、

  • 美的観点
  • 臭い
  • 汚れ

等々、人により判断基準が異なることで住民同士のトラブルに発展する恐れがあるからなのです。

判断を求められた管理組合は理事会と呼ばれる管理・運営の意思決定機関で判断をするのですが、大掛かりな場合や判断が分かれると判断した場合など臨時総会を開いての決議となる場合もあります。

次のチャプターでは、飲食店に貸そうとした際に大家さんがテナントに確認すべき事項について考えてみたいと思います。

区分所有建物で飲食店テナントに確認するリスト

  1. 業種(軽飲食・重飲食等の別)
  2. メニュー
  3. 酒類の扱い
  4. 営業時間
  5. 看板デザイン
  6. ダクトの有無(高さ)
  7. オープンまで日程

管理規約で飲食店の制限がなかったとしてもどのような飲食店が入るのかにより理事会の判断は分かれます。

喫茶やタピオカなどの軽飲食はOKでも、焼肉やカレー、中華といった臭い、煙が強い重飲食は承認されないことが多くあります。その為カレー店なのに名前をアジアンダイニングやエスニック料理と称して大家さんや理事会を欺くやり方がありますからメニューを必ず入手してください。

酒類と営業時間は密接な関係にあります。お酒を提供するのに夜10時には閉店しますというのは辻褄が合いません。後になって徐々に営業時間を遅くする危険性があります。お気をつけ下さい。

業種や営業時間がOKでも派手な看板やネオンサインなどで建物の美観を損なうことがあります。管理規約にも最初から看板の掲示範囲を決めていることは少なく、デザインと大きさ、内照式か照射タイプかの別を見てからの判断というのが一般的です。

よくあるトラブルでは、看板のデザインは後で出しますといって店内の工事を進めた後に、出したデザインが理事会に否決されるといったことがあります。

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美観の観点と臭い煙の処理で言えば排気ダクトの処理です。壁から外部に直接噴き出す処理かダクトを屋上まで上げて噴き出すのかにより開店に関わる費用が随分と変わってきます。

このあたりの判断次第ではテナントが検討を取りやめることが多くあります。理事会もどのような業種か聞かないと判断がつかないので悩ましいところです。

最後にオープンの時期を聞くのには大きな理由があります。これは飲食店の承認を管理組合や理事会の決定に委ねるとなると理事会や組合の意思決定のタイミングがカギとなるからです。

申請をしても次の理事会まで回答は出せないということはザラにあります。逆に理事会からの質問事項や追加検討案などのキャッチボールをしているうちに1ヶ月や2ヶ月はあっという間に過ぎて行きます。

もしテナントが契約を大家さんと結んで家賃を払いながらこの打合せを始めるとなると無駄な家賃を払うこととなり大きく計画が狂う恐れがあります。契約前にそのあたりのタイムスケジュールの確認と事前協議を組合としておくことをお薦めします。

~まとめ~

分譲マンションの管理組合は自分たちが住まう財産としての建物という想いがあります。それゆえ無下に他の区分所有者の希望を却下することはないように思います。よほどハッキリと飲食店不可と規約に定めがある場合は別ですが。

つまりなんとか知恵を絞って思いをかなえてあげようという互助のドライブがかかります。しかしながら再開発のような区分所有建物の管理組合は、管理を大手デベロッパーの子会社などに委ねるケースが多く規約通りに判断されることがほとんどです。その意味では例外は一切認められずあえなく断念となることでしょう。

大家さんとして区分所有室を賃貸に出される場合は、区分所有の賃貸物件を飲食店で扱ったことのある不動産会社を選びましょう。そうでないと後で話が違うとテナントからクレームを受けることになります。

築年数や分譲会社により管理規約の運用方法や厳しさはまちまちですが、一つ確実に言えることは、管理室におもむき管理規約を見せてもらうことと、理事会へ事前のヒアリングは必ず行うということです。

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