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飲食店 開業融資の裏技 経営革新等支援機関を狙え
個人で飲食店を始めたい人にとって融資を受けることは物凄くハードルが高いように思うかも知れません。確かに簡単ではありませんが、どうしようか迷うほど難しくもありません。但し、飲食店をオープンされる前であれば融資を受ける選択肢は一つしかありません。
日本政策金融公庫に限られます。今回は、初めて飲食店を独立開業なさる方の為に正攻法の融資とあまり知られていない助成金などの返済が不要な資金の調達方法や出来るだけ確実に早く融資を確定させるためにある機関を利用する方法をご紹介したいと思います。
正攻法
日本政策金融公庫 国民生活事業では新たに事業を起こす人の為に無担保・無保証人でお金を貸してくれます。この制度は「新創業融資制度」という名前が付けられています。もちろんですが、ただ飲食店を始めたいのでお金を貸してくださいといってもダメです。ちゃんと事業計画書を作成する必要があります。そして審査に通れば晴れて融資実行となります。
新創業融資制度
詳細については、日本政策金融公庫のHPから新創業融資制度のページをご覧頂きたいのですが、初めて見る方には結構分かりづらいのでポイントをかいつまんで説明します。
・新たに事業を始める方、事業開始後税務申告を2期終えていない方が対象です。
・自己資金が創業資金総額の10%以上であること
・利用限度額が3,000万円(内運転資金が1,500万円)
・無担保・無保証人
大抵の方はこの制度を利用して融資をお願いしているはずです。
実はこの要件説明書きの(1)~(9)の中で(7)に注目頂きたいのですが、公庫が参加する地域の創業支援ネットワークから支援を受けて事業を始める方。とあります。この創業支援ネットワークこそが本日ご紹介する裏技、経営革新等支援機関なのです。
ではその認定支援機関は何をする機関でどのようなものなのか見てみましょう。
経営革新等支援機関
そもそも平成24年8月に中小企業経営力強化支援法が施工されたところから始まります。この法案施行に伴い中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う為に経営革新等支援機関の認定制度がスタートしたのです。税務・金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係わる実務経験が一定レベル以上の個人、法人が認定されたのですが、具体的には商工会や商工会議所、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士が認定されており平成26年夏の時点で9,576機関と言いますからかなりの数にのぼります。
さて、具体的に彼らが何をするのかと言うと、内容により直接、電話、メールなど様々な形での受付、相談となっていますが、関東経済産業局のサイトを見ますとこう書いてあります。
認定支援機関による支援は、有料の場合があります。相談される方がご自身でご確認頂き、合意の上で支援をお受けください。(国は、認定支援機関の認定をしているのであって、支援に関する料金体系等を認めている訳ではありませんので、ご注意ください。)
次に、彼らが行う具体的な支援とはなんでしょうか。
支援分野としては、創業支援、事業計画作成支援、人材育成、人事・労務管理、金融・財務など多岐にわたり専門的な支援してくれます。
認定支援機関を使うメリットとは
上記にあるように少々お金がかかるのですがその費用の何倍もメリットが実は隠されています。
事業計画など継続可能な計画を立てるプロである認定支援機関と作成した内容であれば、日本政策金融公庫はほぼ審査の必要がなくなります。つまりフリーパス状態です。ですから、通常審査に2週間から3週間かかる審査期間が1週間から早いもので3日という話を実際に聞きます。
メリットはそれだけではありません。個人では申込めない助成金をこの認定支援機関を利用することで申請することが出来ます。
創業補助金・・・ 起業・創業・第二創業対象の助成金(返済義務なし)
助成率: 2/3
補助額: 200~700万円
但し、一定の期間に申し込む必要があるのと国の予算を上回る応募があると内容審査で通らない場合もあります。裏技ついでにお話をしますと、飲食店を始める際のメニューに東北や熊本など被災をされた地域の特産物を使った料理を入れるなど震災復興を助ける内容のものは通りやすいと聞いたことがあります。(あくまでも噂ですが。。。)
折角なので利用しない手はありません。この助成金で認定支援機関を利用するのにかかる費用などあっという間に出てしまいます。
中小企業経営力強化資金
聞きなれない言葉だと思いますが、これもれっきとした日本政策金融公庫が行う低利融資の一つです。
ポイントをあげますと以下の通りです。
・対象者:市場の創設・開拓(新規開業を含む)を行おうとする者で、認定支援機関の指導及び助言を受けている者
・対象資金:設備資金及び運転資金
・貸付限度:<国民生活事業>7,200万円(内運転資金4,800円)
・貸付利率:公庫基準金利から -0.4%
・貸付期間:15年以内(設備資金)、7年以内(長期運転資金)
同じ日本政策金融公庫の融資でも、新創業融資制度よりも融資額、貸付利率、貸付期間でいずれも優遇されています。こちらも認定支援機関と組むことで数日のうちに融資の決定がなされるということです。金額は別としても是非利用したい制度です。
今回ご紹介したような融資制度は、一般に広く告知されていないばかりかとても分かりづらくて、お世辞にも使いやすいとは言えないものがほとんどです。ところがその道のプロと呼ばれる税理士などはそのあたりのことをよく知っていて、彼らと組んだ人だけが恩恵にあずかることが出来るというのも釈然としません。とは言え活用できるものは最大限利用するのが税金を払っている善良な国民の権利です。もしこれから融資を使って開業を目指すのであれば、ご自宅か開業予定の飲食店舗近くで経営革新等支援機関の認定を受けている税理士さんか税理士法人を探されて一度ご相談なさることをお薦めします。
融資の相談をするだけならタダですからご安心を。