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飲食店の食中毒は3つのキーワードで防ぐことが出来る~具体的予防対策とは~

飲食店-居抜き-食中毒

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日本の気候区分は亜熱帯程暑くはない、温暖湿潤気候と呼ばれるエリアに属します。ほどほど寒くほどほど暑いエリアで本来過ごしやすいはずなのですが、いかんせん湿度が高く夏の不快感には閉口します。

そんな環境で幾度となく引き起こされるのが食中毒。年間約1,000件以上も発生しています。年々減っているのかと思いきや、ここ十数年その発生件数は変わっていないというから驚きです。

もちろんですが、どのお店も食中毒には注意を払って気を付けておられることと思います。もし起きてしまえば営業停止はおろか、感染者への補償や風評被害など仮に再度お店をオープンさせてもお客様が離れて行ってしまう可能性の方が大きいと言えます。

そんな経営危機を招く食中毒。もしこれから飲食店を始めようとお考えの方には是非参考にして頂き、現在お店を経営なさっている方には今一度原因からおさらいし、併せて予防策についても今一度確認していただきたいと思います。

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Contents

そもそも飲食店の食中毒はなぜ起こるのか

食中毒を起こす原因に大きく2つに分けられます。細菌とウイルスです。

細菌とは、温度や環境が揃えばどんどん食物の中で増えて行き、その食物を食することで食中毒を発症します。これに対しウイルスは感染した食物の中では一切増えません。

ところが一度人体に取り込まれると腸内で増殖し食中毒を発症します。この特性の違う原因をいかに取り除くかが今回のポイントになります。

3つのキーワードで食中毒を防ぐ

何から手を付けいいのか見当もつかない。まめに掃除をすれば洋のでは?新鮮な材料だけを扱っていれば大丈夫じゃないの?などなどいろんなご意見があります。

まずは、3つのキーワードに沿って食中毒の防止策を考えてみたいと思います。

寄せ付けない

そもそも食材に細菌が付着していないとすると後から付着するものです。となればどの時点で付着するのかを考えれば予防策は生まれてきます。

ただ、ウイルスはそもそも食材が最初に持っている場合がありますので別の対策が必要です。

さて、食材に細菌が付着する一番の原因は「人の手」です。ともかく手を洗うことが最重要課題です。そのタイミングとは。

  • 調理を始める前
  • 鮮魚や生肉を扱った後
  • 調理途中に鼻をかんだりトイレに行った後
  • 残飯や生ごみを扱った後

洗ったあとは、共用のタオルなど折角洗ったのに別の細菌が付着する可能性のあるものは使用せず、ペーパータオルなどを使うようにしたいものです。

いくら清潔に保つと言っても限界があります。おにぎりやサンドウィッチなど素手で調理するのではなくビニール手袋の装着をお薦めします。

また、サラダや盛り付けなどつい素手でという方もいらっしゃるかもしれませんが、トングや箸を必ず使用するようにしましょう。

また、まな板や包丁などは、生肉や生魚を調理したあと手を洗うのと同じぐらい調理ごとに清潔に洗い流すことが大事です。理想はまな板も包丁も食材別にしておくことが理想です。

ところで、よく店内でホール仕事をしている方が、調理された料理を運ぶ前にアルコールで手を消毒してから給仕する姿を見かけることがあります。是非見習うべき習慣です。

寄せ付けない最後のポイントは、お客様もお店の方も共用で使うトイレです。マメに清掃をして清潔に保つことと蛇口やドアノブなど忘れがちなところはアルコールで消毒すれば完璧です。

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増殖させない(その環境とスピード)

一般的に細菌が繁殖しやすい温度とはどのようなものでしょうか。概ね30~40度と言われています。

逆に繁殖しない温度帯が10度以下と60度以上です。つまりその温度帯に食材を保存しておけば食中毒の危険性は減ることとなります。

因みに、刺身や寿司などで食中毒を引き起こすビブリオ菌ですが、2時間のうちに3万2,768倍に増殖することが分かっています。

このビブリオ菌が10万個に達すると食中毒を引き起こすことも分かっていますので、単純計算でもたった4個の菌が食べ物に付着して2時間が経過すると食中毒を引き起こすことになります。相当な威力です。

その意味で特に気をつけたいのが以下の3点です。

  • 冷蔵庫内の温度管理
  • 冷凍食品の解凍方法
  • 作り置きのソースやカレーの保存方法

温度計は飲食店を始める際保健所に届を出す時点でチェックが入ります。温度表示がないと受け付けてくれません。さて、前段の話で温度は10度以下なら大丈夫と申し上げましたが、刺身で提供するような素材は4度以下での保存が望ましいです。過熱をして調理する素材については10度以下を目安で十分です。

冷凍食品などを自然解凍する時に意外と菌は増殖します。時間がかかってもいいのなら冷蔵庫内でゆっくり戻し、時間がないなら電子レンジを使う方法があります。ちょっとレンジはというのであれば流水を使っての解凍がいいようです。

逆に、ソースなどを作った際にそのまま自然に冷まして、その後鍋ごと冷蔵庫に入れるなどと話を聞くことがあります。

できれば、平らなバットに移し素早く粗熱をとってから冷蔵庫に保存する方法がよろしいかと思います。

飲食店は、素早く解凍し素早く冷ますと言うのが鉄則のようです。

死滅させる

食中毒を防ぐには食材に良く火を通すことが一番と言われています。ある方の説明では、食材の中心温度が75度以上になった状態を1分以上続けることで大抵の菌は死滅すると仰っています。

確かにノロウイルスは、二枚貝がもともと持っているウイルスの加熱不足から引き起こされると言いますし、細菌自体はタンパク質なので高温には弱いというのは理解できます。

意外にも冷凍食品などを解凍して調理するときなどに解凍ムラが生まれ均等に火が通らないことがよくあるようです。

結果、火が上手く通らず菌を死滅させることが出来ない為食中毒を引き起こす原因となるのです。しっかりと解凍したいところです。

ところがこんなタフな菌もいます。人の手を介しておにぎりやサンドウィッチなどから食中毒を引き起こす黄色ブドウ球菌は、100度以上で30分以上加熱しても死滅しないと言われています。こうなると、そもそも菌を寄せ付けないことが最重要です。

~まとめ~

食中毒を引き起こす細菌で9種類も名前が挙がります。また、それぞれ特定の料理や調理方法に由来をしています。

刺身や寿司からはビブリオ菌、おにぎりやサンドウィッチに黄色ブドウ菌、炒飯やスパゲティーからセレウス菌、鶏卵や牛、豚の肉からはサルモネラ菌などなど改めて見て行くと日々の食生活に直結しているものばかりです。

今回、食中毒を巡る菌とウイルスを見てきましたが、やはり水際ともいえるファーストタッチの部分、詰り手洗いに消毒洗浄清潔といったことが一番重要ではないかと痛感しました。なぜなら菌がつかなければ増殖しないのですから。

ただ、現実にはそう上手くは行きません。この高温多湿の日本にあって、また年中温度が高い厨房では菌を増やさない不断の努力が必要なのです。

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