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夏本番に備える飲食店の節電対策~ここまでやれば完璧~

飲食店-電気-節電

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毎年のことではありますが、夏場に増える電気消費量、その支払いが頭痛の種という経営者の方は多いことと思います。この増えた電気代は遅れて請求されるものですから、手の打ちようがないと諦めることが多いのではないでしょうか、また来年は何とかしようと心に誓うのですが喉元を過ぎれば熱さは忘れてしまいます。

今回は、今からでも間にあう飲食店の節電対策を考えてみたいと思います。キーワードは冷蔵庫・冷凍庫、エアコン、電灯の3つです。

では順番にみていきましょう。

飲食店に必要な電気容量の見方~トラブルの解決策と対処方法~節電対策まで

Contents

1.冷蔵庫・冷凍庫

放熱板

業務用の冷蔵庫・冷凍庫は家庭用と違い、壁面にピタリとくっつけてもいいように設計されています。例えば、4ドアの冷凍冷蔵庫などは、本体の上部に温度計がついているケースが殆どですが、この温度計の後ろ側にコンプレッサーと放熱板が設置されています。本体の電源スイッチもありますのでご覧になったことがあると思います。

隙間を開けないで納めることが出来るのはとてもいいのですが、本体上部では埃が溜まりやすく放熱板が目詰まりを起こすことが往々にしてあります。ここの掃除を怠るとコンプレッサーに負荷がかかり電気を余計に消費することになります。

同様に、コールドテーブルなどは、扉の左右どちらかにコンプレッサーと放熱板を備えています。足元に近い分やはり埃を吸いやすい環境にあります。こちらもまめに掃除をしましょう。

庫内に詰め込み厳禁

あまり詰め込み過ぎると庫内の対流が起こらなくなり、結果冷えなくなることが報告されています。庫内にはめいっぱい詰め込まずに余裕をもって収納するようにしましょう。

温度設定

夏だからと言って温度設定を必用以上に低く設定していませんか。目安としては次の通りです。

  • 冷蔵庫   1℃ ~ 5℃
  • 冷凍庫 -18℃ ~ -22度

設定温度で電力消費量は変わります。冷凍庫に比べ冷蔵庫の方がより消費電力に直結します。

ドアの開閉数・冷蔵庫カーテン

ドアの開け閉めの頻度が多ければその分庫内の温度は上昇し、それを冷やそうとコンプレッサーが働く分電力を消費します。ここで対応策は2つあります。

  • 扉を開ける回数を減らす工夫
  • 庫内に冷蔵庫用カーテンを設置

電気の消費量が多い順で言えば、庫内の容量が多いほど電気を消費します。何でもかんでも大型冷蔵庫や冷凍庫に入れて出し入れをするのではなく。出し入れの多い食材や仕掛食材は別のもっと小さなものに移しておきそこから出し入れをすることで節電になります

どうしても大型の冷蔵庫と使用しなければならない時は、冷蔵庫用の透明なすだれタイプのビニールカーテンが市販されています。やすいものなら500円程で購入できますので試しに使ってみることをお薦めします。十分な節電効果が得られます。

扉パッキン

冷蔵庫や冷凍庫の扉にはゴム製のパッキンが必ずついています。金属製の本体と扉を繋ぐ緩衝材であり、冷気を外に逃がさない気密材の役目をしています。ところが、長年の使用でゴム自体の弾力性が失われ気密が保たれなくなることがよくおこります。これは汚れによる原因がほとんどです。扉についているゴムパッキンは中性洗剤やアルコールでマメに綺麗にしましょう。

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2.エアコン

室内機のフィルター

室内の空気を取り込む場所にフィルターがついており埃が冷却フィンの中に入らないように出来ています。ここに埃が溜まると十分な空気が送り込まれないため、設定の温度まで下げるのにエアコンは相当な仕事をします。つまり電気を消費します。さらに設定温度まで下がらない場合は、設定温度まで下げようと電気を目一杯消費し続ける悪循環に陥ります。

同時に、飲食店ではフィルターをくぐり抜けた油の粒子やたばこのヤニなどが冷却フィンに付着しそこに埃やひどい場合はカビが発生しこれまた冷却性を落とすことになります。定期的に洗浄清掃を行う理由はここにあります。電気の節約になるばかりかエアコン本体の寿命も伸ばすことになります。最近はエアコンを清掃してくれる業者も増え価格が下がってきています。清掃後の効き具合にきっと驚かれるはずです。

室外機のフィルター

エアコンの室外機が人通りや車通りの多い側に設置されている場合、室外機の吸入側、つまり本体後ろ側に埃がビッシリ付着している可能性があります。実際には枯れ葉やビニール袋が付着していたこともあります。外側だけであれば、掃除機やほうき等で汚れやゴミを除去することが可能です。室内機同様室外機もここが詰まると電気の消費と故障に直結します。台風の後などは必ず目視をしてチェックしましょう。

シーリングファン

天井でゆっくり回るプロペラの羽の事です。あの装置は扇風機のように上から下に向かて風を発生させていると勘違いしがちですが、実は全くの逆で、下から上、つまり天井に向かって風をおこすことで室内の空気をかき混ぜ、対流を発生させる装置なのです。

温かい空気は天井に溜まりがちです。天井につるされたエアコンは部屋の空気が冷えていないと判断し、設定以上の働きを始めます。結果余分な電力を消費し、客席は寒くなってしまう結果となります。ここを程よく空気をかくはんし室内の温度を一定にするのです。体感温度で2~3℃は下がると言われています。

3.電 灯

形がいいからと白熱灯を多数使用していたり、昔ながらの蛍光灯を使用している飲食店は多くあります。わざとレトロな雰囲気を出したいからという理由でしょうか。確かにイメージは重要ですが、電気料気を削減する目的では改善の余地があります。

最近は以前と違い蛍光灯タイプのLEDや白熱灯色のLEDなど数多くの種類が発売されています。専用のソケットを使用することなく今のまま取り替えることも可能です。安くなったとはいえ現行品よりは多少高めですが、耐久年数を考えればほぼ同じか安上がりになって来ました。何より年間の電気料が数万円も削減でき、数次第では10万円以上の削減になったという話も数多く聞きます。特にお一人でやられている小規模店舗でこそ早めの交換をお薦めします。

~まとめ~

小売の電気業者が増え、電車や各種ポイントと連動して割安感を競っています。在来の電力会社から乗り換えることで手っ取り早くコスト削減をしたつもりではまだまだ甘いと言えます。節電とは、小さな手間を積み上げて結果大きな削減につながるのです。一つやって満足ではなくやるなら徹底してやりましょう。きっと秋に送られてくる電気料金の請求書に満足されるはずです。

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