飲食店 居抜き店舗の家賃はこれで決まる

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飲食店 居抜き店舗の家賃はこれで決まる

一物五価と言われる不動産価格。この値付けをしているのは政府や税務署など様々です。例えば、毎年日本で一番地価が高い場所ということで銀座の鳩居堂前がテレビに映し出されます。かと思えば同じ銀座でも日本一は明治屋の前だとの報道もあります。一体どっちが正解なのでしょうか?

タネ明かしはこうです。毎年9月に各都道府県から発表される「基準地価」と呼ばれる調査では銀座5丁目にある明治屋銀座ビルが全国のトップで、坪当たり1億3,000万円超となっております。これに対し、毎年1月1日に発表される「公示価格」では同じ銀座でも4丁目の山野楽器銀座本店がトップです。こちらは国土交通省の発表となりなす。

このほかにも土地の相続税を決める「路線価格」、固定資産税を決める為の「課税標準額」、そして最後は「時価」となり、合計五価と呼ばれる所以なのです。

さて、この不動産価格により左右される価格がもう一つあります。「賃貸借価格(賃料)」です。たぶん経験則からいっても土地の価格が高いほど賃料も高くなると思うでしょう。

この賃料、土地の値段が近隣相場で決まるのに対しその設定プロセスがどのようになっているのかこれまであまり語られてきませんでした。

この記事では、店舗不動産ことに居抜き店舗の賃料がどのようなメカニズムで決まっているのか紐解いてみます。

賃料決定までのプロセス(一般論)

マンション・オフィス・店舗など多くの賃貸物件の賃料も土地同様近隣相場により決定されています。

マンションを例にとってみると、広さ、築年数が似かよって物件がいくらで貸し出されているかを参考にして、駅からの距離やグレード感を加味して賃料をプラスしたり、マイナスしたりするのです。

この手法は、募集する数が多いマンションやアパートなど不動産賃貸物件が比較サイトでオープン見られることで、相場が分かりやすく形成されることになります。当然相場からかけ離れた物件は決まりづらくなる理由から高い値段をつけにくくなります。

これに対し、再開発や新たに土地を買ってマンションやオフィスビルを建てたりする場合は状況がことなってきます。土地代や建築費に見合う賃料を稼がなければ投資に値しないからです。

例えば10億円で土地、建物を手に入れる際に、年間期待賃料が1億円であれば十分採算に乗りますが、3、000万円しか入らない場合は投資をしないでしょう。

なぜなら利回りが前者の10%に対し後者は3%にしかなりません。このような判断を「収益還元法」と呼び投資額が大きなプロジェクトで用いられます。その際、投資額に見合う賃料を稼ぎ出すにはどうしたらよいのかにデベロッパーは頭を使うのです。

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店舗不動産の特殊性

ここまで見て来た賃貸不動産と店舗不動産となにが違うのかと思われることでしょう。本来同じプロセスで賃料価格が決まるはずなのですが、以下の3つの要因が価格の異なる判断基準となっています。

  1. 賃貸の店舗不動産供給数が圧倒的に少ない
  2. 賃貸の店舗不動産マーケットがオープンになっていない
  3. 立地で大きく価格が変動する(前面通り沿いや駅などからの距離)

以下で詳しく検証します。

供給数が圧倒的に少ない

マンションやオフィスは高層化して大量供給することが出来ます。これに比べ店舗は1階か地下、上階もせいぜい3階ぐらいまでです。また、マンションやオフィスと違いどこに作っても良いというものではなく、駅前や人が回遊する便利の良い場所に限られます。結果、既存店が閉店しない限り店舗不動産物件はマーケットに出てこないからです。これが「圧倒的に少ない」と表現した根拠です。

店舗不動産のマーケットがオープンになっていない

出回る店舗不動産の数に限りがある分、比較サイトなどで常時価格競争にさらされるということが無くなります。

本業の不動産会社でさえ比較する店舗不動産がない分賃料をいくらにして良いのか困ってしまうというのが実態です。いきおい、大家さんから預かった不動産だけに早く決めて差し上げたい、仲介手数料も欲しいということで今まで貸していた価格で募集しようと安易な値付けになりがちなのです。

その結果、隣あう飲食店舗区画でも大家さん、不動産会社が違えば、同じ広さでも数万円から数十万円の開きが生まれます。実はこのことに気付いている人が少ないのが現状です。

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立地で大きく価格が変動する

銀座や渋谷などごく限られたエリアは別として、いわゆる表通りと一本入った通りでは賃料に大きな差が生まれます。同じ建物でも店舗に入る扉の位置が違うだけで半値近く値段が下がることもあります。どちらかと言えば収益還元法に近い発想です。人通りが多い側であれば売り上げが増えるから賃料を高く設定し、人通りが少ない側は人目につきづらく売上がたたないのでその分賃料を下げて借りてもらおうという発想です。郊外へ行くほどその落差は大きいように思います。

飲食店居抜き物件の賃料、もう一つの決定要因

飲食店舗居抜き物件の賃料が決まるもう一つの要因にその内装や厨房機器、空調と言った設備を売る(買う)売買費用があげられます。本来、この売買費用は一般的には店舗付属資産や造作費の名目で物の対価として売買が行われています。実際には、その場所で飲食店を営む権利の対価としての色合いが濃いのが実状です。

それはなぜか、これまで書いてきた物件の出現数やその流通の不透明さに起因しています。

不動産は情報がオープンになっているからこそ、その情報を早くつかんだ人が有利なものです。しかし、物件の出現数が少ない飲食店居抜き物件は、人気の場所ほど売買の価格設定が高くなりがちです。同様に賃料もスケルトンに比べ格段に高く設定されるようになってきました。

すなわち、情報を早くつかんだ人より、お金を多く出せる人に有利な環境となっています。その結果、いい場所で飲食店が長続きしないという本末転倒な事態を生み出しているのです。

まとめ

飲食店が商売として成り立たない場所は意外と多く存在します。その簡単な見分け方としては売上に占める賃料の割合をシミレーションしてみることです。通説を引用すれば、「売上は賃料の10倍以上である」かどうか考えて見ることです。席数、土日の入り具合、雨の日の来店数等々、客単価、メニューの原価計算です。もしその時点で自信がなければ勇気をもってその物件は見送って下さい。たとえ不動産会社に今決めないと誰かに取られてしまいますよと囁かれてもです。

立地がよいからと希望的観測で実力以上に売り上げは伸びたりしません。多分そのような場所はドラッグストアなどの物販店や調剤薬局など坪当たりの売上が月に100万円以上なければ成り立たないか、ナショナルチェーンの様にいくつもの店舗で利益をトータルに出せなければ成り立ちません。

物件探しに疲れて”これでいいや”と飛び付くのではなく冷静に物件選びをしてください。

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