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飲食店 店舗サブリース契約 を理解する(その1)

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店舗サブリース は無断転貸ではない

昨今店舗サブリース という契約形態が増えてきました。あぁ 店舗サブリース ね、といいはするものの、その実誤解をされている方もまだまだいらっしゃいます。なぜでしょうか?お話を伺うたびに感じるのは、サブリースという契約形態が大家さんや管理会社さんから見ると転貸として捉えられるために、すぐに無断転貸立退きといったマイナスの事例を思い起こすようです。実際のサブリース事業というのは、入れ替えの多い店舗物件での賃料保証を行ったり、入居テナントと近隣と他テナントとのトラブル解決、入居時の施工管理など本来建物を管理する会社がこれまで行ってきた業務を大家さんから手数料を頂くことなく行う商売なのです。

今回は、国家試験の試験問題を参考に店舗サブリース、転貸の誤解をひも解いてみたいと思います。

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試験問題より考える 店舗サブリース

<平成10年の宅地建物取引主任者試験問題より>

問:AはBから建物を賃借し、Bの承諾を得て、当該建物をCに転貸している。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。なお、Aの支払うべき賃料の額は、Cの支払うべき転借料の額より小さいものとする。

  1. AとBとが賃貸借契約を合意解除した場合、AC間の転貸借契約は、その前提を失うため、特別の事情のある場合を除き、当然に終了する。
  2. Cは、Bから請求があれば、CがAに支払うべき転借料全額を直接Bに支払うべき義務を負う。
  3. Bは、Aの債務不履行によりAB間の賃貸借契約を解除しようとする場合、Cに対して、3ヵ月以前に通知し、Aに代わって賃料を支払う機会を与えなければならない。
  4. Bが、Aの債務不履行によりAB間の賃貸借契約を適法に解除した場合、Cは、AC間の転貸借契約に基づく転借権をBに対抗することができない。

店舗サブリース契約を分かりやすくするために

まず設問を分かりやすくするために、A=サブリース事業者(賃借人・転貸人)、B=大家さん(賃貸人)、C=テナント(転借人)と読み替えます。つまりこうです。

サブリース 事業者は、大家さんから 店舗サブリース(転貸) を前提に物件を月額13万円で賃借します。この物件をサブリース業者はテナントに15万円で転貸するというような関係が店舗サブリースでは一般的です。

設問に沿って解説

1. ✕の誤りです

サブリース事業者と大家さんとの賃貸借契約が双方合意の上で終了した場合でも転借人であるお客様の契約は終了しません。

もともとサブリース業者は、 転貸(サブリース)を前提に大家さんの承諾を得て賃借します。転借人であるテナントを入居させる際には大家さんの了解をとることが一般的です。この場合、サブリース業者がサブリースを辞めて(解約して)もテナントはそのまま賃貸借を続けることが可能です。つまり物件から出て行かなくても大丈夫なのです。これは裁判所の判例からお墨付きが出ています。

このことが大家さん、管理会社さんの多くに対し、転貸借契約はサブリース業者との賃貸借契約が終了しても転借人であるテナントとの転貸借契約を終了させられないとの警戒心を生んでいます。例えば、建て替えなどで立退きの必要が生じた場合などは、立退料を二重に支払う必要が生じるのではとご心配されるようです。

現実にはそうではありません。大家さんとサブリース 契約が期間満了で終了する場合や大家さんからの契約解除の申し入れがあった場合は、大家さんからサブリース業者にその旨の通知があった日から6ヶ月を経過しないと終了できないとされています。通常サブリース業者は立退料をあてにするのではなく、大家さんと協力してテナントの移転先を探す協力をするものです。もし金銭補償が必要な場合でも、大家さんは転借人であるテナントに提示をし立退きとなるのが一般的です。

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2. ✕の誤りです

転借人であるテナントは、大家さんから直接家賃の支払いを求められた場合、支払う義務があるとされています。但し、サブリース事業者が大家さんにきちんと家賃を支払っているにも拘わらず大家さんが直接家賃を支払うようテナントにお願いするのは誤りです。あくまでも 大家さんはサブリース業者と話し合いの上、合意した場合にのみ初めて許されることなのです。ただ設問的には不完全な部分がありその部分が誤りなのですが、テナントが直接大家さんに家賃を支払う場合 サブリース業者と間で結んだ 契約にもとづく賃料15万円ではなく、サブリース業者と大家さんで取り決めた賃料13万円を支払えば事足ります。

答えは次の記事(その2)で解説しています。

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