飲食店に入って食べ物をオーダーしたのに、一向に運ばれてこない。空腹の時などイライラしますね。ましてや後から来た人の料理が先に出されたりするとイライラは頂点に達します。
誰しも飲食店で経験のあることだと思います。実際に飲食店を経営なさっている方でも同様の経験はあるはずです。
さて、料理が運ばれてこないお客様の心理状況に似たオーダーミスについての対応策と予防策についてまとめてみました。なかでも人気ラーメン店がやっている味玉サービスがわかりやすいヒントとなります。(味玉の法則)
Contents
飲食店のオーダーミスを定義する
一口にオーダーミスと言ってもいくつかの種類があります。まず最初にオーダーミスを3つに定義してみたいと思います。
- 料理が出てこないケース(そもそもオーダーが通っていない)
- 運ぶべき席を間違える
- オーダーを間違えて作ってしまった
それぞれのケースで飲食店側は、どのような対応をすればよいのか、飲食店の業態に分けて整理します。
1.ファミリーレストラン等チェーン店の場合
万事マニュアル化されているファミリーレストラン等のチェーン店でも同様の間違いは起きています。
客席でオーダーをうかがい、その場で端末に入力、情報は厨房にすぐさま伝わります。その上、オーダーを復唱しているにも拘わらずなぜオーダーミスが起きるのでしょうか。もうヒューマンエラー以外の何物でもありません。
オーダーと調理のタイミングが噛み合っていればそのようなミスは起らないのですが、ランチ時や休日の夕方などお客様が空席待ちをしているようなタイミングでは時折ミスが発生します。
対 策
ファミリーレストランなど接客マニュアルがはばを効かす飲食店の特徴は、起きてしまったミスへの対応よりも起こさない為の工夫、クレームにならない為の工夫に重きをおいているようです。
- 厨房がオーバーブッキングしないように、お客様を席に案内するタイミングを調整している。(ウェイティング席でお待ち頂いている)
- 必ずしも、オーダーをした順番で料理が運ばれてはこないことを事前に告げている
- 調理に時間がかかるものは予めその旨を伝える
- ホールの責任者が各テーブルを常に見ており、料理の遅れているオーダーシートをチェックしてミスを事前に解消している。
- 料理を運び終わった際に、オーダーが全て運ばれたかの確認を行っている
対 応
こちらもマニュアル通りの対応ということでしょう。謝罪の言葉や間違えて運ばれた際は「すぐにお持ち致します」と言った言葉での対応がほとんどです。
その点、個人店などオーダーミスがお客様に与える不快感をよく理解している飲食店は全く異なる対応をしています。
2.個人店などマニュアルのない飲食店の場合(ラーメン店 味玉の法則)
繁盛しているラーメン店はお客様が引きも切らずに来店されます。オーダーから食べ終わるまで10分~15分程度です。まさに厨房は次から次へと調理を進めなければなりません。カウンターのみのオーソドックスなお店では、入り口の券売機でベースとなるラーメンを注文し、ホールにいる店員さんが、麺の硬さ、味の好み、具材の量などを伺い厨房に伝えるお店が主流になっています。
対 策
チェーン店が使用するハンディーなどの機械で注文を伺いオーダーシートを確認しながらでも起きるオーダーミス、機械に頼らないラーメン店は口頭でオーダーを伝えるシステムながらいくつかの工夫が見られます。食券にカスタマイズされたオーダーを記号やアルファベットを使ってミスのないように努めているのです。
とはいえミスはおきます。ここからがチェーン店と違う発想なのですが、おこることを前提におこってしまった時の対応に重点をおいているように見受けられます。それが、繁盛しているラーメン店の共通点として話にあがる味玉サービスです。
対 応
そもそも豚骨ラーメンをオーダーしていたのに醤油が出て来た時や味や具材の量が間違って出て来た際は、当然謝罪の言葉はありますし、作り直してもくれます。その間待たされるわけですから、お詫びの印に味玉を1コサービスしてくれるお店が数多くあるのです。
たまたま味玉を出すお店が多いということですが、何かをサービスしてくれることで、空腹で待たされるイライラが随分と緩和され、逆に得をした感が出ます。
いうなれば人気の飲食店はオーダーミスというピンチを、チャンスに変える方法を知っているということなのです。このちょっとした心遣いは口コミになりやすく、新しいお客様を呼び込むキッカケにもなります。この味玉の法則を試さない手はないと思います。
一般的な飲食店がとるべき対応は
お客様の注文をハンディーなどの機械に頼らず食券や伝票を利用している飲食店がまだまだ多いと思います。ましてやオーダーミスがヒューマンエラーである以上忙しい時間帯はミスがつきものです。
何時の時代もビジネス街の飲食店では、料理が出てくるのが遅いと声をあげるお客さんを目にします。そんな怒っているお客様をそのまま返してしまっては、先程の味玉と逆で、悪い口コミが広がり来店を避けられてしまう可能性が大きくなります。
お店の業態にもよりますが、ここはひとつコーヒーなどの飲み物やデザートなどをお詫びの言葉を添えて提供したり、会計時に次回来店時に利用できるサービス券などをお渡しするのも良いと思います。
人は、オーダーミスで待たされたことや配膳される順序が入れ替わったことへの不愉感を上回るサービスが受けられたと感じればリピーターになってくれます。
単純に値引きをすることもあるかもしれませんが、なにをもってお客様の損得勘定をプラスに変えることが出来るのか今一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。
~まとめ~
ある全国展開をしているチェーン店のお話ですが、その店内で売られている飲み物(ソフトドリンク類)実はメーカーから無料で支給されていると聞いたことがあります。
そのせいか、お客様からオーダーミスなどのクレームが出ると迷わず無料で好きな飲料を提供しているようです。メーカーさんがそのお店で提供することが宣伝になるからという理由だそうですが、利用する側からはそんなカラクリがあったのかと思わずにはいられません。
大手飲食店の話は別として、飲食店のオーダーミスに関して、その対価の金額が高い安いではなくちょっとした気遣いが基本なのだと思います。気は心といいます、どの飲食店でもすぐに工夫できるポイントです。早速今日から始めてみませんか。