飲食店 小規模店舗で食洗機を使うメリットは

congerdesign / Pixabay

飲食店 小規模店舗で食洗機を使うメリットは

短時間にお客様が大勢来店されるランチタイム。注文から料理提供までの時間が売上の決め手となります。これはお客様の回転数を上げることに他なりません。当然ですがお客様が入れ替わるたびにお客様が利用されたお皿や器が出ます。少ない人数で回している飲食店では、オーダーと配膳で手一杯です。当然来店して下さるお客様が多いほど汚れた食器の数も増えてます。かといって小規模店舗では皿洗いに割く時間はありません。いきおいシンクに山積みというお店がほとんどではないでしょうか。

実はそんな悩みを解決してくれるのが食洗機なのですが、10坪前後の小規模店舗では装着率は50%程度と導入が遅れているのが実態です。

今回は、意外と見過ごされがちな食洗機のメリットについて考えて見たいと思います。

飲食店 「最低賃金」値上げを知っているか(令和1年10月1日発行)

食洗機の今

ファミリーレストランや駅前のチェーン店で食洗機を導入していないお店はまずないと言っていいでしょう。一般の飲食店でもほとんどのお店で導入されています。ただ、店舗面積が20坪以下になるあたりから急にその導入割合が落ちるように思います。なぜでしょう。

一つには厨房の面積に原因があります。このサイズの飲食店舗になると1席でも多く客席を造りたいと思うものです。その為厨房の面積が犠牲になります。当然機器類は限られてくるのですが、一番犠牲になりやすいのがこの食洗機なのです。

さてこの選択はあっているのでしょうか、間違っているのでしょうか。

食洗機の費用対効果

ここでひとつシミュレーションを行ってみたいと思います。

15坪、23席の飲食店です。ランチは850円、夜の客単価は3,000円と想定します。お客様はランチで2.5回転、夜1.5回転、それぞれの満室率を85%とし、月の営業日は25日とします。

売 上: ランチ 850円×(23席×85%)×2,5回転×25日=1,038,600円

夜  3,000円×(23席×85%)×1.5回転×25日=2,200,000円

合 計 3,238,600円

1席当たりの売上: 140,800円 (3,238,600円÷23席)

ご覧の様に月当たり1席が稼ぐ売上は14万円とでました。単純に1席が減ることで14万円の損失が出ると一旦仮定します。

次に食洗機を導入することによる経費削減効果をシミュレーションします。

時間当たりの労働力(時給)を1、013円(令和1年10月1日施行)、水道料金を従量の価格1㎥=372円、都内で飲食店を経営した場合にかかるであろう単価を使用します。

【人件費】皿洗いにアルバイトを雇うとするとランチ、夜併せて1日6時間、25日で

 151,950円 (@1,013円×6時間×25日)

【水道代】:1ヶ月訪れるお客様の総数が上記席数と回転率及び営業日数を掛け合わせると約1,950人となります。1人、1回当たり皿洗いに要する水の量が約20ℓと言われています。一方食洗機の方は庫内で水を循環させて洗う為1回2ℓほどで済みます。これを来店客数で比較すると、

1,950人×20ℓ-1,950人×2ℓ=35,100ℓ 

この差額に水道料を掛け合わせると

35,100ℓ=35.1㎥ × @372円 = 13,060円

節約できたことになります。

【電気代】

食洗機を使うと電気代がかかることになります。1回の洗浄にかかる時間はせいぜい1分から2分程度で、1度に15枚から30枚まで洗うことが理論的に可能です。今回は来店客1,950人が1人4枚使用したと想定するとトータル7,800枚の皿洗いが必用となります。仮に1回につき20枚の洗浄能力がある食洗器で1回あたりの使用電気料が20円程度の機種を導入したとすると

 7,800枚 ÷ 20枚 = 390回 × @20円 = 7,800円

月額の電気料金は1万円以下に抑えることが出来ます。

トータル

人件費15万1950円+水道代1万-電気代7,800円=15万4150円の節約

人件費と水道代が削減される代わりに電気代が発生する分コストはプラスになります。別途食洗器の庫内にお湯を送る設定にするとこのほかにガス代がかかりますが、人が給湯器でお湯を流しながら皿洗いをしたと仮定すると水の流量が10分の1なだけにさらに節約効果が出ます。

1席当たりの利益と食洗器の節約効果は数字上では若干削減コストの方が勝っていますがほぼイーブンです。ただ昨今の人材不足を考えると、労力を少量化してくれる食洗機をまずどこに設置することを考えた上で席数の議論をする方が長い目で見て得ではないかと結論付けたいと思います。

繁盛する飲食店舗 厨房レイアウトの作り方【業界人が語る】

食洗器で収納も節約

小規模なお店でも、皿洗いをせずに料理を出し続けるとなると相当な数のお皿が必用になります。ランチと夜とで違う種類のものを使うとなると余計にその数は膨らみます。ただでさえスペースが少ない店舗でどこに収納すればいいのか別の問題が出てきます。その点食洗機をフル稼働させれば1回に要する時間が短い分少ないお皿でやり繰りが出来ます。

見過ごされがちなメリット

手で洗うよりも作業性が数倍高いことから時間短縮、人件費削減が一番のメリットではありますが、食洗器の大きなメリトの一つにその殺菌性があげられます。手で洗う場合と違い、庫内に圧力をかけ80℃もの高温で洗い上げる関係で非常に高い滅菌効果があります。つい最近話題になったO157でも75℃で1分間加熱することで死滅します。食洗器の洗浄環境であれば十分に死滅させることが出来ます。また、洗剤による手荒れを心配しなくていい為、普段使う洗剤と異なる成分にすることが出来ます。泡立ちを抑えて汚れに吸着する成分にしたり、お皿を綺麗にする漂白剤を含めたり、洗えば洗う程綺麗になるのが食洗機の魅了でもあります。

家庭用の食洗機の普及率を調べたところ2016年で全家庭の28%だとありました。意外と普及してきたかなという印象です。もっとも欧米では70%を超える普及率といいますから比べものになりません。ただ、食洗機を洗濯機に置き換えて考えると違った風景が見えてきます。昭和の初め三種の神器の一つに数えられた洗濯機、今ではほぼ100%近い普及率だと思います。毎日主婦の労力と時間を節約してくれる上に綺麗に洗い上がるとなれば食洗機も洗濯機と同じです。逆に言えば普及しない方が不思議なぐらいです。どこかのメーカーが頑張って食洗機のイメージを洗浄から「滅菌」に変えることが出来れば加速的に普及するでしょう。

飲食店 売上アップの秘密は外食チェーンにあり

物件情報

お店をはじめよう 業種を決める ライフスタイル 相談する 開業情報 お金

  • このエントリーをはてなブックマークに追加