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3年目の飲食店が閉店する実態と理由【廃業率・生存率から見る】

開業から3年で7割のお店は閉店してしまうという飲食店経営。オープンした自慢のお店を成功させるためには、集客力、原価調整の失敗、サービスの質低下、食品ロス、新規顧客未開拓、リピーターの減少など、閉店・廃業を招く複合的な要因を体系的に捉え、有効な対策を学ぶ必要があります。

本記事では、3年目で多くの飲食店が閉店してしまう実態を元に、各々の閉店理由を分析した上で、閉店を防ぐための解決策を現場視点でご紹介します。

飲食店-廃業率-開業率

Contents

飲食店の開店からの廃業率をみる

飲食業界は参入障壁が低く、専門性が乏しくても、脱サラ開業が人気なように、開店しやすいと言えるでしょう。しかし同時に、あらゆる業種のなかで廃業率が最も高いというデータもあります。以下の数字で検証してみましょう。

  • 開業から1年未満の飲食店:38%前後
  • 開業から1年以上~2年までの飲食店:26%前後
  • 開業から3年以上~5年までの飲食店:14%前後
  • 開業から6年以上~10年までの飲食店:14%前後
  • 開業から11年以上の飲食店:10%前後

というデータが出ており、飲食店のうち約35%超がオープンして1年未満に閉店しているという事実をご存知でしょうか。開業から3年前後での閉店率が最も高いということがわかります。

(居抜き情報.COM2014年~2016年のデータをもとにしています)

居抜き情報.COM

2019年飲食店廃業・倒産動向をみる

ここ数年の閉業・倒産動向をチェックします。

2017年飲食店の倒産は、東日本大震災以来6年ぶりに700件の大台を越えました。2018年も引き続き厳しい状況が続きました。2019年には消費税が8%から10%に引き上げられたこともあり飲食店を取り巻く環境は一層厳しいものとなったのです。

結果倒産件数は784件と前年比19.3%増となり過去最多となったのです。業態別にみると以下の通りです。

  1. 酒場・ビヤホール・・・180件(構成比23%)
  2. 西洋料理 ・・・ 123件(同15.7%)
  3. 中華・東洋料理・・・106件(13.5%)

この3業態だけで半数以上を占める結果となった。

2000年からの倒産統計

以下は2000年からの飲食店業界全般の倒産件数を調べた統計です。

2011年の震災以降徐々に減り始めていた倒産件数が、2017年に突如として増回しているのが見て取れると思います。これらの要因は、節約志向と飲食業界の人手不足が原因だと言われています。2020年の新型コロナウイルス感染症による増加分ははるかにこの数を越えてくるものと思われます。

飲食店の閉店理由のほとんどが‥

飲食業の1年未満での閉店率が35%超という数字は、固定客がつくまでに運転資金が尽きてしま閉店というケースがほとんどです。飲食店の経営には、

  1. テナントの保証金
  2. 設備資金
  3. 人件費
  4. 食材原価

など、様々なコストが発生します。

細かく見ればきりがありませんが、お客様が求めるものよりもご自身が造りたい料理を優先したり、内装にこだわり過ぎて運転資金が減ってしまったり、賃料が高かったりと理由は様々です。

早い話、経営が軌道に乗る前に失速したということです。

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次の閉店のピークが、実はオープンから3年を過ぎたあたりにやってきます。この時期に閉店する飲食店は実に20%を越えます。

しかし、オープン1年未満の閉店とは違い、軌道に乗る前に失速したわけではありません。
おおむね順調に過ごしてきた飲食店に何が起こるのでしょうか。

今回はそのあたりの事情に迫ってみたいと思います。

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飲食店の閉店は「負の連鎖」

オープンから3年過ぎ、立ち上げの繁忙期を乗り越え、年末や年度末を3回も無事くぐり抜けてきた飲食店に何が起こるというのでしょうか。
もちろん、ある日、突然何かが起こるというものでなく、徐々にその兆候は表れていたはずです。

売上・利益が出、経営が安定し始めると、人間欲が出るものです。
もっと売上が伸びないか」「利益をもっと多く残せないだろうか

そう考えた時点で、飲食店は2つの方向に分かれていきます。

1つは新たな看板商品の開発やこれまでやってこなかったお弁当やケータリングなどで売上を伸ばす方法。

もう1つは、同じ売上で利益をより多く残そうと考える方法です。

問題なのは後者の方です。

飲食店開店 最初は売上が経営課題だったはず…

オープン当初は1日の客数売上が経営指標の最重要課題だったはずです。
ともかく来店してもらわないことには始まらないわけですから、駅前や店先でのビラ配りに呼び込みなども一生懸命行ってきたはずです。

それが来店客の安定とともに考え方が徐々に変化し始めます。「客単価をあげられないか」「利益をもっと出すために売上に対する食材や従業員のコストの比率、つまりFL比率を下げられないか」と思い始めるのです。

FL比率をを実際に下げ始めるとどうなるでしょう。

全体的な料理のボリュームがダウンしたり、そのボリュームダウンを隠すために器を変えたり盛り付けを変えたりします。調理方法や材料の構成を変えてくるお店もあります。今まで入れていた食材を別のものに替えて味を調えるわけです。
最初の1か月、2か月はそんなに客数が変わらずに推移しますので、FL比率が低下した分利益は残っていきます。

もっとも、常連客にはすでにバレているものですが……。

兆候はその後徐々に出てきます。

曜日や月で安定していた客数に変化が出始めます。ムラが出るというのでしょうか、お客様の入る/入らないがハッキリと分かるようになるといいます。

その後、何も手を打たないでいると徐々に客数が減り、せっかく築いてきたリピーターが離れていってしまいます。「これはマズイ」と思った時には手遅れです。

同じような状況は、メインでないサービスでも起こります。

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例えば、それまで「ご飯お代わり自由」だったのが別料金になったり、ランチで「ドリンクバー飲み放題」だったのが有料になったり、といったことです。

お客様は敏感に反応します。
たとえメインの料理は何も変わらなくても、それらのサービス込みでお客様はコストパフォーマンスを考えるものです。
もし、付帯サービスを止めたことで客足が遠のくなら、メイン料理の力がそもそも弱かったという証明です。

閉店を加速させる予約キャンセルや食品ロスはどう防ぐ?

飲食店 キャンセルが出た 料理どうしてる?

突然の予約キャンセル問題ですね。当日の売上がなくなることもですが、作ってしまった料理の材料費と手間が無駄になってしまいます。そこに目をつけた会社があります。フードシェアリングというビジネスです。食品ロスに着目して、これを減らす為に立ち上げた会社ですが、全く異なる2社が活動をしています。

TABETE

飲食店がお客様に提供する為に準備していた食品や料理が何らかの都合で提供されなくなり時間の経過とともに廃棄となる食品ロスに対し、TABETEに加盟している飲食店は、それらの食品や料理をTABETEのサイト上に掲載し、利用者がサイトから購入するという仕組みです。ただ、購入者はお店まで商品を取りに行かなければならないので、距離の制約は受けることになります。TABETEのサイト上で取引が成約した場合、TABETE側は販売額の30%を成功報酬として徴収するというビジネスモデルです。

Reduce Go

SHIFFTというIT企業が立ち上げた「Reduce Go」というフードシェアリングのサイトです。こちらは利用する側から、つまり食品や料理を買う側から月額1,980円の会費を集め、サイトに登録している飲食店で提供される商品を1日2回まで好きなお店から受け取れるという仕組みです。近くのお店や出先の帰りにいつもと違うお店に立ち寄るという楽しみもあります。先程のTABETEがお店ごとに料金を払ったのに対し、こちらはReduce Go が集めた月額会費を登録している飲食店全店で山分けするという方式です。

新規顧客開拓を怠ることで閉店してしまう飲食店も

オープンから3年も経てば、ある程度のリピーターがつき、曜日や季節毎での売上が見込めるものです。ここまでくれば閉店の心配は無いだろう、と思えそうですが、実態はそうではありません。

原価率を高く設定する看板料理がなかったり、オーナーとお客様の人的繋がりが希薄なお店だったりすると新しいお店にお客様を取られてしまう恐れがあります。
と言っても、一遍にということではなく、これまで1か月に1度来店下さっていたリピーターが2か月、3か月に1度の利用となっていくということなのです。

もちろん、新しいメニューや季節の素材を生かした期間限定のメニューを定期的に提供することでリピーターの足を遠ざけない工夫が重要ですが、残念なことに工夫を凝らしていても徐々にリピーターの来店インターバルは長くなり、数的には減退し売上は下降線をたどることになります。

では、どうすればよいのでしょうか。

飲食店 閉店・廃業の危機を脱するには

ズバリ新規顧客の開拓です。

まず、オープン当時のことを思い出していただきたいのですが、いろんな手を使ってお店を認知してもらったはずです。
もう一度そのときのことを思い出し、新たな顧客獲得に知恵を絞っていただきたいのです。とは言え、同じことをもう1度やりましょうということではありません。

手始めに、ご来店いただいているお客様の分析を行います。男性が多いのか女性が多いのか、夜の時間帯は早い時間が多いのか9時以降の遅い時間が多いのか、ご来店されるお客様の年齢層は何歳ぐらいなのか、などです。

女性が少ないようなら、女性限定メニューや女性3名以上をターゲットにした女子会セットなど、これまで来店が少なかった層に向けてお値打ち料理で新規顧客獲得を目指します。

ただ気を付けたいのは、新しいお客様獲得に力を入れるあまり、これまでのリピーターが入店できない事態になると、今度はリピーターが離れていってしまいます。リピーター、常連客用の席は常に確保しておく気配りが重要です。

飲食店の宣伝法で言えば、グルメサイトなどで広く探してもらえる環境も重要ですが、お店の前を通る人や、近くのオフィスに勤めるビジネスマンやOLの皆さんへの告知など、局地戦が最も即効性があります。

もし人通りのある通りに面しているお店であれば、タペストリーなどを製作して大きく見えるようにするのが効果的です。のぼりを何本も立てるより品よく多くの情報を伝えることができます。

同様に、周辺企業を改めて回るのも効果があります。新しいメニューやこれまで来店いただけけていない層を狙ったキャンペーンのチラシなどを持って訪問するのです。

大型ビルはセキュリティーが厳しくなっています。中小のビルを丁寧に回りましょう。クーポンなどを携えて行けば門前払いということはありません。

日本には創業10年を超える飲食店が数多く存在します。もっとも創業から10年での生存確率は10%程になるそうです。

明治時代から続く牛丼店もその1つです。当初から牛丼単品で長くチェーン展開をしてきたのですが、創業以来同じ味ではなく、お客様に飽きられないよう常に研究をし、味を時代に合わせていると聞きます。

同じようにメニューの少ない専門店は、3年を超えるあたりから味のマイナーチェンジを積み重ねていき、お客様が来るたびに改めて美味しいと思っていただく工夫をしています。

常に味の工夫を続けることが、お店を存続させる為の秘訣ではないでしょうか。

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