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【徹底解説】飲食店の居抜き店舗サブリースがいまだに誤解される理由

居抜き-サブリース

Photo by Assorti

「サブリース事業としてお借りしたいのですが」「サブリース?転貸借だろ?ウチはそう言うのはやらないから」

これまで何度となく交わされてきた会話です。この後理由を尋ねてもキチンとお応え頂いたことはほとんどありません。ともかく面倒なことはゴメンとばかりに門前払いをされることが殆どです。

そんな折、キチンとご回答くださった大家さんとの会話を軸に飲食店の居抜き店舗サブリースがなぜ誤解されているのか今回徹底分析を致します。

これだけある「飲食店舗のトラブル」すべてサブリースで解決できる!

Contents

飲食店の居抜きとサブリースに対する大家さんの勘違い

その大家さんは、マンション、オフィスビルを複数所有する方で、自ら管理もされているいわば不動産経営のプロです。普段ご自身の不動産について気を配っているところはどこですかと質問したところ、ゴミの出し方と看板の出し方のルール管理だと仰ってました。理由を尋ねましたところ納得の回答が返ってきました。

1.ゴミの出し方

基本は朝指定のゴミ収集業者が回収に来るのだそうですが、夜のうち出されたゴミの容器がちゃんと蓋が締まっていないとカラスの被害にあって大変なことになるからだとの理由でした。

2.看板の出し方

ここで言う看板とは、可動式の置き看板の事です。商店会の役員をなさってる大家さんは、電飾看板が無造作に置かれることで街の風紀が乱れると心配されており、秩序ある置き方にこだわっているそうです。

さて、街とご自身の不動産をこよなく愛する大家さんのサブリースに対しての感想をお伺いしました。

□家賃保証をしてくれると言うけれど、今の家賃より値下げを要求してくるんだろ?サブリースで一括借り上げ30年家賃保証というからオフィスビルを建てたのに、舌の根も乾かないうちに値下げしてくれって言って来た。いやなら裁判だって。結局応じたけどね。

□お店でトラブルが発生しても、オフィスが離れているからって結局誰も来やしないって聞くぞ。

□居抜きの飲食店は、内装や設備を使い回しながらテナントがくるくる変わって行って、気が付いた時には排水管が油で詰まっていたなんてことはゴメンだ。だから、原状回復工事が必要なんだよ。

ほとんどの大家さん、不動産管理会社さんが心配されるポイントを指摘頂きました。お話しごもっともです。

不動産管理会社と大家さんが飲食店舗サブリースを認めない4つの誤解と実情

飲食店居抜きサブリースに対する風評の間違っている部分

今回のお話しも含め、これまでお話をした多くの大家さんに共通しているのが、風評を信じていたり、なんとなく大家さんにとってデメリットがあるように思い込んでいる姿です。

この部分がサブリースに対する正確な判断を妨げています。

□大家さんに許可もなく勝手に今の賃借人(現テナント)とサブリースや店舗売却の話を進めていて、なんの断りもなく賃貸募集を行う礼儀知らずな連中。

大家さんにはバレないだろうとコッソリ募集を開始したつもりが、その募集を目にした不動産業者から大家さんに問い合わせが入り発覚するケースがほとんどです。

早ければ、募集を開始した日に分ってしまいます。

□本来原状回復工事で壊すべき内装を勝手に売買して金儲けをしている。売るなら事前に許可をとるのが当たり前。

大家さんとしては、売買によって賃借権以外に別の権利が発生するのではないかと不安を抱かれる方が少なからずいらっしゃいます。

□すぐに大家さんや管理会社に借入申込を出すわりに、契約締結を引き延ばし、挙句の果てに借りないと言ってくる迷惑な連中。

サブリース契約の締結前にテナントが見つからなかったので、サブリースを辞めたケース。飲食店舗の仲介を主体にしている不動産会社がよく使う手です。

飲食店居抜き店舗サブリースが敬遠される理由を解説

□サブリースをする場合、現在の賃料より値下げをする必要がある

□トラブルがあってもサブリース会社は何もせず管理会社に丸投げをする

□建替えなどの立退き交渉では、2倍のお金と時間がかかる

□テナントが入れ替わっても設備に隠れた問題点は温残されてしまい、大きな問題になる可能性が怖い

表現のちがいこそあれ、概ね同じような回答が返ってきます。

オフィスやマンションのサブリースが市民権を得ているのに対し飲食店の居抜き店舗サブリースは同じ手法なであるにも拘わらず理解を得られないのでしょうか。

それには訳があります。

もともとオフィスやマンションのサブリース事業者は大手企業が主導するもので、契約内容やコンプライアンスの面でも大家さんに安心、満足してもらえるだけの準備をしてスタートしています。

これに対し居抜き店舗のサブリースは自然発生的に広がってきた為に契約内容やスタイルなどが会社によりバラバラです。

一番の原因は、飲食店の居抜き店舗サブリースを扱う事業主体が個人経営に近い少人数の会社が取り組んで来たことによります。

その為事業に対する姿勢の違いがハッキリ現われています。収益もさることながら信用第一の大手に対し収益重視の中小では、その場限りの常識外れの対応が散見されます。(募集開始後、平気で価格を吊り上げたり、お店を閉めたい、売りたいと希望する現テナントに対し時間稼ぎをした挙句安く内装を買いたたくなどの行為)

本来の居抜き店舗サブリースのあり方

なにも難しい話ではありません。オフィスやマンションのサブリース同様に丁寧に手順を踏みコンセンサスを得ながら進めばいいのです。

我々が考える居抜き店舗サブリースの姿とは、

  • 大家さんの利益を損なわない(値下げをお願いしない)契約
  • 図面、工事監理、排水管の定期清掃など大家さんの資産を守るメニューを提示
  • 近隣とのトラブルも管理会社任せにせず自分たちで解決
  • もしもの立退きでも、大家さんの代理として交渉の窓口となり、権利を主張しない
  • 管理料をテナントに請求しない
  • 大家さん、現テナントさんなど関係者のコンセンサスがとれないうちは募集はしない

上記に書いた内容は特別なことではなくごく当たり前の内容なのですが、こと居抜き店舗サブリースの事業者のなかには残念ながらこれらを無視しているかあまり重要視していない会社も見受けられます。

そのような不動産会社とは知らずに飲食店舗の専門会社だと信用して相談したら、次の日には居抜き店舗物件としてネット上で出回っていたなど、飲食店居抜き店舗サブリース業界を巡る醜聞は後を絶ちません。

本来メリットが多い飲食店居抜き店舗サブリース

「大家さん」、「新しく飲食店を始める借手」そして「お店を去る現テナントさん」、その三方にメリットのある居抜き店舗契約。

これに対し大きなデメリットに感じているのが、これまで原状回復工事を請け負ってきた工務店やゼネコン、さらにその工事費の一部を売り上げに見込む管理会社ぐらいです。

今のままでは、管理会社を含む既得権益勢力が居抜き店舗サブリースの不備ではなく、それを扱う不動産会社の質の低さを盾にサブリースを認めない姿勢が続きます。

それ故いつまでたっても居抜き店舗サブリースがメジャーとならないことが容易に予想されます。新規参入も増え始めた飲食店居抜き店舗サブリースプレーヤーがもっと襟を正して業界ガイドライン策定など本気度を示す時が来ています。

居抜き物件専門家が教える飲食店舗の探し方と正しい不動産会社の選び方

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