飲食店テナント入居中の老朽化物件 継続か建替えか

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再開発が進む都心では、高度利用されていないエリア(例えば、10階建て以上の建物が建てられるエリアで木造2階建ての建築物が残るエリア)にその波が押し寄せています。虎ノ門や麻布台などをはじめ主に港区、中央区、千代田区に集中しています。これらの再開発は規模のに比例して建築に際し割り増し容積が貰えるものです。その関係で立退料や建替え後の床をもらうことが出来ます。現金を手にして別の場所に引っ越すもよし、再開発後に戻ってくることも可能です。

さて、ここまでの規模ではなくても同じようなことを個人が行うとなると大変です。時間もかかる作業ですから経験の豊富な不動産会社に相談すべきです。

今回は、飲食店が入居する賃貸物件をお持ちの大家さんが長いスパンでテナントの立退きや物件の建替えについてどのように考えればいいのかお話をしたいと思います。

大家さん 建物のイメージがテナントを左右するのです

賃貸借契約を理解して見直す

このところ都心の飲食店を対象にした賃貸物件は定期借家契約を希望する大家さんが増えたように思います。その背景にあるのは建物の老朽化です。ご存知のように、不動産の賃貸借契約は2種類あります。期間の定めのない普通借家契約と、期間の定めのある定期借家契約です。この違いを簡単に説明すると、大家さんに裁判所が認める理由が無い限り返してもらえない普通借家契約に対し、定期借家契約は最初に取り決めた期間が修了した時点でテナントは退去しなければならないと決められている契約なのです。

そろそろ建物も傷んできたし一旦10年後は建替えを想定して今度の契約は締結しようと考える大家さんは当然定期借家契約を選択するはずです。もし普通借家契約の場合最悪大家さんはテナントに立退料を支払うこととなります。これが定期借家契約の増えた所以です。

建替えが本当に最善策か

建物が老朽化してくるとまず心配のなるのが維持費にお金がかかることです。雨漏れや外壁の補修、給排水管の劣化による水漏れ等々修繕しても修繕しても続く出費に嫌気がさします。さらには、地震などによる倒壊の恐れも考えられますので心配の種は尽きないことから建替えという選択になるのが通常の流れです。

今回の考察でポイントとなるのがその物件が立地している条件によります。例えば、現在飲食店に貸している建物を建て替えたあとは住居やオフィスでも十分転用が効く立地であればあまり心配したことはなにのですが、商店街の中や繁華街の中にあるような立地であればどうしても建替え後も飲食店用の賃貸物件となってしまいます。この場合だと心配になるのが建て替え後の賃料です。費用をかけて新築をする訳ですからどうしても従前の賃料より高くなります。その場合果たしてテナントが借りてくれるかどうか最初に検討すべきです。

よく新築なら間違いなく決まりますという無責任な不動産会社がおりますが安易に信じてはいけません。テナントも商売ですから高い賃料の物件は手を出しません。多額の資金を投入してもテナントが不在の物件となる可能性があるのです。

飲食店の立退き 居座るテナントへの対処法

修繕をテナントに負担してもらう

古い家や問題のある家を改造して住人を驚かせるテレビ番組が平成の時代流行っていました。木造建築などの内部を丸裸にしてしまえば意外と補強は簡単だと思われた方はおおかったのではないでしょうか。

ここでの提案は、補強や修繕に要する費用を入居テナントに負担してもらうという考えです。誰もが欲しがる一等地であれば意外とすんなりテナントに受け入れてもらえます。そうでない場合も賃料を少し安く設定するなどテナント側にメリットを出せば意外と承諾してくれるものです。テナントにとっても改造に関しての制約がなくなる分デザイン的に自由度が増しますので思い切った店舗造りが出来ますのでメリットは大きいでしょう。

負担付贈与を考える

都心に飲食店向けの賃貸物件を持っていると気になるのが相続です。果たして相続税はいくらになるのか節税の方法はあるのかと思いながらその日を迎えた方を何人も見てきました。ご兄弟での共有持ち分であったり、相続人であるお子さんと満足に話が出来ていないというのがその原因のほとんどです。お金が関わるだけに残念です。

その中でも、建て替えを選択なさる方の多くは負担付贈与を選択なさいます。簡単に説明をすると、土地と建物の評価とそれに見合う借金があれば相続時に相殺をするという税法上の規程です。例えばローンで時価1億円のマンションに建替えたとしましょう。建物1億円のローンも一緒に引き継ぐとなると建物の相続税はタダになるというものです。更にメリットがあります。そもそもの土地を所有権で引き継ぐより土地評価額は相当に安くなります。もし負担付贈与を活用するのであれば建物だけを送られることをお薦めします。

飲食店が入居する不動産の老朽化の解決策は何を心配するのかでその方法が分かれることがお分かり頂けたと思います。もし、倒壊などの心配と相続の心配が同時に来るケースもあろうかと思います。建物の評価額というのは大規模な修繕を施したからと言ってその評価が跳ね上がる訳ではありません、つまり建替えて建物評価額を上げてしまっては相続税がかかります。そうではなく、借金をして十分に大規模修繕を施し、その借金と共に建物だけを負担付贈与で名義を替えれば、その分土地の相続税も相当安くなるります。規模や立地により判断の分かれるところですが、一度専門家と話しをし、関係者と議論をすることで相続税は相当抑えられると思います。

大家さん・飲食店オーナーの失敗しない管理会社選び

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