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飲食店舗用老朽賃貸物件のお金をかけない修繕方法と相続税対策を公開

賃貸物件-修繕-相続税

Photo credit: jun560 on VisualHunt

再開発が進む都心では、高度利用されていないエリア(例えば、10階建て以上の建物が建てられるエリアで木造2階建ての建築物が残るエリア)にその波が押し寄せています。虎ノ門や麻布台などをはじめ主に港区、中央区、千代田区に集中しています。

これらの再開発は規模に比例して建築時に容積のボーナスがもらえるものです。その関係で立退料や建替え後の床をもらうことが出来ます。現金を手にして別の場所に引っ越すもよし、再開発後に戻ってくることも可能です。

さて、ここまでの規模ではなくても同じようなことを個人が行うとなると大変です。時間もお金もかかる作業ですから経験の豊富な不動産会社に相談すべきです。

今回は、飲食店が入居する老朽化した賃貸物件をお持ちの大家さんが建物修繕費の捻出やいずれ訪れる相続について一番お金がかからない方法をお話したいと思います。

大家さん!建物の見た目で入居するテナントのレベルが変わります

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賃貸借契約を理解して早めの見直しをしましょう

このところ都心の飲食店を対象にした賃貸物件は「定期借家契約」を希望する大家さんが増えたように思います。その背景にあるのは建物の老朽化です。ご存知のように、不動産の賃貸借契約は2種類あります。

期間の定めのない「普通借家契約」と、期間の定めのある「定期借家契約」です。

この違いを簡単に説明すると、大家さんに裁判所が認める理由が無い限り返してもらえない普通借家契約に対し、定期借家契約は最初に取り決めた期間が修了した時点でテナントは退去しなければならないと決められています。

そろそろ建物も傷んできたし一旦10年後は建替えを想定して今度の契約は締結しようと考える大家さんは当然「定期借家契約」を選択すべきです。もし普通借家契約の場合最悪大家さんはテナントに立退料を支払うこととなります。これが定期借家契約の増えた所以です。

老朽化=建替えが最善策ではありません

建物が老朽化してくるとまず心配のなるのが維持費にお金がかかることです。雨漏れや外壁の補修、給排水管の劣化による水漏れ等々修繕しても修繕しても続く出費に嫌気がさします。さらには、地震などによる倒壊の恐れも考えられますので心配の種は尽きないことから建替えという選択になるのが通常の流れです。

今回の考察でポイントとなるのが、当該物件の立地条件です。例えば、現在飲食店に貸している建物を建て替えたあとは住居やオフィスでも十分転用が効く立地であればあまり心配したことはなにのですが、商店街の中や繁華街の中にあるような立地であればどうしても建替え後も飲食店用の賃貸物件となってしまいます。この場合だと心配になるのが建て替え後の賃料です。費用をかけて新築をする訳ですからどうしても従前の賃料より高くなります。その場合果たして今まで通りテナントが借りてくれるかどうか最初に検討すべきです。

一般論として「新築なら間違いなく決まります」という無責任な不動産会社がおられますが、安易に信じてはいけません。テナントも商売ですから高い賃料の物件は手を出しません。多額の資金を投入してもテナントが不在の物件となるリスクがあります。

【飲食店の立退き】居座るテナントの言い分と対処法~未然に防ぐ方法まで~

いっそのこと修繕費をテナントに負担してもらう

古い家や問題のある家を改造して住人を驚かせるテレビ番組が平成の時代流行っていました。木造建築などの内部を丸裸にしてしまえば意外と補強は簡単だと思われた方はおおかったのではないでしょうか。

ここでの提案は、補強や修繕に要する費用を入居テナントに負担してもらうという考え方です。誰もが欲しがる一等地であれば意外とすんなりテナントに受け入れてもらえます。そうでない場合も賃料を少し安く設定するなどテナント側にメリットを出せば意外と承諾してくれるものです。

テナントにとっても改造に関しての制約がなくなる分デザイン的に自由度が増しますので思い切った店舗造りが出来ます。ゆえにお互いのメリットが大きくなるのです。

老朽化した建物の相続対策を真剣に考える

都心に飲食店向けの賃貸物件を持っていると気になるのが相続です。果たして相続税はいくらになるのか節税の方法はあるのかと思いながらその日を迎えた方を何人も見てきました。ご兄弟での共有持ち分であったり、相続人であるお子さんと満足に話が出来ていないというのがその原因のほとんどです。大きなお金が関わるだけに残念です。

その中でも、建て替えを選択なさる方の多くは「負担付贈与」を選択なさいます。簡単に説明をすると、土地と建物の評価とそれに見合う借金があれば相続時に相殺をするという税法上の規程です。例えば銀行借り入れで時価1億円のマンションに建替えたとしましょう。竣工から2年経った以降に相続が発生した場合、建物1億円の借金も一緒に引き継ぐことになりますので建物の1億円と相殺して相続税はタダになるというものです。

更にメリットがあります。賃貸物件を建てることで土地を所有権で引き継ぐより土地評価額は相当に安くなります。もし負担付贈与を活用するのであれば賃貸の建物だけを贈与されることをお薦めします。

建物老朽化と相続の悩みを同時に解決

飲食店が入居する不動産の老朽化の解決策は何を心配するのかでその方法が分かれることがお分かり頂けたと思います。

なかには倒壊などの心配と相続の心配が同時に来るケースもあろうかと思います。建物の評価額というのは新築時と違い大規模な修繕を施したからと言ってその評価が跳ね上がる訳ではありません、ここを上手く利用して、建替えにより建物評価額を上げてしまうよりも、銀行から借り入れをして十分に大規模修繕を施し、その借金と共に建物だけを負担付贈与で名義を替えることで土地の相続税も相当安くなります。

規模や立地により判断の分かれるところですが、一度相続税務の専門家と話しをし、不動産関係者も交えて議論をすることで相続税が相当額抑えられることは間違いありません。

飲食店オーナー 兼 大家さんの為の失敗しない管理会社・不動産会社選び

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