
忘年会、新年会のシーズンは、多くの料理が提供され見た目にも胃袋も満たされる季節です。一方、大量に食品ロスが生まれるシーズンといっても過言ではありません。
今回は、その無駄になった食べ物はどうなっているのか?どれほど無駄になっているのか、政府の取り組みはあるのかなど身近な問題でありながら実はよくわかっていない食品ロスについて考えたいと思います。
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食品ロスの実態
日本国内で流通する食品の総量(国内供給仕向量)は、農林水産省の「食料需給表」に基づいて推計されており、年間約9,000万トンだと言われています。このうち食品に由来する廃棄物の量が約3,000万トンだそうです。さらに、この廃棄物の中で、まだ食べられるにも拘わらず捨てられている食品、つまり食品ロスが、令和5年度推計でなんと464万トンにも上ると言う調査結果が出ています。ただ、464万トンといってもピンとこないと思いますが、東京都民1,400万人が1年間に消費する食品量に匹敵すると聞けばその膨大さがお分かり頂けると思います。
現在だけではなく食品ロスへの取り組みが伺える数字があります。環境省の発表で、食品ロスの量が平成27年で646万トンあったものが令和5年に464万トンまで減ってきているというのです、8年で実に3割の減少です。これはすごいですね!
食品ロスに関する取り組み
さて、この食品ロス、各団体それぞれに活動を始めています。例えば東京都の場合、環境局が音頭をとって東京都食品ロス削減パートナーシップ会議を開催しています。また、防災備蓄食品から生まれる食品ロスについても削減する方向で事業が始まっています。
国の機関である環境省はどうでしょうか。過去には「3010運動」(さんまるいちまる運動)という啓蒙運動に取り組んでいました。どのような内容か普及用に作られたパンフレットを見てみると、居酒屋などの宴会では、最初の30分と最後の10分間は参加者全員で食事をする時間をとり、大量に出る食品ロスを軽減しようと言う運動です。確かに、宴席の料理は残りがちです。
最近では飲食店等における食べ残しの持ち帰りをより身近な文化として広めることを目的として「mottECO](もってこ)」のネーミングのもとに、「もっとエコ」「持って帰ろう」という啓蒙活動を繰り広げています。

フードシェアリングというビジネス
最近二つの会社が初めたフードシェアリングというビジネスが話題です。どちらの会社も食品ロスに着目して、これを減らす為に立ち上げた会社ですが、全く異なる発想で行われています。
TABETE(https://tabete.me/)
飲食店がお客様に提供する為に準備していた食品や料理が何らかの都合で提供されなくなり時間の経過とともに廃棄となる食品ロスに対し、TABETEに加盟している飲食店は、それらの食品や料理をTABETEのサイト上に掲載し、利用者がサイトから購入するという仕組みです。ただ、購入者はお店まで商品を取りに行かなければならないので、距離の制約は受けることになります。TABETEのサイト上で取引が成約した場合、TABETE側は販売額の30%を成功報酬として徴収するというビジネスモデルです。一見高いと思われがちですが、本来廃棄をする予定だったものが収益を生むこと、一般的な食品販売の考え方として原料は販売価格の30%というところから原料以外の部分、人件費や賃料などの部分は回収できるだろうと言う発想から出て来た数字のようです。会員が増加するにつれTABETEが徴収する額は低下するのではないかと思います。
KURADASHI (https://kuradashi.jp/ )
こちらはTABETEと違い、食品メーカーや食品販売店に寄り添ったサービスを展開しています。賞味期限が迫ったものや食品メーカーの在庫で消費期限の関係で小売店に出せない商品などを中心に廃棄をせず流通を・販売を請け負うサイトを展開しています。
飲食店以外の取り組みが重要
なにも食品ロスは飲食店舗に限った話ではありません。スーパーマーケットやコンビニエンスストアーなどが相当な食品ロスを生み出しています。その例で一番話題になったのが恵方巻です。常に売られているレギュラー商品でない恵方巻は基本節分の日のみに提供されます。
あるコンビニで見込んでいた数量がさばけず大量に捨てられる映像が流れてネット上で話題となっていました。また、売れの残ったコンビニ弁当を値引き販売していたとして大手フランチャイザーから契約を解除されたケースもあり食品ロスを防ぐ努力がなされているとは到底思えない状況です。
それに加え食品業界とコンビニ、スーパーの間では「三分の一ルール」なるものが存在し食品ロスに拍車をかけていると聞きます。このルールは製造から店舗に出荷される期限を賞味期限までの三分の一を限度とし、賞味期限の三分の一を切った商品はメーカーに戻されると言うものです。日本には変わったルールが存在するとつくづく思います。
先日まだ十分に食べられるパンやおにぎりなどの食品がトラックで運ばれてきて粉砕機のような機械で細かく裁断される様子が映し出されていました。正体と言えば、コンビニやスーパーに並んでいた食品たちが、一定時間経過したという理由で一カ所に集められ畜養の餌として加工されている現場だったのです。冒頭でも書きましたが、食品ロスが都民の一年分の食品量と同じぐらいで、食べ物に喘いでいる飢餓難民を救うために世界中で援助されている食品量の2倍とまで言われています。折角もったいない精神が受け継がれるこの国で、このままでは食品ロス大国の烙印を押されかねません。各機関、民間バラバラではなくそろそろ国を挙げて取り組むべき時期ではないでしょうか。





