
タイトルにある相談とは飲食店を閉店する際に、原状回復工事を行い退去するのではなく、内装、設備、厨房機器類を第三者に売却もしくは引き継ぎが出来るかどうかのことを指します。
このことを一般的に居抜き店舗の「造作売買」だとか「譲渡」、「店舗付属資産売買」と呼びます。名前は異なりますが土地、建物の所有権売買のことでなければ内容はどれも同じです。
飲食店の店主が居抜きの売買を望めば簡単に売買が成立するかのような表現をネット上や不動産会社のHPで見かけます。実際は、そんなに簡単なものではありません。
今回は、そもそも原状回復工事が原則の賃貸借契約で、居抜きで店舗付属資産の売却を検討なさっている方に向けて一番知りたい疑問にお答え致します。
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コロナ禍を挟んだ飲食店の閉店数と傾向
帝国データバンクが2026年1月に発表した飲食店の倒産件数に関するデータです。ご覧のように2025年の飲食店舗倒産件数は、900件と過去最多となっています。

業態別で見ると、「酒場・ビヤホール」が204件で全体の約23%で最多となっています。次に、「中華・東洋料理店」158件、「西洋料理店」123件、「バー、キャバレー」93件と続きます。
グラフをご覧いただいてお分かりのように、各自治体から時短協力金が出ていたコロナの時期は倒産件数も今の半分ですが、皮肉なことにコロナが収まり協力金が打ち切りになった直後から飲食店の倒産が増えています。
相談相手に求める一番の要望はやはり
既に飲食店の閉店を決めておられる方の中にも閉店に関する情報管理を限定的に運用して欲しいと言うリクエストは結構あります。限定的にとは例えば、
- 大家さんにはまだ伏せておいて欲しい
- 近隣の商店街の方々には分らないようにして欲しい
- 住所が特定されないようにしてほしい
- 店名を伏せて募集して欲しい
最近の傾向で言えば、コロナ終結後、以前のようにお客様が戻らず先行きが見通せない。今後お店をどうしようかはっきりと決めておられない状態で、情報収集と居抜きでの店舗付属資産の売買がどのようなものなのか勉強したいというお問い合わせは一定数あります。
飲食店を閉店したいとご相談のキッカケ(具体例)
最近の閉店理由では、食材などの原材料の高騰が長引くなかで今後の不安から連絡されるケースがほとんどです。
また、運転資金に不安があり、資金が尽きる前に居抜きで店舗を売却することでなんとかしたいというものもありました。
他にもあります。年齢とともに気力が萎えてしまい閉店したいというものやご自身が病気に罹患されていて身体が言うことを聞かなくなり入院を余儀なくされることでの閉店、家族の介護のためお店にたてなくなり閉店を決意されるケースもありました。
厨房機器やエアコンの故障などでお金をかけて修理や買い替えをするかどうかのタイミングでの相談もあります。
意外と飲食店のオーナーで厨房に立たれている方からは人材不足を理由に閉店されるケースは少なかったように思います。
店舗付属資産売却相場の現実
飲食店ごとに理由は違えども飲食店舗の閉店、明渡しには少なからずお金がかかります。その一番の悩みの種が原状回復工事費です。
手元にまとまったお金が無ければ、大家さんに預託している敷金から差し引かれます。飲食店などの賃貸借契約の場合、「敷金償却」と言って賃料の何か月分はそもそも差し引かれてしまう契約になっていますから、それらを合わせると最悪の場合追加でお金を支払わなければならなくなります。
もしそこで飲食店の附属資産が第三者に売れるのであれば話は180度変わってきます。逆にお金が頂けるのですから期待してしまいます。
このような期待をもって電話をかけて来られる方がほとんどではないでしょうか。なかには数百万円もの高値がつくことがありますがごく一握りの飲食店に限られています。逆に値段を聞いて落胆される方の方が多いと思います。
店舗付属資産の値段が決まる仕組みとは
飲食店舗の付属資産の価格つまり居抜き店舗の価格はどのようにきまるのでしょうか。
3つの要素があげられます
- 立地
- 賃貸借条件
- 階数
居抜き店舗に値段がつくのには理由があります。その店舗にお金を出す人がそこで飲食店をやりたいと思う場所かどうかです。そこが一番価格を左右するポイントです。
仮に、オープンから数ヶ月の店舗でも誰もやりたいと思わなければ値段はつきません。逆にオープンから30年以上経っている店舗でも場所が良ければ数百万円もの値段が付きます。
つまり居抜き店舗の値段とは物の値段ではなく賃借権の値段と言った方がシックリ来るのではないでしょうか。とは言えいくら良い場所でも小さすぎたり大きすぎたりだとか、家賃が異常に高いような場合は買手がつかないことがあります。
<重要>飲食店売却で注意すべきこと
「飲食店舗を居抜きで買取します」と標ぼうする不動産会社であっても今日、明日といった短時間で結論を出すことは難しいものです。その理由がよく理解されていないように思います。
何故ならお店を売りたいと思うご主人とそれを買いたいと思う不動産会社若しくは次にその店舗で飲食店をしたいと考える方の思惑が一致したとしても売買は成立しないからです。
何故か? そもそも大家さんや不動産を管理する管理会社の「承諾」が必用だからです。もちろんいい返事ばかりではありません。契約書通り原状回復工事をして出て行って下さいと言われることの方が一般的には多いでしょう。
そのことを踏まえて売買までの流れを説明してくれる不動産会社を売却のパートナーに選びましょう。なかには買取る買取ると言ってインターネットに募集を出し、挙句の果てに買い取れませんと断りを入れる不届きな会社もあります。どのように交渉を進めどの時点でどういった公開をするのか最初に決めておきましょう。
最低限の情報でとりあえず居抜き物件としての価格を知りたいのであれば下記の4つの情報で見積もってもらいましょう。しつこく住所を訊ねる不動産会社は要注意です。
- 最寄り駅
- 駅から徒歩何分
- 契約面積もしくは席数
- 階数
飲食店の居抜き店舗を扱うプロであれば十分こたえられます。不動産会社探しの目安にしてください。






