飲食店舗専門情報サイト 店サポ

飲食店舗専門情報サイト

飲食店の繁盛に立地は関係ない?1.5等地や2等地で繁盛するこれだけの理由

飲食店-立地-1.5等地

Photo credit: waychen_c on VisualHunt / CC BY-NC-ND

都心から郊外に延びる私鉄沿線、各停しか止まらない駅でのことです。

その飲食店は駅から徒歩6分程の住宅街に入った一角に位置しています。昼12時頃なのに誰も店の前を歩いていません。不安になって大家さんに聞いてみました。

ここで飲食店をやって本当に繁盛するのですかと。大家さんの返事はこうです。夜8時過ぎにもう一度来なさいということでした。

あたりもすっかり暗くなった夜8時。くだんの飲食店を尋ねると辺りの景色は一遍していました。昼間シャッターを下ろしていた飲食店、夜だけ営業している和食店、深夜12時まで営業するラーメン店などなど交差点を挟んだその一角だけ不夜城の様な賑わいです。

改めてお話を聞くと、交差点の奥に某銀行の電算センター、大手メーカーの配送施設などの大型施設があり夜7時位から帰りに一杯飲んで行かれるビジネスマンで終電近くまで賑わうというのです。まさに目から鱗でした。

このケースで言えば通勤動線を生かしてのお店作りと言うことですが、他にもこんな場所に繁盛店が?という話はよく耳にします。

それらをつぶさにながめてみるといくつかのグループに分かれることがわかります。今回はグループ毎にその秘密を探ってみたいと思います。

Contents

話題性、行列の先を演出せよ

飲食店ですから本質的には美味しいということが大前提ですが味以上に話題性を求めるお客様が確実に存在します。その方々はSNSを通じて自己表現をしたいと考える皆さんです。

誰でも簡単にたどり着ける場所でなかったり、長時間行列待ちをしないと入れないなど何らかの障害がある方がさらに人気を博すと言います。

例えば、高田馬場駅から5分以上かかる上に大通りからも離れた川のたもとにあるローストビーフ丼のお店が思い出されます。

行列で順番待ちをしてたどり着いたその料理はうず高く積み上げられたローストビーフの山となって出てきます。

必ず食べる前にスマホで写真を撮りインスタグラムやフェイスブック、ご自身のブログなどにその写真をアップすることで「イイネ!」の称賛を浴びることとなります。

行列と言えば品川の住宅地にあったラーメン店も話題になりました。

行列が出来ることで話題となり、近隣にご迷惑がかかるからと移転をするのですが、そのことも人気に拍車をかけることとなり今では何店舗も出店するまでに繁盛しています。

人間の性なのでしょうか、行列が出来る場所に何があるのか確認してみたいという欲求が働くようです。

アフターコロナで飲食店が繁盛する5つのアイディアと3つの宣伝方法

コストパフォーマンスが人を呼ぶ

チョット前に流行った言葉に「コスパ」というものがありました。

もちろんコストパフォーマンスを縮めた言葉です。直訳すれば、支払うお金に比べてお得感があるかどうかということです。どこかの家具屋さんみたいなキャッチフレーズです。

そもそもこのコスパは昔から存在しています。ご飯お代わり自由な定食屋さんやバイキング料理もこの類です。

この例で言えば少々原価率が上がってもお客様に来ていただく為の呼び水としてご飯お代わり自由というサービスがコスパを引き上げます。バイキングは一度に数多くの料理が楽しめるというところとお腹いっぱい食べられるところがコスパです。

ではお店側は損を出しているのかと言えばさにあらず。

バイキングでは料理人の数を減らせるというメリットがあります。(注文を聞いて造る場合に比べてですが)人件費を節約した分材料費にコストをかけられたというものです。

この原価率を高める手法は形を変え現在も立地の悪さをカバーする為に役立っています。その一つが看板メニューです。俺のシリーズで有名になった飲食店や築地の仲買人さんグループで経営する居酒屋さんなど、通常原価率3割と言われている料理原価に対して6割~8割まで原価率を高めた料理を目玉に集客をしています。

もう少し分かりやすく書くとこうなります。

原価1,000円の料理を通常通り原価率3割として提供すると値段は3,300円となりますが、原価率8割で提供すると価格は1,250円となりなす。3,000円を超える料理を1,000円ちょっとで食べられるとなれば少々遠くても、少々不便でも行ってみようという気になります。

先程の話題性と同じで障害が高い程満足感が得られるように、こちらも立地の悪さをプラスに変えるテクニックではないでしょうか。もちろんすべての料理の原価率を8割に変えてしまってはお店はすぐに潰れてしまいます。あくまでも人を引き付ける看板料理ですから、それ以外に原価率の低い料理も取り揃えて利益が出るように工夫することは必要です。

令和の飲食店は「ターゲット」と「メニュー」をしぼって売上アップ!

コミュニティー性を持たせて集客せよ

同じ趣味をもった人たちが集まるお店があります。

昭和の時代「歌声喫茶」と言ってお客さん同士で同じ歌を歌う喫茶店が流行りました。飲食店の喫茶の部分は付属でカラオケの走りの様な形態です。これも形を変え現在に引き継がれています。

例えば、スポーツバーの形態がよく似ています。目的はスポーツ観戦で飲み物は付属品です。さらにこれを細かく見て行くと、プロ野球の優勝を決める決戦時にテレビに映る居酒屋さんがあります。

特定のチームだけを応援する人だけが集まるお店です。もちろんお店の方針でしょうし、オーナーの意向が色濃く反映されています。

同じ目的や趣味などを共有できる飲食店は少々の距離など物ともしません。

また最近ではフクロウカフェや猫カフェなども同じような趣味の飲食店です。こちらは飲食店ではハンディがあると言われるビル上層階に陣取ってその立地の悪さを物ともせず繁盛しています。音楽にせよ趣味にせよ立地の悪さを補って余りあるコンテンツです。

飲食店の立地選びは業態・業種でこんなにも違う ~3つの例で検証~

メディア・グルメサイトの活用

つい最近もグルメサイトで利用者がつける評価を巡って不正疑惑が持ち上がっていました。

お金を出せば星の数が増えるだとか星の数をあげる専門業者が存在するだとか噂は絶えませんが、まだまだ影響力はあります。会員数、掲載店舗数が多い「食べログ」に飲食店舗向け支援サイトの「ぐるなび」、こちらは有料になります。どちらを選択するにせよ、正確な情報、写真、お薦めメニューなどは最低限掲載するようにしましょう。

飲食店の閉店でご相談頂く際に確認のためグルメサイトで検索するのですが、出てこない(開設されていない)ことが多くあります。つまり、検索されないことが閉店の遠因ともとれます。

さて、弱い立地を克服するお店はメディアによく登場します。

テレビ番組などの影響力のあるメディアまで行かなくとも、カドカワが出しているウォーカーシリーズやエリアを特集する雑誌です。

以前根津で飲食店をオープンされたAさんは、駅から8分ほど離れた場所にも拘わらずいろいろなメディアに向けてお店の紹介文、メニュー、写真などを送ったそうです。その中の1社から取材を受け取り扱いは小さいながら雑誌に取り上げられたと言います。

やはり雑誌の威力は大きく心配していた週末にお客様が来られるようになったと喜んでおられました。

グーグルマイビジネスの活用

メディアで一番重要なのは地図上に飲食店の場所と名前が表示されることです。ここではグーグルマップのサービスを利用します。グルールにマイビジネスというサービスがあります。無料で飲食店を登録してくれます。これにより店名での検索も、業種カテゴリーでの検索(例えばラーメンとか居酒屋とか)で地図上に表記され店の情報まで表示してくれます。これを利用しない手はありません。今すぐ登録を!

~まとめ~

タイトルにある1.5等地、2等地とは何を指すのでしょうか。私が思うこの等級は、飲食店舗にとってのものではなく、その不動産を貸し出す大家さんにとってのものだと思います。つまり、1等地は一番家賃が高く取れる場所ということになります。これを飲食店側から見れば家賃が一番高い場所ということになります。言葉遊びの様に思われるかもしれませんが、リピート客が定着する前に高額な家賃で体力が奪われる場所でありお客様が入っているにも拘わらず利益が出ない場所なのです。お分かりと思いますが、表通りから一本外れた立地や少し距離のある立地でジックリリピーターを育てる方が飲食店は結果利益が生まれ長く経営して行けるのです。

飲食店を悩ませる宣伝・稼働率・距離の問題を新しい発想で解決する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加