3月は上旬から中旬にかけこの短い間に全国で一斉に卒業式が執り行われます。幼稚園に保育園、小学校、中学校、高校、大学と卒業される皆さんに加えその親御さんも加わり卒業式に関わる人の数は相当な人数にのぼります。
皆さんもご経験があるように食事会や謝恩会、仲のいい友達同士で繰り出したりとそれぞれのステージで最後の集まりがあったことでしょう。また小学校以下の卒業式では、親御さんだけの集まりも数多くあったことと思います。
卒業式と飲食店とは切っても切れない関係にありながら食事会や謝恩会は主催する側に主導権があります。それ故飲食店の側から積極的にアピールできる部分が大きく残っている分野でもあります。今回は、卒業式終了後に催される食事会、謝恩会に焦点を絞って考えてみたいと思います。
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卒業式の時間帯には特徴がある
幼稚園であれ小学校であれ高校であれ卒業式は午前中に行われることがほとんどです。学校により9時スタートだったり10時スタートだったり式辞進行により異なります。不思議と終了の時間は12時から12時30分というのが圧倒的に多くその後解散となります。
仮に、卒業生全員に卒業証書を渡すのであれば2時間はかかるでしょうし、マンモス高のように代表が証書を受け取った後、教室に戻り担任から証書を受け取るタイプの卒業式は生徒、学生の移動だけでも時間がかかります。
ただ大学だけは事情が異なります。学生が多い学校や、卒業式を行う建物の収容人数の関係で午前と午後に分かれたり、数日にわたり学部ごとに行うケースなど大学ごとに事情が異なります。
このところの謝恩会・食事会の実態
実際いくつかのパターンが存在します。クラス単位というもので組織的に行われるものであったり、クラブ活動の単位でこれとは別に行うものもあります。幼稚園や保育園のように卒業する子供が小さい場合は、親だけで先生を囲んでの会も催されています。
その開催場所もバラエティーに富んでいます。教室でケータリングサービスや仕出し弁当というものや近くの会館の広間、中にはホテルの広間を借り切ってというものまであります。
一方、飲食店の貸し切り派も多いようです。父母会や懇親会などで今までお世話になった飲食店などを利用する傾向にあります。もっとも、小学校から高校まではお子さんがお酒を飲めない分親御さんだけがお酒を飲むというのはなかなかハードルが高い様で、その意味ではお酒がメインの飲食店などは敬遠されがちで、食事メインのお店が選ばれているようです。
一方、食事会は様々なつながりで行われています。卒業式当日に拘わらず日を改めて小さな単位で開かれているのが実態のようです。当然、卒業式を挟んで複数回これらの食事会に参加される方も少なくないということです。
卒業式シーズンへ飲食店の取り組みを考える
食事会・謝恩会・父母会の実態を見て参りましたが一つのキーワードが見えてきます。それは在学していた期間に何らかの縁があって利用したことがあるお店が選ばれているということです。
理由を考えて見ます。気心が知れた少人数もあれば相当数集まる食事会もあることからある程度開催場所や利用対象として参加者の納得が得やすいことがポイントになっていると思われます。まったく初めての飲食店や仕出し弁当などで不評を買うような内容だと幹事さんはもとより、折角の思い出の集まりにケチが付きかねないからです。従って既に利用されてきた飲食店や仕出し弁当、ケータリングが選ばれることは想像に難くないでしょう。
ポイント:普段から学校関係者(先生、生徒、親)に営業活動をしておくことで卒業式当日や前後の食事会・謝恩会・父母会を射止めることが出来るという結論になります。
では具体的にどのような取り組みが出来るのでしょうか。
後発店でこれらの参入が難しいと言われている学校関係ですが方法はあります。学校には事務局や総務部と言われる名前の部署が必ずあります。教鞭をとる先生以外に学校の雑務や行事を仕切っているところです。職員室とは別に正門の近くに職場があり外部の人間との接触を一手に引き受けています。
まずは、メニューやサービス内容を書いたご案内を届けるところからスタートです。始めのうち声がかからなくても数ヶ月に一度は新しいものを届けるか事務局あてにダイレクトメールを送るのです。飲食店周辺の保育園、小学校、中学校、高校、大学と場所によっては20校をこえる地域もあります。まずは実績を作るところから入って行き徐々に大きな付き合いに伸ばしてゆくのです。
もう一つは卒業を控えた関係者に向かっての発信が重要です。学校の通学路や生徒さんが行きかう場所であれば、今の時期から謝恩会、食事会承りますと大きく宣伝をしておけば必ず目に触れます。毎年同じ時期に食事会、謝恩会の特別メニューや特別料金で貸し切り歓迎と張り出しておけば、徐々に認知度は上がり利用される頻度が上がっていきます。
飲食店も想い出作りに一役
ただお店を利用してもらうだけではなく、あの店ならこんなサービスがあるから利用しようというインセンティブを用意したいものです。何か高額な記念品ではなくちょっとした心遣いでいいのです。
例えば、お店を利用いただいた様子や集合写真をお店のホームページからダウンロードできるサービスや幹事さんに代表して送るサービスなどで十分喜ばれます。
実際に提供されているサービスですが、食事の最後に出されるデザートを出来合いの物ではなく、卒業される学校やクラス、部活名をデザインしたケーキに花火を添えて最後の演出をするというサプライズがあります。費用対効果は各お店で検討頂くことにして良いヒントになるのではないでしょうか。
~まとめ~
大学生が卒業式を迎えた後、部活やサークルに入っていない学生君たちはゼミ単位で追い出しコンパ(死語ですか?)を行います。また、ゼミの仲間と近くに小旅行というのもコロナ前はトレンドでした。例えば観光地や景勝地などで営業される飲食店などは卒業旅行で訪れた学生諸君を対象に割引きサービスを打ち出しSNSで拡散すれば、お客様を獲得する起爆剤になることでしょう。ましてやここ2年はコロナで思い出作りが出来なかった分今の時期何が彼らの思い出に残るのか、試行錯誤を繰り返すことで徐々に売上に貢献してくれる季節となります。