令和6年の東京は3月末にようやく桜の開花宣言がだされました。ここ最近で一番遅いのだとか。。。
いつの間にか咲き始めて満開を迎えひっそり散って行く梅とは違い、一斉に咲き始め一気に満開、雨が降ったり風が強く吹こうものなら一気に散ってしまう桜。
古来より「いさぎよさ」の代名詞のごとくいわれるのですが、何とも慌ただしい限りです。そんな桜の花はこの時期最高の集客装置に変身します。
ただでさえ4年の長きにわたりマスク生活を強いられたコロナの時期を経て、この令和6年の春はやっと戻った日常となり、公園で堤防で境内でいたるところで咲き乱れる桜の花に、吸い寄せられるように日本人は集まってくること間違いありません。
そんな期間限定の集客装置を飲食店は見逃してはいけません。
今回は、桜の開花にあわせて飲食店が仕込める企画を中心に考えて見たいと思います。
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飲食店のライバル?存在感増すケータリング
花見と言えば、カクヤスと言う方も多いでしょう。ビール一本から届けてくれます。
ここで注意が必要なのが、「都内では公園内での配達が条例で禁止されている」のです。どうやら、販売にあたる行為を禁じているようですが、入り口付近を指定して配達してもらえばOKです。
例えば、代々木公園などは4つの門が受け渡し場所に指定されています。カクヤスのいいところは、つまみに氷、コップにお箸もお願いすれば届けてくれるところです。
昨今花見で活用されているのがケータリングサービス。スマートフォンのアプリを使い、注文した人の現在位置をGPSで検出し届けてくれたり、逆に配達員の現在位置をリアルタイムで知らせるサービスで人気を得ています。
基本的には、花見スポットが飲食店の近くにあるようでしたら、ウーバーやウォルトなどに即登録です。ケータリングを味方につけて朝から注文が入るよう準備です。
では何を売れば選ばれるのか次に考えます。
平日のビジネス街、会社の花見をターゲットにする
さて、ケータリング業者に登録が済んだら今度はその中身を考えます
花見スポットに向けた「花見おつまみセット」の販売です。
都内であれば平日の会社需要に狙いを定めます。
会社でまとまった人数の花見をやる幹事になった方ならお分かりだと思いますが、幹事さんは相当大変です。
花見をする場所を確保することはもちろん、冷えたビールに熱燗になるような日本酒の手配、コップや氷、箸にゴミ袋など用意するアイテムは結構な数になります。
毎回頭を悩ませるのがメインになる料理です。予算がありますから安くてそこそこ量があるものが望ましいのですが、焼き鳥だけのまとめ買いやお寿司の盛り合わせだけでは今一つ幹事の株が上がらないという憂き目にあいます。
この上手くいって当たり前の花見幹事を助けるのが小規模飲食店の腕の見せ所です。
普段から数人で飲みに来られる常連さんに向けて、「花見のパーティーセットを承ります」とチラシを作るのです。人数、予算はご要望にお応えしますと書いて、10名の標準セット例えば、5,000円コース(オードブル詰め合わせ、焼き鳥〇本、寿司〇貫、サンドイッチ〇個。。。)を表示。
飲食店側は、お客様の顔触れを伺い、中身を肉系に寄せたり、逆に鮨系に寄せたりのアレンジをきかせることで柔軟に対応します。
注文時に前払いしてもらえばキャンセルの心配もありませんし売れ残るロスもありません。当日はその料理を引き取りに来ていただくことで店の営業にも影響が出ません。
この予約セットのいいところは、ランチボックスなどと違い1階路面店でなくても注文が取れるところです。更に注文を頂いた幹事さんに、花見の後でも別の日でも利用可能なサービス券などを人数分お渡しすれば次の営業につながります。最初の一杯無料でも、飲み物全品50円引きでも原価率と相談して決めてください。
休日は友人や家族のお花見をターゲットにする
休日の花見はだれと行くでしょうか。家族で、友人と、町内会でと様々な組み合わせがあります。なかには花見のハシゴという猛者もいます。
家族であればお母さんやお婆さんの手作り弁当となりますが、その他はコンビニで買い込んだり、スーパーマーケットで詰め合わせを買うなど様々でしょう。
ここでも小規模飲食店の出番です。
考え方で言えば和洋折衷のお節料理のイメージですが、よりカジュアルに手でもつまめるものがいいと思います。一つ問題があります。宣伝方法です。
どれほどの受注を見込むかによりますが、新聞の折り込み広告を利用する方法があります。チラシ自体は自分で作る必要がありますが、周辺の地域の何丁目から何丁目までと指定が出来ます。印刷代と併せても数万で済みます。
もしくは郵便局が始めている新しいサービス、配達地域指定郵便のタウンプラスです。これもなん丁目に送るのか指定をすれば、封書でもハガキでも好きなスタイルで住所を書かなくても配達してくれます。新しい顧客開拓手法としても注目されています。
~まとめ~
桜が開花すると、「皇居のお堀 千鳥ヶ淵の 桜が咲き始めました」というたった3行の広告を新聞に21年間出し続けたホテルがありました。
都内にお住いの方でご年配の方ならご存知の方も多いと思います。今は億ションに建て替わってしまったフェアモントホテルの広告です。この広告を見つけるといそいそと花見に出かけるというある種の風物詩でした。
継続は力なりという諺もあるように毎年桜の時期に花見セットを売り続ければ、リピーターは必ず生まれます。普段の営業にも十分プラスになります。
もっとも冷える夜桜の花見に使い捨てカイロをサービスするようなホスピタリティーが繁盛につながる秘訣かもしれません。