8月に売上が下がる飲食店が増える これだけの理由

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8月に売上が下がる飲食店が増える これだけの理由

「ニッパチ」と呼ばれ売上が上がらないと言われる2月と8月。Web上では2月は該当するものの8月は逆に売上が伸びているとする内容の記事も存在します。サンプリングする飲食店舗をどこに取るのかにより数字は変わります。都内のビジネス街と渋谷や新宿など夏休みやお盆休みを利用して地方から人が繰り出す街とでは同じ8月でもかなりの開きが出てくると予想できます。今回は、一般社団法人日本フードサービス協会が出している飲食業界全体のデータを参考にしながら、都内のビジネス街でランチや夜の営業を営んでいる飲食店を中心にタイトルについて考えて見たいと思います。

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データ

2017年4月に同協会から発表されたデータに、過去1年間、月ごとに対前年売上高の伸び率を示したものがあります。前年対比では各月とも100%を上回り景気の良さがうかがえます。しかしながら2016年8月だけが対前年度同月でマイナスとなっています。なかでもパブ、レストランといった今流行のバル業態に加え居酒屋を合わせたグループの落ち込みが著しく対前年同月に比べ1割以上落ち込んでいます。次に落ち込んでいるのがファミリーレストランの業態で、マイナス4%程です。逆にファーストフード業界や喫茶業界は前年度を上回る売り上げを出しています。このデータを見る限りでは、8月の落ち込みは食事やアルコール類を提供する目的型のお店で落ち込みが見られ逆にファーストフードや喫茶と言っても今流行のカフェ業態などスペースを提供する空間提供型の業種に人が集まっている姿が垣間見えます。

8月に売上が落ち込む5つの理由

1.営業日の減少

週に1日の定休日を儲けている飲食店の月の営業日数は25日前後です。今年の8月でお盆休みのシミュレーションをしてみましょう。企業のなかで一斉休暇をとるところは土日を入れて5連休というところがほとんどです。2017年は11日の金曜日が山の日となりますので6連休が一般的だと予想できます。その内本来の定休日が含まれていたとすれば、5営業日のマイナスです。仮に1日の売上が10万円だったとすると月額で50万円のマイナスです。つまり通常月に比べ2割も売上が減る計算です。冒頭に御紹介した一般社団法人日本フードサービス協会のデータも頷けます。

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2.お盆休み前は忙しい

営業会社の8月は月の締めが2回あるようだと言われています。お盆前と通常の月末だそうです。通常の月と違い長期の休みを挟む為、納品には気を遣うそうです。もし発注頂いても休みを挟むような対応になるとキャンセルされてしまうからだそうです。だからこそ、得意先に休みを周知しお盆休み前に受注や手配を終えてしまわなければなりません。彼らにしてみれば、営業日が少なくなる分を8月初旬の10日間ほどで半月分の業務をこなさなければなりません。当然仕事が終ったら1杯どころか残業も含めて業務を終わらせることで精一杯です。結果8月の前半は通常よりも客足自体が減ることとなります。

3.一斉にお盆休みを取らない会社が増えている

インターネットの普及、サービスの多様化に伴い一斉休暇をとる企業が減っています。よく聞くのが7月、8月のなかで5日間程夏季休暇として休暇をとるというものです。そうは言っても8月の中旬に集中する傾向にあったのですが最近は分散型になりつつあります。このことによりいつも飲みにゆくメンバーがそろわない為に夜はもとより、ランチもお弁当で済ませようかといったいつもと違う行動が生まれるようです。

一方、15日前後で出社されている皆さんにとっては、いつもに比べ閑散とした街を感じることでしょう。通常よりも電話やメールも減り、前半頑張った分仕事も遅くまでかかりません。当然定時で退社となります。そうなればたまには違うメンバーでランチや夜お酒を飲みに行ってみるかと考えるいい機会でもあります。ところが、管理職や上司の方が以前に比べ若い方を誘わなくなったと聞きます。時代ですね。

4.お盆明けの倹約ムード

お盆と言えば、帰省や旅行などまとまった休みを利用して予定を組まれる方が普通です。地方から働きに出てきている皆さんはその移動にかかる飛行機や新幹線代で相当な負担を強いられます。それが家族で移動となれば田舎に帰るだけで10万円以上かかってしまいます。可処分所得の高いOLや独身男性でもこの頃の旅行費はトップシーズンで割引が無い分相当な出費となります。もうお分かりだと思いますが、お盆の休暇を利用してどこかに出かけたとするとその出費が休み明けの8月後半の支出に大きく影響してきます。つまりサイフの紐が固くなり飲んだリ食べたりと言った外食を利用する機会が減るのも当然です。

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5.コト消費優勢の飲食業界

このところの喫茶ブームは、他の飲食業態に比べ原価を安く抑えられる分利益を出しやすいことと、その分売上にたいする賃料負担率を高く取れるので、出店競争でもいい立地を押さえられやすいことがブームの背景と考えておりました。ところが、そこには8月苦戦するファミリーレストランが囲い込めなかった潜在需要があったのです。お盆明けの倹約ムードで敬遠されるファミリーレストランはスターバックスコーヒーなどが提唱する「第三の場所」となりえなかったということです。この第三の場所という考え方は、家、職場以外の場所という意味です。学生さんにとっては職場は学校ということになります。ゆっくりと話をしたり、周りに気兼ねせず本を読んだり、集中して勉強をしたりまさに生活の中でもう一つの居場所を提供したことで人気が出ています。ファミリーレストランやお酒を出す飲食店、フレンチやイタリアンなど従来の飲食店が食事や飲酒を提供することがメインの目的型店舗であるのに対し、第三の場所を提供する喫茶系の飲食店舗は場所が主体であり副次的に飲み物や食べ物を出す空間提供型店舗と呼べるのではないでしょうか。これまで、しょうがなく目的型店舗を利用していた人たちが空間提供型店舗に流れてしまっていることがうかがえます。

以前8月や5月など周辺の企業が長期の休みに入るタイミングで、親子での料理教室や牛の乳しぼり体験ツアーを企画している飲食店をご紹介したことがありました。今回の様に飲食を目的としない需要がハッキリとしてきたタイミングで、今年の8月にでもできるコト消費をミックスした企画を考えて見てはどうでしょうか。日本のお盆を伝える風習でもある精進馬、精進牛などをキュウリやナスで作る企画は食べ物と併せて想い出に残る企画にしてみるとか、なにか飲食以外のことと本来のお店の業種を組み合わせることが秘訣だと思います。

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