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飲食店でビアガーデンは儲かりのヒントが満載!明日から応用できる

飲食店-繁盛-ビアガーデン

Photo credit: CookieM on VisualHunt.com

令和4年6月、日本列島は時ならぬ暑さに包まれています。その暑さにつられるように季節の風物詩ともいえる業態が早くもスタートしています。そうビアガーデンです。以前はデパートの屋上かニュー新橋ビル、それから大型ホテルのまさに庭(ガーデン)が定番でした。

最近では大規模な再開発ビルのピロティーや広場、公開空地を利用したビアガーデンも数多く催されるようになってきました。

ビアガーデンを都会のオアシスと呼んだ人がいましたが、ひと夏に必ず一回は足を運ぶこの季節限定の飲食店。いくつかの仕組みを駆使して利益を出しているのですが、考え抜かれたオペレーションを参考にして一般的の飲食店にも応用できそうなヒントを今回は探ってみたいと思います。

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ビアガーデン今昔物語

似た様な業態でも一年中お店を開いているのが、銀座の中央通りで有名なビアホールと呼ばれるお店です。一方一年中オープンしているビアガーデンというのはほぼ見かけません。

さて、この季節限定の業態いつ頃スタートしたのでしょうか。始まりは1953年の大阪のようです。この年号を聞いてなるほどと思った方は相当テレビ放送に詳しい方です。

この年にNHKはテレビ放送を開始しています。初任給が5,000円という時代にテレビの受信機が30万円と言いますから、今の値段になおすと1200万円となります。この時ビアホールは高価なテレビを設置し、野球やプロレスなどの放送を集客装置として大繁盛したと言います。

現在はどうでしょう。当時のテレビに匹敵する集客装置はありません。それでも人を引き付ける工夫とはなんでしょうか。全国で開催されているビアガーデンを覗いてみるといくつかのヒントがありました。

まずビールはその名の通りメインですからどこも共通です。一方提供する料理に知恵を絞りと工夫を凝らしています。例えば、イタリアンのメニューを中心としたものや本場ドイツ料理をメインに据えるもの、BBQなど肉料理と屋外ならではの炭火焼きをメインにするものなどいずれも料理に特色を持たせています。

以前の様に枝豆に揚げ物などおつまみ程度でビールを飲ませる構成から本格的な料理を中心にビールを飲ませる構成に切り替わってきています。

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ビアガーデンは本当に儲かるのか

結論から言えばハイリスク、ハイリターンの業態です。まず、晴れた日には多くの人出でにぎわいますが、雨が降った途端開店休業です。

年間で100日以上雨が降る東京では一週間で2日~3日は雨が降る計算になります。昨年の様に晴れた日が多かった8月は相当売上に貢献したと思います。2016年の8月の様に毎週台風が接近する夏もありました。ただそんな年があっても儲かるから毎年やりますということになるようです。

最近は屋根やパラソルを用意するビアガーデンも現れ、雨天に強くなりつつあります。

では実際にビアガーデンが儲かる仕組みを見て行きましょう。

儲かりの秘密①ビール会社が協賛

儲かる理由の一つにビール会社の協賛があります。彼らにとって夏のビアガーデンはかき入れ時です。ビールを売る為だったらビールサーバーの無償貸出などいといません。さらに、臨時の厨房施設の設置協力やオペレーションのアドバイスまでしてくれる存在です。まさにビール会社あってのビアガーデンなのです。

儲かりの秘密②席数に対し少ない料理人数

次に、料理人の数と厨房の広さを極限までカットできるところです。一般的なバイキングスタイルで料理を出すお店では決められた料理を順番に作って行けばよいわけですから、席数が200席や400席あってもそれほど大掛かりな厨房設備も料理人の数もいりません。

また、昨今は冷凍技術が進化しレンジで解凍すれば本格料理が食べられる時代となりました。中身はファミレスと大差ないほどです。

儲かりの秘密③席数に対し少ないホールの人数

三番目にホール人員の削減です。お客様が自分で料理を取りにゆくセルフスタイルなのでホールの店員は食べ終わった皿を下げるだけです。メインのビールでさえ飲み放題であればサイズを間違えなければ、お皿を下げた際にいくつのもテーブルからオーダーを伺ってまとめて運べます。より直線的な動線でオーダーと下膳時間の短縮が可能となります。

儲かりの秘密④安く抑えられた賃料

食材の無駄がなく人件費も抑えられることが儲かりのポイントだとお話しました。更に大きな要素があります。それは期間限定でスペースを借りる賃料にあります。

普段は屋上や広場としてお金を生まないスペースを借りるのですから一般的に言われる路面店の賃料に比べ3分の1程度かそれ以下で済みます。

先程の食材(F)、人件費(L)そして賃料(R)を合わせた対売上のFLR比率は通常60%~70%が一般的なのですが、40%前半ぐらいに抑えることが可能となります。

これにより売り上げのほぼ50%が粗利となります。雨が降る日数をを勘案しても一般の飲食店に比べても十分利益が出る計算です。

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ビアガーデンのオペレーション

この業態で一番難しいのが集客方法だと言います。宣伝の事ではありません。予約と当日客の関係です。

最近のビアガーデンは予約制が増えています。本来席数が多いだけに晴れた日の想定で食材を買い揃えても、雨の日が続けば無駄になる可能性が十分考えられます。そこでどのお店も事前に客数を確定させて食材の仕入れを調整するのですが、それを可能にしているのがスマホで予約ができる予約代行会社の存在です。

人が電話で受け付けていた時代と違い24時間お客様は予約が出来ます。とてもストレスなく予約が出来ます。ただ、雨が降ればキャンセルは大量に出ても、キャンセル料は発生しないというのが一般的のようです。その場合は、予約制と言えども当日客の受入れは積極的に行っているようです。

また、期間限定なだけにホールのスタッフはアルバイトが中心となり教育をする時間も限られています。従ってお客様から頂くクレームやご不満に対するナレッジが共有できないことが以前から指摘されています。

だからこそ限りなくお客様とホールスタッフの接点を減らす工夫がバイキングスタイルという結論となって出てくるのです。

~まとめ~

あるビアガーデンは開催期間の4ヶ月間で毎月メニューの全面刷新をしてリピーター獲得につとめています。アメリカン料理、アジアエスニック料理そしてヨーロッパ料理とがらりと内容を変えるなどの工夫は参考になるアイデアだと思います。

また、ビアガーデンと言えども多様化するアルコールの嗜好に対応すべくウイスキーハイボールや焼酎ハイボール、流行りの梅酒やワイン、昨今のアルコール離れの若者対策でソフトドリンクも充実した品ぞろえで対応しています。

言ってみれば、メインであるビール以外は全て今巷で人気のメニューや業態を持ち込んでいるのが現在のビアホールの実態です。

是非いくつかのビアホールを訪れて頂き今ウケている料理を食べて新しいメニューのヒントにして頂くのもよいでしょうし、同時に少人数で回す効率の良いホールマネジメントを参考になさって頂ければと思います。

飲食店にとってビアホールはまさに気付きの宝庫と呼べる存在なのです。

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