飲食店 儲かるビアガーデンをヒントにする

飲食店 儲かるビアガーデンをヒントにする

梅雨入りしたとはいえあまり雨の降らない東京。季節の風物詩ともいえる業態が今年もスタートしています。そうビアガーデンです。以前はデパートの屋上かニュー新橋、それから大型ホテルのまさに庭(ガーデン)が定番でした。最近では大規模な再開発の副産物として出現したピロティーや広場、公開空地を利用したビアガーデンも数多く催されるようになってきました。ビアガーデンを都会のオアシスと呼んだ人がいましたが、ひと夏に必ず一回は足を運ぶこの季節限定の飲食店。いくつかの仕組みを駆使して利益を出しているようです。今回は、考え抜かれたオペレーションを参考にして一般的な飲食店にも応用できそうなヒントを探ってみたいと思います。

ビアガーデン今昔物語

似た様な業態でも一年中お店を開いているのが、銀座の中央通りでも有名なビアホールと呼ばれるお店です。一方一年中オープンしているビアガーデンというのはあまり見かけません。つまりビアガーデンとは季節限定の業態であると言えます。さて、この季節限定の業態何時頃スタートしたのでしょうか。始まりは1953年の大阪のようです。この年号を聞いてなるほどと思った方は相当テレビ放送に詳しい方です。この年にNHKはテレビ放送を開始しています。初任給が5,000円という時代にテレビの受信機が30万円と言いますから、今の値段になおすと1200万円となります。この時ビアホールは高価なテレビを設置し、野球やプロレスなどの放送を集客装置として大繁盛したと言います。

現在はどうでしょう。当時のテレビに匹敵する集客装置はありません。それでも人を引き付ける工夫とはなんでしょうか。全国で開催されているビアガーデンを覗いてみるといくつかのヒントがありました。まずビールはその名の通りメインですからどこも共通です。一方提供する料理に知恵を絞りと工夫を凝らしています。例えば、イタリアンのメニューを中心としたものや本場ドイツ料理をメインに据えるもの、BBQなど肉料理と屋外ならではの炭火焼きをメインにするものなどいずれも料理に特色を持たせています。以前の様に枝豆に揚げ物でビールを飲ませる構成から料理を中心にビールを飲ませる構成に切り替わってきています。

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ビアガーデンは儲かるのか

結論から言えばハイリスク、ハイリターンの業態です。まず、晴れた日には多くの人出でにぎわいますが、雨が降った途端開店休業です。年間で100日以上雨が降る東京では一週間で2日~3日は雨が降る計算になります。昨年の様に6月はしっかりと梅雨の雨が降り、8月は毎週末台風と言った年は正直大変だろうと思います。ただそんな年があっても儲かるから毎年やりますということになるようです。その理由の一つにビール会社の協賛があります。彼らにとって見れば夏のビアガーデンはかき入れ時です。ビールを売る為だったらビールサーバーの無償貸出などいといません。さらに、スポンサーとして臨時の厨房施設の設置協力やオペレーションのアドバイスまでしてくれる存在です。この存在は大きいでしょう。またバイキングスタイルで料理を出すお店では決められた料理を順番に作って行けばよいわけですから、席数が200席や400席あってもそれほど大掛かりな厨房設備も料理人の数もいらないことになります。同時にお客様が自分で料理を取りにゆくセルフスタイルなのでホールの店員は食べ終わった皿を下げるだけです。メインのビールでさえ飲み放題であればサイズさえ間違えなければ、お皿を下げた際にいくつのもテーブルからオーダーを伺ってまとめて運べばいいのですから直線的な動線とオーダーでかかる時間の短縮が可能となりこちらも席数に比べて少ない人数で回せます。食材の無駄がなく人件費も抑えられることが儲かりのポイントのようです。もう一つ大きな要素があります。期間限定でスペースを借りる賃料にあります。普段は屋上や広場としてお金を生まないスペースを借りるのですから一般的に言われる路面店の賃料に比べ3分の1程度かそれ以下で済みます。先程の食材(F)、人件費(L)そして賃料(R)を合わせた対売上のFLR比率は通常60%~70%が一般的なのですが、おそらく40%前半ぐらいに抑えることが可能となります。つまり、ほぼ売り上げの50%が粗利となります。雨が降る日数をを勘案しても一般の飲食店よりまだ利益が出ます。

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ビアガーデンのオペレーション

この業態で一番難しいのが集客方法だと言います。宣伝の事ではありません。予約と当日客の関係です。最近のビアガーデンは予約制が増えています。本来席数が多いだけに晴れた日の想定で食材を買い揃えても、雨の日が続けば無駄になる可能性も十分考えられます。そこでどのお店も事前に客数を確定させて食材の仕入れを調整するのですが、それを可能にしているのがスマホで予約ができる予約代行会社の存在です。人が電話で受け付けていた時代と違い24時間お客様は予約が出来ます。とてもストレスなく予約が出来ます。ただ、雨が降ればキャンセルは大量に出ても、キャンセル料は発生しないというのが一般的のようです。その場合は、予約制と言えども当日客の受入れは積極的に行っているようです。また、期間限定なだけにホールのスタッフはアルバイトが中心となり教育をする時間も限られています。またお客様から頂くクレームやご不満に対するナレッジが共有できないことが以前から指摘されています。だからこそ限りなくお客様とホールスタッフの接点を減らす工夫がバイキングスタイルという結論となって出てくるのです。

あるビアガーデンは開催期間の4ヶ月間で毎月メニューの全面刷新をしてリピーター獲得につとめています。アメリカンにアジアエスニックそしてヨーロッパとがらりと内容を変えるなどの工夫は参考になるアイデアだと思います。また、ビアガーデンと言えども多様化するアルコールの嗜好に対応すべくウイスキーハイボールや焼酎ハイボール、流行りの梅酒やワイン、昨今のアルコール離れの若者対策でソフトドリンクも充実した品ぞろえで対応しています。言ってみれば、メインであるビール以外は全て今巷で人気のメニューや業態を持ち込んでいるのが現在のビアホールの実態なのです。是非いくつかのビアホールを訪れて頂き今ウケている料理を食べて新しいメニューのヒントにして頂いたり、少人数で回す効率の良いホールマネジメントを参考になさって頂ければと思います。まさにビアホールは気付きの宝庫と呼べる存在です。

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