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飲食店 改正健康増進法(受動喫煙法)令和2年4月義務化へ 対策は?

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飲食店 改正健康増進法(受動喫煙法)令和2年4月義務化へ 対策は?

平成29年3月熊本にある看護福祉大学より受動喫煙についてのアンケート結果が発表されました。対象となったのは20代から70代までの男女1万人で、全国を網羅しています。インターネットを使っての調査内容は意外な結果でした。

まず、他人が出すたばこの煙つまり受動喫煙について、「大いに不快」「少し不快」と感じた人の数は、たばこを吸わない人で90%にのぼり、たばこを吸う喫煙者でも45%に上ることが分かりました。続いて、たばこを吸わない人で月に1回以上受動喫煙を経験した場所はどこかの問いでは、飲食店が74%とダントツに1位で次いで路上が60%、遊技場が59%となっています。問題はこの次の結果です。

料理や飲み物、接客態度は優れているが喫煙可能だった飲食店が禁煙になったらどうするか」の問いでは、「使用回数が増える」と答えた人が4割を超えたのに対し「減る」と答えた人はわずかに1割でした。

平成28年に厚生労働省から発表された「受動喫煙防止対策の強化について」のたたき台は平成30年7月18日に参議院本会議で可決、これまで努力目標であった受動喫煙防止を義務化することになったのです。今回は令和2年4月全面施行の改正健康増進法いわゆる受動喫煙防止法の内容を整理してみたいと思います。

法案成立の背景

以前の記事でも取り上げましたが、たばこ規制の法制化は2020年に行われる東京オリンピック・パラリンピックの開催が大きく関わっています。オリンピックを主催する国際オリンピック委員会いわゆるIOCはWHO世界保健機構と組み健康増進の為にオリンピック開催地の屋内全面禁煙を強要しています。最近の大会でもソチ、リオ、ピョンチャンなど既に49ヶ国が法制化するなど、飲食店や公共の場所での完全禁煙は先進国の世界基準となりつつあります。そのようななかで現在の日本における受動喫煙の状態をWHOは「世界最低レベル」と指摘するほど残念な状態なのです。

知らないでは済まされない 飲食店「受動喫煙防止」対策 いよいよ罰則法制化へ

4つのカテゴリー

今回の改正法では大きく4つのカテゴリーに分かれています。それぞれに見てみましょう。

  1. 屋内禁煙(喫煙室設置可能)・・・飲食店・サービス業施設・事務所・ホテル・旅館
  2. 敷地内禁煙・・・病院・小学校・中学校・高校
  3. 屋内禁煙(喫煙所設置不可)・・・官公庁・大学・運動施設
  4. 全面禁煙・・・バス・タクシー

平成28年10月時にはなかった罰則規定が正式に盛り込まれました。

上記に違反した喫煙者で指導にも従わない場合は30万円以下の過料、違反者が施設管理者である場合は50万以下の過料となります。あくまでも指導つまり喫煙をやめるよう指導したにも拘わらず従わなかった悪質な喫煙者や施設管理者に対してということになります。

本気で考える分煙対策(小規模 飲食店舗 編)

例外はどこまで認められるのか

延べ床面積30平方メートル未満かつ資本金5,000万円未満の小規模な店舗で酒の提供がメインのスナック、バー

経過措置として、その店を利用する場合に「受動喫煙の可能性がある」ことを店頭に表示し、換気設備の設置を兼ね備えていれば喫煙は可能です。

但し、延べ床面積が30平方メートルの小規模店舗と言えども、ラーメン店や焼き鳥店など「未成年が利用する可能性のある店舗は原則禁煙」となります。その場合、店内に喫煙室の設置が出来なければ全面禁煙となります。

延べ床面積30平方メートル以上かつ資本金5,000万円以上の大規模な飲食店舗

既存店、新規開業店共に屋内は禁煙です。但し喫煙室の設置は認められました。

余談ですが、改正健康増進法の1ヶ月程前に成立した東京都の受動喫煙防止条例では、飲食店の喫煙をお店の規模ではなく従業員の有無で区分しています。例えば、従業員のいる飲食店舗は屋内禁煙とするものの、喫煙室の設置を可能としたり、従業員のいない飲食店では、標識の設置をすることで喫煙可とする措置を取っています。

また外資系コーヒーショップに見られるテラス席での喫煙風景ですが指定喫煙場所の指定をすれば喫煙可能になりました。

喫煙者の切り札と目されていたフィリップモリス社が2000億円以上も開発費をかけて開発した電気加熱式たばこアイコスや日本たばこ産業が出すブルーム・テックも今回規制対象となりましたが、喫煙室内に限り飲食しながらの使用を認めています。電気加熱式たばこが及ぼす受動喫煙に対する影響が十分にわからないことがその原因のようです。今後研究が進み健康への影響がないと分かれば政令で規制から外すと厚労省は言っています。

まとめ

今回の法案通過の前にたばこ業界では動きがありました。大手フィリップモリス社は規制対象となる電気加熱式たばこアイコスを扱う国内最大店舗を銀座にオープンさせています。これに合わせるかのように、今後紙たばこからの撤退を表明しています。同社の社長ポール・ライリー氏は2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでにこの新型たばこの割合を50%にまで引き上げるとコメントしています。

これまで、喫煙者とそうでない人の二つに分ける報道や理解が大半を占めていた受動喫煙ですが、冒頭のアンケートで興味深いデータが示されています。

飲食店を例外なく原則禁煙とする案についての是非を問う」質問に対し、賛成73%、反対はたったの9%であったとの結果です。

この数字皆さんはいかがお感じになりましたか。

飲食店が直面するリスクとは

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