飲食店 今一番気になる受動喫煙防止法 修正案の行方

飲食店 今一番気になる受動喫煙防止法 修正案の行方

平成29年3月の冒頭熊本にある看護福祉大学より受動喫煙についてのアンケート結果が発表されました。対象となったのは20代から70代までの男女1万人で、全国を網羅しています。インターネットを使っての調査内容は意外な結果でした。

まず、他人が出すたばこの煙つまり受動喫煙について、「大いに不快」「少し不快」と感じた人の数は、たばこを吸わない人で90%にのぼり、たばこを吸う喫煙者でも45%に上ることが分かりました。続いて、たばこを吸わない人で月に1回以上受動喫煙を経験した場所はどこかの問いでは、飲食店が74%とダントツに1位で次いで路上が60%、遊技場が59%となっています。問題はこの次の結果です。

料理や飲み物、接客態度は優れているが喫煙可能だった飲食店が禁煙になったらどうするか」の問いでは、「使用回数が増える」と答えた人が4割を超えたのに対し「減る」と答えた人はわずかに1割でした。

平成28年10月に厚生労働省から発表された「受動喫煙防止対策の強化について」のたたき台は平成29年3月に国会への法案提出に向けより具体的な内容が明らかになってきました。今回はほぼ最終案に近い受動喫煙防止法の修正内容を整理してみたいと思います。

法案成立の背景

以前の記事でも取り上げましたが、たばこ規制の法制化は2020年に行われる東京オリンピック・パラリンピックの開催が原因と言われています。オリンピックを主催する国際オリンピック委員会いわゆるIOCはWHO世界保健機構と組み健康増進の為にオリンピック開催地の屋内全面禁煙を強要しています。最近の大会でもソチ、リオ、来年のピョンチャンなど既に49ヶ国が法制化するなど、飲食店や公共の場所での完全禁煙は先進国の世界基準となりつつあります。そのようななかで現在の日本における受動喫煙の状態をWHOは「世界最低レベル」と指摘するほど残念な状態です。

知らないでは済まされない 飲食店「受動喫煙防止」対策 いよいよ罰則法制化へ

4つのカテゴリー

今回厚生労働省が示した案では4つのカテゴリーに大きく分かれています。それぞれに見てみましょう。

1.屋内禁煙(喫煙室設置可能)

飲食店・サービス業施設・事務所・ホテル・旅館

2.敷地内禁煙

病院・小学校・中学校・高校

3.屋内禁煙(喫煙所設置不可)

官公庁・大学・運動施設

4.全面禁煙

バス・タクシー

平成28年10月時にはなかった罰則規定が今回は盛り込まれています。

上記に違反した喫煙者で指導にも従わない場合は30万円以下の過料、違反者が施設管理者である場合は50万以下の過料となります。あくまでも指導つまり喫煙をやめるよう指導したにも拘わらず従わなかった悪質な喫煙者や施設管理者に対してということになります。

本気で考える分煙対策(小規模 飲食店舗 編)

例外はどこまで認められるのか

ここからが一番知りたい部分だと思います。与党、野党含めいろいろな議員さん達が思い思いの持論を展開していて多少混乱気味の部分ですがちゃんと整理しましょう。

延べ床面積30平方メートル以下の小規模な店舗で酒の提供がメインのスナック、バー

但し書きがあります。その店を利用する場合に受動喫煙の可能性があることを店頭に表示しなければならないことと換気設備の設置を義務づけています。さらに大きなポイントがあります。延べ床面積が30平方メートルの小規模店舗と言えども、ラーメン店や焼き鳥店など「未成年が利用する可能性のある店舗は原則禁煙」となります。その場合、店内に喫煙室の設置が出来なければ全面禁煙となります。

この延べ床面積30平方メートルというのもまた曲者です。坪数で言えば約9坪、客席部分を指すのかと思いきや延べ床面積となっています。つまり厨房やトイレも含めた面積です。ラーメン店なら10席作れるかどうかぐらいの大きさに喫煙室を作れというのは不可能な話です。一体厚労省は何を考えているのかと思うばかりです。

一部外資系コーヒーショップに見られるテラス席での喫煙風景ですがこれもアウトで禁煙となります。

喫煙者の切り札と目されていたフィリップモリス社が2000億円以上も開発費をかけて開発した電気加熱式たばこアイコスや日本たばこ産業が出すブルーム・テックも今回規制対象となりました。どうやら電気加熱式たばこが及ぼす受動喫煙に対する影響が十分にわからないことがその原因のようです。今後研究が進み健康への影響がないと分かれば政令で規制から外すと厚労省は言っています。

喫煙場所はどこに

こうなるとたばこが吸える場所はどこなのかと聞きたくなりますが、よく見るとおかしな抜け道が存在します。先程学校・病院は敷地内禁煙、大学・官公庁は屋内禁煙で喫煙室は認めないと言っておきながら、「既に存在する喫煙室については一定の基準を満たせば5年間存続を認める」という内容が列記されています。法制化する側が自分たちに都合のいい内容をこっそり潜り込ませたような感じがしないでもありません。

また、たばこが目的のシガーバーや旅館・ホテル・老人福祉施設の「個室」内は喫煙できることとされています。

今回の厚生労働省の発表と前後してたばこ業界でも動きがありました。その発表の翌日フィリップモリス社は規制対象となる電気加熱式たばこアイコスを扱う国内最大店舗を銀座にオープンさせています。これに合わせるかのように、今後紙たばこからの撤退を表明しています。同社の社長ポール・ライリー氏は2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでにこの新型たばこの割合を50%にまで引き上げるとコメントしています。

これまで、喫煙者とそうでない人の二つに分ける報道や理解が大半を占めていた受動喫煙ですが、冒頭のアンケートで興味深いデータが示されています。

飲食店を例外なく原則禁煙とする案についての是非を問う」質問に対し、賛成73%、反対はたったの9%であったとの結果です。

皆さんはいかがお感じになりましたかこの数字を。

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