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飲食店キャッシュレスの導入実態を調査~未導入店舗の今後を考える~

飲食店-キャッシュレス

Photo credit sniggie on Visualhunt

今からたった5年ほど前の2017年当時、飲食店でのクレジットカードの普及率は僅か20%程とのレポートがありました。当時はまだキャッシュレスといってもクレジットカードか交通系電子マネー、一部の非交通系電子マネーしかなく、〇〇Pay系などバーコード決済はほとんど利用されていませんでした。

ところが、大手が参入した○○Payは、手数料をゼロとすることで一気に飲食店を含む決済手段として台頭し、今では見かけない方が少なくなった感さえあります。この急速な流れを経済産業省商務サービスグループが2021年7月に行ったキャッシュレス決済 実態調査アンケートの集計結果としてレポートしています。

今回はこれらの資料を参考に飲食店業界におけるキャッシュレス化の実態をひも解いてみたいと思います。

Contents

飲食店におけるキャッシュレスの普及率

まず、飲食店全体でキャッシュレスを導入している割合が85%とレポートされています。かなりの飲食店舗で導入が進んでいることが見て取れます。利用する客層つまり客単価でみると1,000円から10,000円未満での利用率が最も高くなっています。

確かにラーメン店や立ち食いそばでは券売機が多いのと、対面で現金というのもまだまだ多くあるのが現実です。

これまで商店街の定食屋さんの出前や街のお寿司屋さんは概ね現金払いが基本でしたが、ウーバーなどの出前代行がコロナで増えたことでこちらはかなりの割合でキャッシュレス化が進んだようです。。

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4つのキャッシュレス方法で異なる導入割合

飲食店ですべてのキャッシュレス対応が出来ているかと言えばそうではありません。各決済方法でどれほど差がついているのか見てみます。

【導入状況】

  • クレジットカード・・・58%
  • 交通系電子マネー・・・33%
  • 非交通系電子マネー・・・32%
  • コード決済・・・68%

これまで主流であったクレジットカードがコード決済つまり〇〇Payに主役の座を奪われた結果となっています。

これを地域別にみてみると、クレジットカード、交通系、非交通系の3つについて導入の差異はどのエリアでも同じような数字ですが、コード決済に限って言うと、中国・四国地方で高い導入率となっています。

キャッシュレス導入と未導入を分けるものは

キャッシュレス決済を決めた理由がレポートされています。これによると2つのポイントが浮かび上がります。一つは決済時にかかる手数料。もう一つは入金サイクル(月回数)。

手数料は、0%台から5%以上迄幅広くありますが、導入を決めた飲食業者では、

  • 0%台・・・25%
  • 1%台前半・・・23%

このレンジでほぼ半数を占めています。

もう一つ入金サイクルはどうでしょうか。

  • 月1回(手数料無料)・・・36%
  • 月2回(手数料無料)・・・28%

この2つのレンジで6割を超えています。

逆にキャッシュレス決済を導入しなかった飲食店はどのような理由からなのか見てみましょう。ポイントは2つ。

  • 手数料が高い・・・23.6%
  • 入金サイクルが遅くて困る・・・14.5%
  • 導入のメリットが実感できない・・・13.6%

飲食店では客単価に閉める利益率が10%前後と言われるなかで、数%の手数料は高いと言わざるを得ない。また日々の資金繰りの中で、仕入れにあてるキャッシュは貴重であることもよく知られている。

既にリピート客がついているような安定経営が出来ている飲食店ほど導入に二の足を踏む傾向が出ているものと考えられる。

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キャッシュレスは販売促進ツールとなりえるか

2つのポイントが販促ツーとしてのメリットを感じるユーザーが存在します。

一つは、ユーザー側がコード決済とクレジットカードやキャッシュカードと紐付け、決済金額に応じたポイントを取得することでお得感が生まれるという仕組みにあります。現金だけではいくら使っていもポイントは溜まりませんが決済方法を変えることでポイントは常に溜まるようになるからです。

もう一つは、2020年年はじめから始まるコロナウイルスに対する感染要望がキッカケとなっています。飲食店を始めどこへ行くにもアルコール消毒が日常となった今、だれが触ったか分からない紙幣やコインを触りたくないという人が増えたことにより一気に増えたと考えられています。

~まとめ~

今後月日が経ち、コロナ感染がインフルエンザ並みになったとしても、すべての現金がなくなるわけでなく、飲食店での支払方法は現金を含めいくつかのバリエーションをもって運営されていくものと思われます。

例えば、個人で利用するランチなどは、現金、キャッシュレスの混合でしょうし、団体で利用する際は、会費制の場合現金での精算だったり、金額によって使い分けることが便利と感じられるようになるでしょう。

何れ頭打ちとなるキャッシュレス業者は、導入費用を無料にして新たな飲食店開拓を始めるでしょうし、その後は手数料のディスカウントと続くものと思われます。そうなれば、今は迷っている飲食店もいずれ導入となり、どのエリアにいっても首都圏同様の決済手続きが取れるようになるにはそう時間はかからないと思われます。

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