飲食店の閉店 知らなかったでは済まされない届出・手続きとは

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photocredit:pakutaso

飲食店の閉店 知らなかったでは済まされない届出・手続とは

飲食店を閉店するタイミングは人それぞれ違います。解約予告期間に従って数ヶ月の時間の中でその時をむかえる方、急に実家に帰らなければならなくなり慌ててお店を人に譲ることとなった方、体調を崩されてお店に立てなくなる方など様々です。

閉店を決意した時から閉店まで時間があるとないに拘わらず、必要な届出、手続きがあります。なかには手続きを忘れて放置してしまい後から請求が来てしまっただとか呼び出し状が届いただとか聞いたことがあります。実は、飲食店を閉店する為には、開店時に行った届出や手続きと同じかそれ以上の必要が生じてきます。

今回は、閉店時で気持ちがあがらない中であっても必ず行わなければならない手続きについて考えて見たいと思います。

借入金がある場合

お店を開店する際に国民政策金融公庫や保証協会で融資を受ける方は大勢いらっしゃいます。万が一、返済期間中に閉店を余儀なくされる場合は仮に月々の支払いを閉店後も払い続けることが出来たとしても必ず金融機関の窓口を尋ねて事情を説明してください。なぜなら、融資の対象がなくなるわけですからお金を借りた趣旨と異なるからです。だからと言って直ぐに残額を一括返済しろとはなりません。

なぜ報告をした方がいいのかと言えば、先々飲食店を再開する際にプラスになるからです。もし事情があって閉店したにも拘わらず月々の支払いを怠らず完済していれば次に融資を申し込んだ際非常に有利に評価してもらえます。もし、なにも言わずに閉店し返済が滞ることにでもなれば結果がどうなるか想像に難くないと思います。

リース契約がある場合

長年飲食店を経営なさって来た方で借入金などの借金はないけど、古くなったエアコンや4ドア冷凍冷蔵庫をリースで新たに入れ替えているという方は結構多いと思います。月々の金額があまり負担でない分ついその残債を忘れがちなリース。調べてみたらリースの残債が100万単位で残っていたというのもザラにあります。

当然ですが、お店を閉店する場合リースの清算を行う必要があります。実はリースを勘違いなさっている方が相当数いらっしゃいます。それは、リースの残額があってもリースしている機器自体をリース会社に返せば後は残債分を払わなくていいと信じている方です。これでは、リースとレンタルの意味を混同しています。一定期間使用料を払い必要無くなれば返還するのがレンタルですが、リースはリース会社に希望の機器を新品で購入させその代金を長期に渡って分割払いをする割賦契約の様なものです。ですので、その機器を返したからと言って支払いが免除されるわけではありませんから勘違いなさらないでください。

実際、閉店をする際に残債が多く一括で清算することが不可能な場合も数多くあります。そのような時はどうすればよいのでしょうか。リース会社も一括返済が不可能だと分かれば別の方法で提案をしてくるでしょう。例えば、リース対象となった機器をリース会社が引き上げたあとでも毎月のリース料を満額になるまで払い続ける金銭消費貸借契約の様な扱いです。そもそもリース自体がお金を貸して分割払いをする代わりに機器を貸してその代金を分割払いするわけですからファイナンスといってもいい仕組みだからです。

稀に、リース物品を売って返済の足しにしたいと考える方がいますが、そもそもリース機器の所有権はリース会社に帰属していますので第三者に転売は不可能です。居抜き店舗を売買する現場でリース物品であることを告げずに内装や厨房機器の売買契約を結び後でトラブルになることがあります。リース機器は勝手に売れないどころかリース会社が引き上げてしまうことを忘れないでください。

閉店する飲食店 廃業原因はこれだ

解約通知(解約届の提出)

賃貸借の契約上、借りた物件を返す場合書面による解約通知が必要と書かれていることが殆どです。この解約通知を提出した瞬間から解約予告期間という時間がスタートします。これは、マンションやアパートでも1ヶ月前に告知しなさいと書かれていることと同じ内容なのですが、事業用であり飲食店舗物件の場合3ヶ月から長いもので8ヶ月となっています。逆に言えば、その期間は飲食店舗として使用してもお店を閉店しても家賃を払い続けなければいけない期間なのです。

もし居抜きで次の方に引き継ぎたいと考えるなら解約届は出さず話を進める方が無難です。次にお店を引き継いでくれる方が現れてから管理会社や大家さんを尋ねるやり方です。なぜなら、解約届を出してしまった後で、居抜きによる引き継ぎが上手くいかなかった場合、予告期間が切れてしまえば明渡しをして出て行かなければならなくなります。そうなると売れるはずの店舗資産も売れなくなるばかりか原状回復工事をやって出て行ってくれとなりかねません。そうなれば金銭的に大変厳しい状況に追い込まれてしまいます。

各種行政機関への届出

 保健所

飲食店を経営していたにも関わらず、閉店、廃業の際に保健所に行かない方が多いと聞きます。開業をする際は保健所の許可がないと営業出来ないわけですから最初に届出をする必要があるのですが閉店、廃業時も同様に届出が必要です。

営業をしなくなった時から10日以内」に届出をすることになっています。

 警察署

風俗営業許可を得ている場合(スナック、キャバレー等)はお店を営業しなくなった時から、「遅滞なく許可証の返納を所轄の生活安全課に行う」よう義務づけられています。これを怠ると30万円の罰金に処せられる可能性がありますので気を付けて下さい。

もう一つ、深夜酒類提供飲食店営業の開始届を提出し、深夜営業をしていた飲食店は、その廃止から10日以内に届けるよう義務付けられています。こちらは罰則がありませんが必ず提出するようにしてください。

 消防署

飲食店の開業時に、飲食店舗の工事が終わり(居抜きの場合でも同様です)「防火管理者選任届」と「防火対象設備使用開始届」を提出しますが、防火管理者については、廃業した日を解任日として届けることになっています。但し、保健所や警察署の様に何日までにという決まりはありません。

これに対し、防火対象設備使用開始届は、内装業者が店舗オーナーに代わって提出している場合が多い為出した記憶がないという方が殆どだと思います。こちらは特に使用停止届の様なものはないのでご安心ください。

 税務署

こちらも確実に届出の必要があります。これを怠ると税務署からの書類が追いかけてきます。

個人事業の場合についてお話すると、

「所得税の申告」関して廃業届が必要・・・廃業から1ヶ月以内

「消費税など課税事業者」の場合、事業廃止届が必要・・・速やかに届出

「青色申告」の承認を受けている場合・・・青色申告を取りやめようとする年の翌年3月15日まで

手続きをせずに閉店、廃業をした場合後日追徴課税など通知がくる場合があります。同様に、雇用保険などの申請を行っていた場合などは従業員やご家族にも影響が出ますのでちゃんと手続きをお願いします。

 公共機関(電気・ガス・水道)

前もって、解約日(契約の最終日)を電話で告げることで完了します。これを忘れると使用量は発生しなくとも基本料金は発生してしまいます。少額だからと甘く見て放置する方がいますが、追徴金など大変なことになりますので忘れずに手続きをしてください。幸いにして、次にその飲食店を引き継ぐ方や新規の契約をする方が各公共機関に使用開始の連絡をした時点で各公共機関から確認の連絡が来ることもあります。

次々と閉店している飲食店には6つの法則がある

レンタル品の返還

飲食店を閉店する際に放置されることの多いレンタル品。返却の手続きをしなかったばかりに、レンタル品が捨てられてしまい高額の料金を請求されることもあります。

ビールサーバー、おしぼりウォーマー、BGMの音響設備、グリスフィルター、玄関マットなどが一般的です。毎月月末支払いで請求書が来ているはずです。そこにある連絡先に電話を入れ、閉店後引き取りに来てもらう日を決めましょう。

たまに、閉店の打合せをしている時に自社のレンタル品だと言って引き上げて行く会社もあります。もし居抜きで売却した後であればトラブルの元になります。早めに連絡しましょう。

取引先各社

食材やお酒と言った仕入れ業者への連絡も必ず行いましょう。ただ、それまで仕入れ月の翌月払いだった支払条件が当月払いになっただとか、ひどいケースでは現金と引き換えでないと品物を届けないと言われたなどということが頻発しているようです。彼らは、売掛金の未払いリスクを出来るだけ減らしたいだけですから事情を説明して安心させることが大事です。本当に営業不振で閉店するような場合は、彼らの要求もやむを得ないとあきらめる必要はあります。そうならないことを願っております。

やる気と希望に満ちた開業準備と違い低いモチベーションで行う手続きは相当大変だと思います。誰しも面倒で無視したくなる気持ちになりがちです。しかし最後の気持ちを振り絞って手続きを行えば次の希望が必ず湧いてくるはずです。

閉店にはいろいろな事情がありますが、何人もの方が数年後にリベンジをはたして飲食店を再開されています。そんな時に前の閉店時にちゃんと手続きが行われていないと面倒なことになりかねません。今後マイナンバーが普及すればたちどころに分かってしまいます。飛ぶ鳥後を濁さずと覚えておいてください。

最近閉店をした飲食店舗 7つの理由

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