7つの実話でわかる 飲食店の閉店理由とは

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7つの実話でわかる 飲食店の閉店理由とは

飲食店舗を経営されている方々からお店を閉店なさりたいと数多くのご相談を承って参りました。一つとして同じ悩みはないのですが、数が重なって参りますとやはりある傾向が出て参ります。このお話をすると、いろいろな理由はあっても結局は営業不振だったんじゃないの?というようなご指摘を受けます。逆に閉店理由全体からみると経営不振でお店を辞めたいという方のほうが少数派の様に思います。

これからここに登場される7名の飲食店経営者の皆さんですが、プライバシーを守る為に、少々曖昧な表現や多少異なる数字を引用致します。お許しを頂き進めさせていただきたいと思います。

今回の内容は、興味本位ではなく同じ悩みを持ちつつガンバッテお店を続けてらっしゃる皆さんに同じ境遇の方が何人もいらっしゃるということを知って頂き少しでも前に進む力に変えて頂ければと思っております。

ご自身の病による閉店

episode1

山手線の中でもとりわけアジアの賑わいが強い駅から歩いて数分のところに長年繁盛してこられた居酒屋があります。10坪ほどのお店ですがご主人の人柄にほれ込んだ常連さんで連日盛況です。ここのご主人Aさんは、数年前から癌の告知を受けていたそうですが、その明るい性格からお客様や従業員にも知らせることなく体が許す限り頑張ってこられました。月に一度水道メーターの検針に訪れる大家さんは必ず声を掛けるようにしてこられたようですが、それでもご主人の異変に気付かなかったとお話しされています。今年に入り体力が落ち始めお店には週3日ほどしか立てないまでになり、入院が決まったことをキッカケに閉店準備に入られました。

episode2

乗降客が日本一の駅近くに居酒屋を構えるBさん。若いころからの不摂生がたたり糖尿病に罹患されてしまいました。これまで、買い出しから仕込み、後片付け迄全てをお一人でこなしてこられました。本来糖尿病はインスリンの投与を定期的に行えば病状は悪化しないのですが、客商売でしかも夜遅い不規則な仕事は、その時間さえも奪ってゆき徐々に毛細血管を蝕みBさんから視力を奪い始めたのです。ご本人はムリすればまだまだ人に迷惑を掛けずに済むと仰ってはいたものの、病状はBさんの足にまで障害が出始め見かねたご家族から引退の最後通牒を突き付けられることとなったのです。

episode3

渋谷にほど近い場所にある人気ラーメン店のご主人Cさんの話です。そのお店はカウンターだけの11席にもかかわらず月に200万円以上を売り上げる繁盛店でした。アルバイトも常に4人でシフトを組む態勢で切り盛りしていたのですが、あまりにも忙しく肉体的にハードな為雇い入れたアルバイトがすぐやめてしまうと言います。それでも月に数十万もの広告費をアルバイト雑誌に払い募集を常にしていたそうですが、ある時期アルバイトが1人にまで減ってしまい補充が出来なくなったそうです。ただでさえハードな仕事のしわ寄せは最後のアルバイトにのしかかりとうとう現場で倒れてしまったと言います。Cさんはなんとかお店を一人で回していたそうですが、限界はすぐに訪れて、ある朝お店の椅子で仮眠をとっていた状態から起き上がれなくなり、救急車に助けを求めたそうです。過労と診断されその後いったんは回復するのですが、目まいや頭痛に悩まされる日が続きこのまま店を続けることを断念されたと言います。

【保存版】 飲食店舗閉店の実務 ~ 届出 と 手続き ~

ご家族の介護による閉店

episode4

若くして大手広告代理店を退職し、退職金でお好み焼き店を始めたDさん。お店は15坪に満たないのですが、白を基調とした一見イタリアンかフレンチのお店と見紛う造りです。こちらのお店は、広告代理店時代のお得意様が接待でご利用いただくようなお店で、お好み焼きはさほど値が張るものではない代わりに、飲み物として供されるボルドーのお値段が1本5万円もする高級ワインが売りのお店でした。特に宣伝をすることもなく、毎日予約で適度に席が埋まる営業状況だった言います。しかしDさんは地方出身の一人っ子。故郷に高齢のお母さんを一人おいて上京されていたのです。Dさんご本人も40代後半になりお母さんのことが気になり始めたころ、お母さんに事件が起きます。誤って転んだ際に骨折をしてしまったと連絡が入ったそうです。お怪我をされたのが足だったこともあり少々長く入院されたといいます。無事完治してご自宅に帰る頃に突然アルツハイマーの症状が出始めたそうです。医師からは、誰かがそばにいないと危険な事態になりかねないと告げられたとも言います。とは言え当座は大丈夫だろうと毎日電話を欠かさずしていたそうですが、その進行に心配を抱き閉店を決意されました。

episode5

ビジネス街の2階で洋食店を営むEさん。まだお若くこれからという方です。昼ともなれば、階段に行列ができるほどの盛況ぶりです。ところがその知らせは突然舞い込んだそうです。田舎に残してきたお父さんが脳卒中で突然倒れ介護の為に帰らなくてはならなくなったのです。お会いしたその日にお店の鍵を預かり総ての処理は任せるからあとは携帯電話とメールのやり取りで何とかして欲しいという切羽詰まった内容でした。

歳なので引退したい

episode6

そのイタリアンのお店は、度々雑誌に取り上げられる有名店で、お店正面の大きなガラスの前には深紅のイタリアンバイクが止まっていました。その地で20年の長きにわたり営業され、週末は予約でいっぱいになる店です。ただ、オーナーであるFさんは寄る年波には勝てないと閉店なさりたい旨ご相談を受けました。お会いすると60代とはいえお若く見るFさん、歳を気にするには早いのではと伺ってみると、ご自宅からお店まで毎日バイクで30kmの道のりを深紅のバイクで通われているそうです。さすがに毎日は大変だということと、公共の交通機関を使うとなると毎朝始発に近い電車に乗ることになるそうでこれも大変だということです。今の店を誰かに任せると言っても20年近くやって来たお店はあちらこちら傷みが出てきておりそれも難しそうだいうことで引退、閉店を決意されました。

episode7

Fさん同様にマンモス団地に近い場所で20年以上お店を続けて来られた食堂経営のGさん。お客様は古くからの常連さんばかりで、マンション分譲当時からのお客様と伺いました。Gさん同様常連のお客様も高齢になられているそうです。Gさん自体はいたって健康でまだまだお店を続ける気力はあると言います。しかしながら問題は、厨房機器です。これまでだましだまし使い続けてきた厨房機器が悲鳴を上げ始め順番に壊れ始めたというのです。修理費を掛けて直すのか、買い替えるのか悩むうちに今度は空調機まで壊れてしまい決断の時を迎えたといいます。その結果はこうでした。厨房機器、空調をすべて修理するか買い替えるかして数百万のお金を払うか、リースを組んで月々少しづつ支払うかどちらにしてもこの先自分が厨房に立てる時間を考えた場合せいぜい5年ぐらいだろうと考えたそうです。となれば元が取れない投資となってしまうので閉店、引退を決断されたといいます。

今回ご紹介した7名の飲食店経営者の皆さんですが、一様に無念さがにじみ出たお話となりました。またお店を閉めようと思い契約書を初めて読み返したとこれも皆さん一様におっしゃられています。そこで、原状回復義務条項でお店をスケルトンにしなければならないことや、

飲食店 閉店時の原状回復工事を考える

Eさんの様に切羽詰まった状態の人にも解約予告期間という無情にも3ヶ月から6ヶ月という家賃支払い期間の存在に目がくらむ思いだったと言います。少なくとも皆さんが居抜きという言葉をご存知でご相談いただけたからこそ金銭的にも物理的にも大変なことにならずに済んだのは事実あります。管理会社様や大家様の意向は確かに大事ですが、同じような事情を抱える方々の一助となれるよう居抜きという取引がもっとメジャーになることを願ってやみません。

【お店を閉めたい】飲食店を居抜きのまま閉店する方法とは

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