飲食店テナント 期待した客層と異なるトラブル対策

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飲食店入居可能な賃貸物件を所有されている大家さんにとって一番気になるのは賃料の事だと思います。二番目に気になるのはどの様な業種の飲食店が入られるかということではないでしょうか。例えば、重飲食は誘致しないでください。軽飲食でもメイドカフェは避けて下さいといくつも注文がつくことがあります。不動産会社や管理会社としてはダメ業種がハッキリしていれば営業上あまり支障をきたすことはありません。逆に申込をしてきたお客様毎に判断をしますと言われる方が苦労するといいます。何故なら、彼らに選択の余地がない分、申込をしてこられたお客様にコメントのしようが無いからです。

さて、人気の立地にある飲食店入居可能物件は、いくつもの申込を集め大家さんが一番気に入った業種で決まります。逆に不人気な立地であれば大家さんが不本意でも妥協して業種をきめるという結果になります。一見どこにでもある話の様に思われますが、営業開始後意外な問題に発展することがあります。今回は営業を始めてから大家さんがこんなハズではなかったとトラブルになる事例についてその防止策ともども考えてみたいと思います。

飲食店テナントの営業時間に対する大家さんの悩み

入居後起こる大家さんと飲食店テナントのトラブルとは

まず、トラブルとはどのようなものを指すのかピンとこない方の為に、入居後に大家さんと飲食店テナントの間で実際に起きた例を見てみたいと思います。

重飲食不可物件なのに入ったテナントは

臭いや煙を嫌がる大家さんが募集時につける条件です。上層階が住居だったり、ご自身が住んでらっしゃる事がほとんどです。そんな物件に仲介会社は、エスニック料理のお店だと言ってテナントを連れて来たそうです。大家さんが具体的な料理を訊ねたところ、一部カレーを使う料理はあるものの重飲食という業態ではないとの回答だったそうです。それだったらと入居を許可したところ実際のお店はエスニック料理の名前は掲げているものの、実態はカレー店だったといいます。大家さんは騙されたと気付いても今更出てゆけと言えず我慢の日々を送られています。

高級店のはずが

建物のイメージを重んずる大家さんは、飲食店テナントに高級店とまでは言わないまでも品のいい落ち着いた店づくりをしてくれるテナントに入って欲しいと望んでいました。運よく客単価が高めのお酒や素材にこだわりのある和食店に入ってもらうことが出来たそうです。飲食店のご主人は有名店で修業をし腕に自信があったのかオープン後も目立った宣伝をしてこなかったといいます。大家さんも時々利用するそのお店、いつ行っても客が少なく心配をしていたそうです。変化は徐々に表れ始めます。

オープンから半年が過ぎる頃から明らかに変化が現れたそうです。それまで店の軒先には何もなかったのにA型看板が出されるようになり、続いてガラス面や壁面におススメ料理の宣伝が張られるようになったといいます。極めつけがノボリを置き始めたことだったといいます。さすがにおかしいと感じた大家さん、お店を訪ねてみたところ、お店の雰囲気が全く変わっていて、立ち飲み酒場の様になっていたといいます。客単価も大きく下がっていて、入っているお客様の雰囲気も依然と随分変わったと言います。夜遅の営業では、酔った客の声で住人からクレームが出るようになり困ってらっしゃいます。

突然業態変更と言われても

和食割烹としてご入居頂いた飲食店でのお話です。2年程営業をした後、管理会社を通じて業態変更のお願いが来たといいます。理由を聞いてみると、和食割烹のお店はそこそこ売上があるもののこれ以上続けても売上が伸びそうにないので、内装をいかして餃子バルに業態変更したいというものだったそうです。大家さんは、営業が大変なら仕方ないと承諾をしたそうですが、後で送られてきたパースを見てびっくりしたと言います。それまでなかった真っ赤なオーニング(庇)に大きな提灯、入口の壁も取り払いビニールで仕切られるだけの簡素な造りに変わったそうです。それまでのお客様と違い若い世代のグループやカジュアルな服装のお客様ばかりになり2階に入る洒落たイタリアンのお店からは、これまで来てくれた常連客の脚が遠のいたとクレームが入ったそうです。

飲食店申込 大家さんに選ばれる「事業計画書」の書き方

飲食店テナントと客層でトラブルにならない為には

賃貸借契約を締結し、工事も終わりお店がスタートしてしまうと最初に大家さんが抱いていたイメージと違う内容だと分かっても後の祭りです。改善してもらうことは至難の業です。ではそうならない為に大家さんはどうすればよいのでしょうか。

以下の3つの要素を押さえておくことでほぼ防ぐことが出来ます。

使用目的

契約書の中には、賃貸室をただ飲食店舗として貸すとだけ書かれているものがあります。極端な話、飲食店なら何でもよいことになります。それが最初に口約束で業種の縛りがあると聞いていてもです。だからこそ飲食店としてどのような業種に貸すのか具体的に明記しましょう。また、使用目的を変更する際は、「事前に大家さんの書面による了解をとるもの」としておきましょう。

事業計画書

文中にもありましたが、飲食店テナントとして契約をする前や業態変更をする際には必ずこの事業計画書を義務付けましょう。内装は同じでもお客様に供される料理の内容が変わればそれはもう業態変換に等しいといえます。最初に提出された内容で許可をしたのだからとその後の改善を要求する拠りどころとなります。

看板デザインの制限

意外とトラブルになりやすいのがお店の外に出す看板のデザインです。どなたも経験的にお分かりの様に、人目を引く色や電飾の看板に高級店はまずありません。つまり、高級店にすると言いながらチープなデザインを持ってくる時点でトラブルの始まりが見えています。看板や外回りのファサートをいじる場合は事前にデザインを提出させ、大家さんの書面による承諾がない限り工事をしてはならないと契約書に書いておきましょう。

1階に重飲食がテナントとして入った為に上層階の住人が出て行ってしまった、その空室を埋める為に賃料を安く設定せざるを得なかったといった実例や、複数店入居される建物で、客層が異なる飲食店テナントが入ったことで、これまでより客単価の安い客層にテナント全体がぴっぱられてゆきます。結果、賃料水準を落とさないと次のテナントが決まりずらいと言った声も大家さんからは聞こえてきます。お分かりの様に、契約を締結するまさに水際で勝負が分かれます。大家さんは、飲食店に特化した契約条文の検討をされることをお薦めします。

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