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廃業しない飲食店の仕組みはたった3つの要素だった!マクドナルドを参考に

飲食店-潰れない-繁盛

Photo credit: yto on VisualHunt.com / CC BY

マクドナルドを創業したレイ・クロックは、ハンバーガーショップをチェーン展開しアメリカ全土で成功させるために一つの理念を作り出しました。それが「QSC+V」でした。ご存知の方も多いかと思いますが、簡単に説明します。

Q=Quality(品質)どの店で食べても同じ美味しさが保たれている。   S=Service(サービス)接客態度、言葉使い、状況判断が守られている。 C=Cleanliness(清潔)どのお店も同じ清潔さが保たれていること。   V=Value(価値のある場所)美味しい、清潔以上にお客様を惹きつける魅力

その基準とは毎日がオープン日というものでした。この理念のもとマクドナルドは世界に広がっていったのです。

さて、それがどうしたとお思いになったかもしれません。逆に目指すところはシンプルという見方もできます。

つまり飲食業であるなら提供する料理が美味しいと言うのはある意味当たり前のことです。これをいかに商売として成立させるかというのはまた別の次元の話だとこの理念は言っています。

今回は、飲食店が廃業しない(成り立ってゆく)為にあるべき仕組みについて考えます。

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Contents

飲食店が廃業しない為の3つの要素

レイ・クロックがあげたのは「品質、サービス、清潔、価値」の4つでした。確かに重要な要素ですが、この前提がフランチャイズということで原材料や資金計画などは本部が全て管理することになります。

だからこそ、現場のオペレーションの大事さが求められています。つまり、個人で飲食店を経営して行く際にレイ・クロックの提唱する4つの要素は大変参考にはなりますが、必ずしも本質ではないとわかります。

さて、FC本部が現場オペレーション以外に気を付けていることが実は大変参考になる要素であるとわかります。それが以下の3点です。

  1. 原価管理
  2. 中期売上目標
  3. 売上検証

それぞれに見て行きましょう。

1.原価管理

飲食店舗の1丁目1番地です。飲食店ですから美味しいものを提供しよう、その対価として利益を得ると言うのが飲食業です。

同じ料理でも安く食べられるものもあれば高級素材を使って出されるものまで様々です。マクドナルドのハンバーガー一つとっても170円のものから1,000円を超えるものまで価格に幅があります。なぜこのように幅があるのかと言えば、ターゲットとしている客層が違うからです。

170円のハンバーガーは高校生や小さな子供向けに用意されたものでしょうし、1,000円を超えるハンバーガーは外資系企業が集まる場所のエグゼクティブ向けです。使用する肉の価格が違うのは勿論のこと、レタスやピクルス、バンズに至るまですべてにグレードと原価が異なります。また、単品での価格設定にするのかフレンチフライやドリンクのセットでの提供にして価格設定をするのかで原価は大きく変わってきます。

比較的メニューが少ない専門店に比べ居酒屋、レストラントともなればメニュー数は30~40品目はゆうにあります。なぜなら飲食店側は、数多くのメニューがあるからこそ多くのお客様に来ていただけると考えるからです。ここで陥りやすいのが原価化率のワナです。

飲食店の原価率は、30%程度に抑えることがよいと一般的に言われています。それを聞いてすべてのメニューの値付けを原価率30%に揃えてしまう方がおられますが、実際は看板メニューとなる原価率が70、80%となるものや逆に原価率が10%以下のものまで取り揃えて全体の売上に対して原価率が30%程度に収まればよいということなのです。

2.中期売上計画

飲食店をオープンする前に必ず事業計画を作りましょう。日本政策金融公庫や保証協会で開業資金を借り入れる際は必ず必要になります。簡単に言えば、原価がいくらで、それをいくつ売って、経費がこれだけだからいくら利益が出ます、といったものです。1.の原価計算に今度は席数や満室率、席の回転数などが加わります。

最初に理想の売上から始めます。定休日を決め、ランチを提供するのかしないのか決めます。その上で、ランチメニューの原価計算、昼の回転率など曜日ごとに細かく売り上げを設定して行きます。

より実態に近いシミュレーションをしたいのであれば、例えば東京の降雨日が100日程はありますから営業日の三分の一は何らかの影響を受けことも念頭におくべきでしょう。

夜の営業を考える際は、月曜日と週末ではお客様の入り方に差があることを念頭におき、月によっても差が出ます。一般的に2月、8月が売上が伸びないのに比べ、年度末、年度始まり、12月などお客様の入りが増えることなどを考慮して計画します。その上で、最初の3ヶ月、半年後、第3四半期、1年後と売上の伸びを予測して行きます。さらに、3年後、5年後の売上を予想して行きます。これが飲食店を経営する上での大切な目標となります。

飲食店を繁盛させたいなら絶対に「中期売上計画」をつくるべし!

3.売上検証

原価計算、中期売上予測がある前提で飲食店はオープンします。毎日多くのお客様、注文、料理と格闘することになりますが、日々の忙しさにかまけていると振り返ることが出来ません。

どういうことかと言うと過去の分析が出来ない為、もし目標に届かない時になにを改善すればいいのか見当もつかなくなることを意味します。それでは、困ってしまいます。

次のような数字を毎日とります。

  • 来客数(男女の別・昼夜の別)
  • 売上金
  • 売れたメニューの数

この3つの指標を取ることで分かることわかることが数多くあります。

まず来客数からです。統計を取って行けば曜日ごとのお客様の数に違いがあることがわかるかもしれません。天気によりお客様の数か違うことに気づかれるかもしれません。また、時間帯や季節も関係していることがわかるかもしれません。

次に、売上が月によってばらつきがあったとしましょう。売上があがった月と落ち込んんだ月、周辺環境との関連で考え合わせることで、飲食店が立地している地域環境に根差す問題であることがわかるかもしれません。(オフィス街、住宅街、繁華街等)

最後に売れたメニューの数をカウントすることで、売れ筋商品とそうでない商品が解ってきます。売れない商品はメニューから無くすと言う選択もありますが、ひと手間加えてリニューアルする方法があります。また、人気商品は、派生商品を考え出しよりオーダーを増やすことが出来ます。

また、この数に原価率を考え併せれば、数以外に一番利益に貢献してくれたメニュー、一番貢献しなかったメニューなどたちどころにランキング分けできます。

お解りのように問題点が見えてくれば改善策はたてられるということです。そのことを可能にするのが日々のデータであり検証なのです。

売上検証と中期売上計画の関係について

中期売上計画でたてた数字と実際の売上に乖離が生じた場合、売上検証から伸び悩んでいる原因を考えます。週初めの来客数が想定まで届いていないだとか、21時以降の来客が伸び悩んでいるだとか、雨の日にお客様が少ないだとかデータから読み取れるものがあるはずです。

ここに対策を立てて営業に反映させ次の3ヶ月様子を見ます。その数字が改善したのか、何も変わらないのかでまたデータを基に改善策を講じるのです。これを繰り返し続けることで飲食店が廃業しない(成り立ってゆく)仕組みが出来上がってゆくのです。

~まとめ~

今回の仕組み作りは美味しい料理を提供できていることを前提としてお話しました。もしそこに自信がないようであれば、忌憚のない意見を言ってくれる友人、知人を招いて試食会を催すことで解決できるでしょう。

ただ、飲食店の経営改善には時間がかかる場合があります。改善した内容をお客様にご理解頂きリピート客になって頂くには、宣伝をキチンとしなければなりません。WEB、チラシ、ダイレクトメールなどお金と時間がやはり必要です。

売上が目に見えて落ちこんでから始めるのではなく、オープン時から継続して繰り返すことで飲食店は廃業を免れるのです。つまり根気と努力が求められということなのです。

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