造作譲渡料「0円」の居抜き物件 7つの理由とは

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造作譲渡料「0円」の居抜き物件 7つの理由とは

スケルトン状態から飲食店として造り込むよりも格段に安くあがる居抜き物件。なにより同じ業態でオープンさせる時などお皿やコップといったものまで再利用が可能です。この居抜き物件を手に入れるには金銭による譲渡料が発生する場合がほとんどです。あるいは金銭による取引を売買と呼ぶこともありますが基本同じ意味として捉えて差支えありません。

ところが、不動産仲介会社のサイトを見ておりますと時々造作譲渡料0円とか無償という物件があります。いったいこれはどのような物件なのだろと興味をそそられることと思います。逆になにか問題でもあるのだろうかと勘繰る方もいらっしゃるでしょう。

今回は、いくつかの事情により譲渡価格が0円となっているカラクリについて考えて見たいと思います。

そもそも造作が残っている理由

賃貸借契約は借地借家法以外に民法の影響を強く受けます。本来、内装造作が譲渡により売買されることは、それほど特別なことではないはずです。ところが、こと賃貸借物件に付帯している場合に限っては大家さんの許しが絶対に必要なのです。これはどういうことなのでしょうか。

それは、民法598条で定める、「借主は、借用物を原状に復して、これに附属させた物を収去することが出来る」という一文に縛られているからなのです。これにより原状回復義務を負うこととなる訳です。さてこの民法の規定にも拘わらず原状回復工事を行わずに居抜き物件として「0円」で市場に出されるという事情とは何でしょうか。

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原状回復逃れ

当然ですが、原状回復工事にはお金がかかります。坪10万円程度が目安です。10坪の飲食店で100万円程かかる計算です。パターンとしては2つ。そもそも内装造作や厨房機器を売ることが出来ることをご存知ないケースと大家さんの好意で敷金の返還をしない代わりに原状回復工事を免除してもらうケースの2つが多いでしょう。

そもそも造作の譲渡をご存知ない方は大家さんに解約通知を出してしまってからその存在を知るケースが殆どです。その為造作を売る為に必要な時間がないということになります。結果的にせめて原状回復工事代だけでも浮かせようと考え次のテナントが付きやすい造作譲渡料0円として募集をだすのです。

大家さんが原状回復工事を免除する背景には居抜きの方がスケルトンよりか貸しやすいとの思惑があります。原状回復工事が敷金以上にかかることがある中で言えば、双方にとってメリットがある方法です。

滞納などで原状回復工事が出来なかった

大家さんが許可をして原状回復工事を免除したのと違い、滞納等で敷金を使いはたした結果止む無く造作を残置させた場合です。一見すると原状回復逃れとどこが違うのか疑問に思われるかもしれませんが、滞納が原因で市場に出てくる造作譲渡料0円の居抜き物件は開店して間もない綺麗な物件やお金のかかった上質の物件が出てくることがあります。もちろん大家さんとしては、造作を高く売るという発想ではなく一日も早く家賃が欲しいということで造作譲譲渡料0円となるのです。

長年営業されたことによる老朽化

造作譲渡価格が物の価値、つまり単純に内装造作や厨房機器の値段ではなく、飲食店舗をオープンさせる為の権利金の側面があります。それが証拠に、ある駅前の50年続いたうどん屋さん、20坪程の古びた内装を700万円で買い取ると宣言したラーメン店がありましたが、おそらくどうしてもその場所に出店したかったのだと思います。その意味で長年営業されてきた古い内装が残る造作譲渡料0円の物件は飲食店としての立地が弱いということを物語っている可能性があります。十分リサーチをされることをお薦めします。

仲介会社が売買の経験がない

昨今市民権を得始めた造作譲渡つまり居抜きですが、その言葉自体は知っていても一度も取引経験のない不動産会社は思いのほか多いものです。造作譲渡ということにでもなれば、売る側と買う側とで契約書を交わす必要が生じてきます。ところが経験のない不動産会社は、なにをどう取り決めていいのかわからない為、元の飲食店オーナーつまり造作譲渡の売主に権利を放棄させ、新しい契約者には現状有姿で引き渡す代わりに一切のクレームを受け付けないという取引としてしまうのです。売る側の方にはちょっと酷なお話ですが、現実にはこのケースが殆どではないでしょうか。

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残置物件を居抜きと呼ぶ不動産会社

これは単純に物件の状態を表現する言葉の間違いからくるものです。原状回復逃れや滞納により原状回復が出来なかった場合で、厨房機器だけを専門の業者に売却して少しでもお金に換えてしまおうと考える大家さんが少なからずいます。本来、居抜きとはすぐに飲食店などが始められる状態の物件を差すのですが、厨房機器などがなくなっているとその分開業しようとしている新しい借主はお金の持ち出しとなります。こういった状態の物件は居抜きではなく「残置物件」とよぶのですが、居抜きと書く方が問い合わせなどが増える為にわざと誤表記する場合と本当にその違いすらご存知ない不動産会社が間違って表示する場合があります。

大家さんが嫌う居抜き

大家さんとはいろんな心配をする方々です。保守的で新しい変化を嫌います。その意味では、居抜きによるテナントチェンジを本当は納得されていません。今の経済状況から見て次のテナントが決まりやすいかそうでないかという観点で居抜きを選択されているにすぎません。不本意ながら居抜きを許可される大家さんの中で、造作譲渡を認めると賃貸借契約以外に別の権利が発生してしまうのではないかと考えたり、買取をした人が物件を占拠して居座ったりしないか心配に思うのです。結果、単なる造作の引き継ぎだったらいいですよ、0円だったら造作譲渡を認めますよという大家さんの制限がつく場合に出てきます。

安く見せかける工夫

造作譲渡金に関して物の値段ではないと書きましたが、現実には実際にご覧になられた方が、その内容でこの金額なのと首をかしげることもあります。その都度説明をするのが面倒な不動産会社が、わざと造作譲渡金額を0円にして割安感を演出するのです。では、本来の譲渡額はどのように回収するかというと、賃貸借契約に含まれる礼金や敷金償却、ある会社は仲介手数料の他に企画料と称して高額な手数料を要求します。つまりいろいろな形で分散されているのです。

今回ご紹介した7つのケースは色々な理由で造作譲渡料0円となって市場に現れる物件の代表的な理由を書いたにすぎません。お伝えしたかったのは、造作譲渡料が0円だからと言って直ぐに飛び付いたり、変に勘ぐってみすみすいい物件を見逃すことのないよう予め知識を持っておいてほしいと考えたからです。

いい物件というものは突然現れます。また、直ぐに誰かがさらって行ってしまうものです。早まったとかもうちょっと早く決断していればと後悔することのないよう普段から物件を見る目を養っておきましょう。

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