飲食店が儲かる仕組みは、とてもシンプルです。
- Quality (品質)管理を行っている
- お客様に向き合っているService (サービス)である
- Cleanliness (清潔さ)が徹底されている
これらを飲食店が儲かる仕組みとして誠実に実施しているお店が繁盛店となります
Contents
お店が儲かる=利益?
さて、利益について少し触れます。
利益はいつの時点で生まれるのでしょうか。
人により様々な答えが返ってきます。商品やサービスを提供した時点、お金を受け取った時、原料や労働力を安く手に入れ時、逆に高く商品やサービスを高く販売した時など川上から川下へ品物やサービスが流れて行くどこかの時点を指す回答がほとんどです。しかし、経営学ではこう説いています。
価値と価値が出会った時に利益は生まれると。飲食業であれば、人と人、人と食材、食材と食材などが料理を作るという目的に対して組み合わされた時点で既に利益は生まれていると言う訳です。
確かに本質的にはそうだと頭では理解できるのですがいざ現場レベルに落とし込むと今一つハッキリしません。
それでは飲食業における利益=儲かる仕組みを考えて見たいと思います。
経営理念からみる儲かる仕組み
大手ハンバーガーチェーンマクドナルドが掲げる経営理念が飲食店の利益の出し方について端的に表していると以前から参考にされてきました。
飲食店が利益を出して儲かるにはいくつかの条件がそろっている必要があります、逆に言えばそれらが備わっていないのに儲けは出ないということだとも解釈できます。
では、順番に見て行きましょう。
儲かる飲食店の仕組み①Quality (品質)
もともとはチェーン展開をする飲食店でどのお店に行っても同じ味、同じ盛り付けを約束することを目的として使われていた「Quality=品質」ですが、現在ではその意味するところが変わってきています。
もちろん高い品質管理という意味では同じですが。
大きくは2つに分けることができます。
プロセスの品質管理
メニュー書いてある料理は常に同じ味、同じ量で提供できなくてはいけません。
その為には、食材の品質もさることながら、調理手順や調味料の配合割合、火にかけたり冷やしたりする時間など常に一定である必要があります。
これらを常にチェックできる体制が出来ているか、何らかの方法で自己評価できる基準を持っているかなどがこのプロセス管理にあたります。
これを怠るとランチ時や夕方の繁忙帯とお客様が少ない時間帯で味が変わることが予想されます。
この前来たときは美味しかったのに今日はそれほどでもないと思えば最悪リピート客を失うことになります。
また、食材の使用量にも差が生じる為原価率が変わる可能性があります。
これでは仕入れすぎてしまったり足らなくなってしまったりと安定しません。
完成品の品質管理
今度はプロセスではなく完成品つまり出来上がった料理に対する品質管理です。
見た目の盛り付けは綺麗で毎回同じにできているか、食欲を引き立てる香りはシッカリと出ているか、口に入れた時の料理の温度、舌触り、味は保たれているか、箸やナイフなどから伝わるサクサク感や力を入れなくとも食材が切り分けられる感触などは出ているか、歯ざわりや食材の硬さや柔らかさで食感を楽しめるか等々お客様基準で五感(視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚)を総動員してチェックし品質を保つことがここでは求められます。
儲かる飲食店の仕組み②Service (サービス)
この言葉は日本において少し偏った意味で定着しているように思います。
例えば「ただ」「無料」や「安い」「お値打ち」といった具居合です。
それゆえに海外のサービスの概念を持ち込もうとすると齟齬が生じやすいと言われています。
ここではサービスの意味を「提供する」という風に定義したいと思います。例えば大手ハンバーガーチェーンは何を提供したのでしょうか。もちろん看板商品であるハンバーガーを提供するわけですが、他店との差別化の為にあるものを提供しようと考えたのです。
それは「笑顔」と「ワクワク感」だと言っています。飲食店の現場に引き直して見るとどうなるでしょうか。
提供時間管理
注文から提供までの時間管理です。着座をする飲食業態では「15分」がリミット、ファストフード店では「3分」がリミットと言われています。
この時間内でシッカリとクオリティーが保たれた料理を出せる管理が重要です。
もし、機械の不具合やオーダーの入り具合などでこの時間を守れそうにない時は、厨房からホールスタッフにその旨を伝達し、お客様に少しお時間を頂く旨伝えるシステムが必要です。
もしそのこともなしにお客様を待たせるようなこととなれば次回は来店頂けなくなります。
ホスピタリティーの提供
お店がお客様に与える印象は料理の他にスタッフの印象が大きく関わってきます。まさに笑顔の提供はその最たるものです。
笑顔だけではありません、コミュニケーションをとる言葉の語気は明るくハツラツとしていることでお客様に良い印象を与えます。居酒屋やイタリアンのお店で元気なスタッフの対応や店内を飛び交う声に接する経験をなさった方も多いのではないかと思います。
まさに彼らはお客様に対するホスピタリティーを提供しているのです。
儲かる飲食店の仕組み③Cleanliness (清潔さ)
飲食店を訪れるお客様は、そのお店で見えるところの綺麗さを料理に対する飲食店の姿勢と評価する傾向にあります。
玄関マットが汚れ放題になっていたり、床が汚れて人が歩くところだけテカっていたり、トイレが清潔に保たれていなかったりという飲食店は寿命が短いとされています。
だからこそ大手のチェーン店では、清掃時間に清掃方法など細かく決めたマニュアルを作って店内を清潔に保つよう努力をしています。
ただ厄介なことに毎日清掃をしていても徐々に汚れが堆積してします。どこかでリセットしないとこちらもくたびれた感じが滲んできます。
マニュアルもさることながら、小さな飲食店では、どこまできれいにするのかという基準を持っていれば十分ではないかと思います。
例えば、お店をオープンした時の写真をもとに限りなく近づけるよう清掃に心がけるというのも一つの基準です。ホテルの清掃基準は素手で便器に触れるというのが基準になっているようですがいかがでしょうか。
~まとめ~QSCについて
利益を生む儲かる仕組みとは3つの頭文字をとった「QSC」に集約されます。
但しもう一つポイントがあります。
それは、この3つの基準に出来不出来があってはいけないということです。料理の味がいいから少々ぶっきらぼうでもいいだろうだとか、お客様に食べて喜んでもらうために掃除に手が回らなくてもいいだろうという甘えは必ず客足に影響が出ます。ましてや、ホスピタリティー満点、清掃満点でも料理をする人が入れ替わることで曜日や時間によって味にムラがあるなどはもってのほかです。
結局クオリティーとサービス、それにクリンリネスは高い次元で実現されていることが重要なのです。ですので常にチェックできる体制と即座に修正できる環境作りに勤めている飲食店は儲かってゆくという仕組みが生まれるのです。