飲食店舗の賃貸借契約でのお話です。建物の大家さん、当該店舗を借りる借主さん、不動産の仲介兼管理を任されている不動産会社(ここではA社とします)が同席されています。
このA社、地元では30年以上営業している老舗の不動産会社とのことですが、契約時に提示を法律で義務つけられている宅地建物取引士の主任者証の提示はしない、契約書の内容と要約を説明する重要事項の説明も殆どやらない、それどころか契約書が別の取引で使用したものをよく確認もしないで使い回したようで、実状に合わない箇所が何カ所かあるお粗末さです。
更には、敷金の預り証をお願いしたところ、領収書で代用し出してくる始末です。挙句の果ては収入印紙も貼らずに渡すのでした。その不動産会社を使わなければ物件を借りられないとは言えなんとも心もとない不動産仲介会社です。
今回は、できれば関わりたくない不動産仲介会社の特徴を実例をもとに告発したいと思います。是非参考になさって自己防衛してください。
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注意すべき不動産仲介会社には驚きの共通点がある
不思議なもので、借りる側が気を付ける不動産仲介会社にはいくつもの共通点があります。はじめは気が付かないのですが、付き合いを始めると徐々に本性が現れてきます。最初は違和感を感じる程度ですが、後になってあの時気づいていればというものばかりです。
以下に共通点となぜそのような事態が起こるのか理由を説明いたします。今お付き合いしている不動産仲介会社に当てはまる点があるようであればすぐに別の会社にお願いをするべきです。
1.注意すべき不動産仲介会社は電話含め応対が悪く遅い
- 会社に電話をしてもなかなか折り返しの電話が来ない。
- 携帯電話にも出ない。留守番電話にならない。
- こちらの質問に対する回答に時間がかかる。
なぜこのようなことが頻発するのでしょうか。
一人で何件もの案件を抱えていて、仕事が回っていない状態だからこうなるのです。これにより物件の確認事項を怠ったり借りてから頼まれた大家さんへの交渉条件が伝わっていないという事態が往々にして起こります。なんとか契約までこぎつけても、契約寸前や契約後にその事実が発覚するケースがほとんどです。つまり借り手も大家さんも大迷惑をこうむるということです。
2.突然内見スケジュールを変更する不動産仲介会社
物件を見ている途中、頼んでもいない物件を突然見に行こうという 仲介会社
飲食店舗を検討なさっている方が実際に物件を見に行くことを業界用語で「内見」(ナイケン)といいます。実務として、予めチョイスした物件に、アポイントを取って見に行くのが一般的です。
物件を見て回る途中で、打ち合わせにないいい物件が出たからチョット見て行きましょうと言いだす仲介会社があります。この仲介会社はなぜそのような行動にでるのでしょうか。
ほとんどが、成約すると手数料が2倍もらえるような物件だからです。お分かりのように借り手がつかなくて困っている物件です。いろいろと上手いことを言って勧めてきますがそんな誘いにのってはいけません。
3.白紙の申込書を書いてくれと頼む不動産仲介会社
内見に行く前に(見る前から)申込書を書いてくれと頼む 仲介会社
いくつか理由が考えられますが、例えばある飲食店舗が気に入り実際に内見する際、先行して検討している方がいると分かると、その人よりも先に申込書をいれて自分たちが有利になるために使うケースがあります。
これは絶対にやってはいけません。
あとでお断りをする時など、大家さんから「先に検討しているお客様を断ってしまった。借りてくれないと困る」とクレームになりトラブルになるケースがあります。
実際にあったケースでは、先に書いた申込書を別の不動産取引の申込書に転用されていたケースもありました。実際このような姑息な手を使う 不動産会社 はどこかでお客様をも欺く可能性があります。
4.ともかくお金を振り込めと急がせる不動産仲介会社
すぐにお金を入れないと物件がなくなりますよ
ともかく急かせます。特にお金だけを急がせる会社は要注意です。
必ずその中に自分たちの仲介手数料が含まれているはずです。要は集金を急いでるのと同じです。貸す側からすれば、先にお金を入れたかどうかはあまり関係ありません。たぶん一番多い言い訳は、「申込をしている人が複数いるので手付金を先に入れて物件を確保しましょう」と言うはずです。
順番から言えば、契約の意思があって、事業計画、資金計画、連帯保証人すべてがOKで初めて契約資金ですからこの順番を無視する仲介会社の言い分には気をつけましょう。
5.契約する直前に条件を上げてくる不動産仲介会社
募集条件からさらに条件をあげてくる(変更してくる) 不動産仲介会社
二つの理由が考えられます。
①大家さんや管理会社の賃貸借条件が決まらないうちに募集を開始していた可能性があります。この状態で広く募集をしていたなら、明らかな宅地建物取引業法違反です。
②大家さんが後から条件を変更する場合があります。募集をしてみたら思いのほか反響があり、気が変わると言った場合です。
6.何を聞いてもキチント説明できない不動産仲介会社
契約書の文言について質問しても納得のいく説明ができない
不動産を借りるうえで重要な部分、お金と飲食店を出す際の制約にまつわるところです。
そもそも不動産の法律用語を説明できない会社に、事業用不動産の制約や守られるべき権利が分かっているかはなはだ疑問です。
これは、飲食店舗の設備についてもいえることです。住宅や事務所と違い、飲食店舗の場合、提供するメニューによって物件に対する要求が変わってきます。
臭気の問題や煙の問題などがその最たるものですが、ガスの容量や電気容量なども重要です。なぜ設備の話をしたかというと、そのような物件ごとの取り決めをするのが契約書だからです。
事前取り決めがちゃんと盛り込まれている契約書を作れるかまた過不足なく正確に説明できるか、そもそもこちらの要望を大家さんと交渉出来るかなど不動産会社には多くのことが要求されます。もし物件情報だけのつながりだとすれば、いずれ損をするのは借主さんです。
~まとめ~実例告発!飲食店関わってはいけない不動産仲介会社6つの共通点
まだまだあるのですが、意外とよく耳にするのが契約が完了すると途端に電話が繋がらなくなるというものです。契約が終了し仲介手数料が入ればさようならという会社も多くあります。結構な割合で雲隠れする不動産仲介会社や担当者が存在するようです。
同様に、クレーム対応してくれなくなるとも聞きます。事前に何度も打ち合わせをしても、考え違いや思い込みによる齟齬は必ず生じます。引き渡しが終り仲介手数料を手にするとそれらの調整をやらないで逃げてしまう会社も結構います。
契約後に分かった事前説明との違いや隠れた瑕疵などが出てきた際の不動産仲介会社の役回りについて、契約前によく確認されることをお薦めいたします。