不動産業者が貸店舗で儲けるには ~不動産契約の裏側~

不動産業者が貸店舗で儲けるには ~不動産契約の裏側~

マンションやアパート、事務所などを取り扱う不動産業者は数多く存在します。よいうよりも貸店舗を取り扱わない不動産業者が大半というべきでしょうか。ではなぜ貸店舗は敬遠されるのでしょうか。これにはれっきとした理由が存在します。

  • トラブルが多い
  • 空室時の営業方法が分からない

最初のトラブルですが、マンションやオフィス物件では滅多にないことが貸店舗では度々起こります。飲食店であれば臭い、煙、置き看板、ゴミ等々。その度に調整役をしなければなりません。ことは簡単ではなく一度で解決できないばかりか、裁判に発展することも珍しくありません。

二番目のテナント探しですが、住居系、事務所系は大手のサイトがいくつもあり貸す側と借りる側のマッチングはたちどころに成立します。それにひきかえ、飲食店舗は同様のサイトが少なく名前も知られてないため簡単にマッチングとはなりません。当然時間がかかり大家さんからクレームを頂く羽目になります。

そのような背景がありながらも逞しく飲食店などの貸店舗を扱っている不動産業者は宅建業法で定められた報酬だけで商売が成立するのでしょうか。

今回は、不動産業者向けの内容でありながら、借りる側からも飲食店舗物件の裏側を知って頂きたいと思います。

飲食店 「元付」と呼ばれる不動産会社の正体

不動産管理の立場から

大家の立場ではなくあえて不動産管理の立場からと書いたのにはワケがあります。大家さんがご自身で管理をされることはあっても空室営業までおやりになる事はまずありません。必ず契約締結や更新業務をお願いしている管理会社=不動産会社が存在しています。

その立場にある不動産業者が貸店舗から収益出来るのは以下の通りです。

  1. 新規テナント入居に対する仲介手数料
  2. 賃貸借契約の更新に関わる手数料
  3. 収納代行手数料
  4. 電気代差額の徴収
  5. 工事業者・ゴミ収集業者・定期清掃業者からのリベート

新規テナントが入る際の仲介手数料は当たり前だと思われるかもしれませんが、意外と大家さんから手数料をもらっている不動産業者は少数派なのです。一方入居されるテナントが支払う手数料はすべて紹介をした不動産会社のもになります。このような場合管理側の不動産業者は、礼金という裏技を使い収益をあげます。

大家さんには礼金1ヶ月を約束し、入居テナントを募集する際に礼金2ヶ月と表示をします。つまりこの差額1ヶ月が管理側不動産業者の収益分となります。余談ですが、契約書にキチンと明記されている場合は大家さん公認ですが、契約書に記載がなく重要事項の説明書のみに記載がある場合は極めてグレーです。

次は電気料金です。一般的に電気、ガス、水道はテナントが個別に事業者と契約を結び代金を支払うと言うのが一般的ですが、なかには大家さんが一括契約をしており、子メーターや面積案分などにより管理会社から請求がある場合があります。電気の場合、再販価格は大家さんや管理会社が勝手に決めてもいいとなっています。大抵の場合は大家さんに請求のあった額をあらかじめ定めている方法で案分計算してテナントに割り振るのですが、収納代行をしているような不動産業者などは単価を多少上乗せして請求することが出来ます。つまりこれも収益源となります。

一番の収益源はなんといっても指定業者からのリベートです。すべてを指定業者でないと工事をさせないというところもありますがだいたいは電気だとか躯体に関わる工事などを指定してきます。それ以上に額が張る工事があります。原状回復工事です。敷金や保証金を預託している手前テナントはなかなか抗いづらいものです。これらの工事代金の数%から10%が不動産管理業者に還元されます。

飲食店 突然の閉店 原状回復工事をして解約する費用を考える

テナント仲介で飲食店舗を扱う不動産業者の立場から

不動産側になんのつながりもない不動産業者ですからテナントからの仲介手数料だけだと思われるかもしれません。実は場合により収益増が可能になります。

  1. 広告宣伝料
  2. 企画料

広告宣伝料とは、不動産管理会社がなかなか決まりづらい貸店舗を所有もしくは取り扱っている場合、普段は支払わない仲介手数料を払ってでも貸したいと考えた時に出現するものです。仲介をする不動産会社にとって本来賃料の1ヶ月分が成功報酬なのですが、このような貸店舗を仲介すれば賃料の2ヶ月を手にすることが出来ます。

この物件を一般の方が見分ける方法があります。不動産会社から物件紹介を受ける際に受け取る物件情報があります。業界用語でマイソクと言いますが、この右下に「取引業態」という記述が必ずあります。その付近に「AD100%」と書いてあれば広告宣伝費がありますと言う印です。参考までに。

次に企画料ですがこちらは借主が支払いを約束するケースです。取り決め次第では物件開発費などとも呼ばれています。こちらはチェーン店などが希望の場所にお店を出したくてもなかなか物件が出てこないといったケースや複数店舗の出店物件を同時に探す場合に特定の不動産業者に物件探しを委託する場合に発生します。

具体的には賃料の数ヶ月分と言われていますが、物件探しのハードルが高い場合などは5ヶ月分を出す会社があるとまで言われています。実際に商店街の古い靴屋さんや本屋さんなどをまわり、店をやめて賃料収入に切り替えませんかと説得して回っています。昔話題になった地上げ屋のような役回りです。

もう一つの企画料というものがあります。こちらはテナントからも大家さん、管理会社からも手数料が出ない貸店舗の場合に賃貸条件に登場します。出現するパターンとしては一等地と呼ばれる好立地の貸店舗によく見受けられます。つまり強気の大家さん、管理会社の姿が透けて見えます。

今回は貸店舗を普段扱わない不動産業者を対象に書いたつもりですが、貸店舗を借りる方にとっても不動産を取得する際に必要となるお金や借りた後のお金にどのようなカラクリが潜んでいるのか知って頂けたと思います。ただそれが分かったからと言って交渉をし過ぎると折角見つかった貸店舗が手に入らないことになりますからお気をつけ下さい。

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