小さな居抜き飲食店の内見で、開業予定者が不動産担当者と間取りを確認している
居抜き店舗を内見する開業予定者のAI生成イメージ。

「気になる飲食店物件を見つけたけれど、どの不動産会社に相談すればいいのだろう」。初めての開業では、物件を紹介する会社がどんな立場なのかまで考える機会は少ないかもしれません。

不動産には「内見」「仲手」「元付」など、独特の業界用語があります。なかでも元付と客付の違いを知っておくと、申込後の話の進み方を理解しやすくなります。同じように見える不動産会社の役割と、できること・できないことを整理しましょう。

物件とのかかわり方で、不動産会社の役割は変わる

ネットを中心に借り手を募り、希望に合う物件を探して紹介する会社もあれば、地域に根差し、大家さんから募集や管理を任された物件を中心に紹介する会社もあります。

どちらも仲介を行いますが、借り手側を担当するのか、物件側を担当するのかで役割が異なります。ネットの会社だから客付、地場の会社だから元付と決まるわけではありません。同じ会社でも、物件ごとに立場は変わります。

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「客付」と「元付」の違い

客付不動産会社

客付(キャクヅケ)は、借りたい人に物件を紹介する立場です。募集状況や希望する業種で借りられるかを確認し、内見、申込、契約を手伝います。物件の最新状況を調べることを、業界では物件確認、略して「物確」(ブッカク)と呼びます。

元付不動産会社

元付(モトヅケ)は、大家さんから物件の募集を任される立場です。借り手の募集や申込の取り次ぎ、契約手続きを担い、会社によっては家賃の集金や管理も行います。どこまで任されているかは、大家さんとの関係によって異なります。

元付、客付で話の進み方が違う理由

同じ店舗を借りたい場合でも、相談している会社の立場で、話の進み方は変わります。元付は大家さんと直接やり取りするため、業種や条件の確認が進みやすい立場です。ただし、元付だけで入居を決められるとは限りません。

客付は、元付を通して確認する必要があります。申込をしても回答待ちになることがあり、長く待たされるケースもあります。「担当者が動いていない」と決めつける前に、この違いを知っておきましょう。

聞くなら、「この物件では、御社は元付ですか、客付ですか?」の一言で十分です。相手を問い詰めるのではなく、物件とのかかわり方を知るための確認です。

手数料と、この業界ならではの商習慣

話の進み方には、不動産会社の収入の仕組みも関係します。小さな店舗の賃貸では、ひとつの契約までに内見や調整を重ねても、得られる報酬は限られます。賃料1か月分が高額になる大型オフィスとでは、1件の収入の規模が違います。

店舗賃貸の現場には、客付が借主側から、元付が貸主側から報酬を受け取り、元付が自ら借主を見つければ双方から収入を得るという商習慣があります。法律の規定だけを見ていては、こうした現場の動きが見えにくいのです。

なお、法定の仲介報酬は原則として貸主・借主の合計で賃料1か月分相当額に消費税等を加えた額が上限です。ここで紹介する現場の商習慣は、その上限が適用されなくなるという意味ではありません。

元付が自分で借り手を見つければ、客付と分け合わずに収入を得られるため、自社のお客様を優先したくなる事情もあります。ただし、回答が遅れる理由はそれだけではありません。こうした背景を知っておくと、結果待ちの状況を理解しやすくなります。

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「第3の不動産会社」サブリース業者という選択肢

元付だけと付き合えばよいかというと、それも現実的ではありません。多くの会社は、物件ごとに元付と客付の業務を使い分けています。

そこで、飲食店舗を扱うサブリース業者も相談先になります。大家さんから物件を借り上げ、自分たちが貸主となって転貸する会社です。仲介する立場とは異なり、その物件では借り手の契約相手になります。

飲食店舗の情報が集まる会社と関係を持つことで、公開情報を探すだけでは得られない出会いにつながることもあります。ただし、相談すれば必ずすぐに物件が見つかるわけではありません。

まだある、飲食店舗を扱う不動産会社

デベロッパーと呼ばれる開発会社も、飲食店舗の供給にかかわります。ビルや商業施設を開発し、一棟を飲食店舗の集まる建物として貸し出す形もあります。個々の店舗だけでなく、建物全体の集客や出店条件を見る必要があります。

条件を固めすぎず、開業への熱意を伝える

ネットには多くの物件が並びますが、同じ物件を複数の会社が掲載しているため、情報が重複しています。地域に根差した会社を訪ね、街や物件の話を聞くことも、けして無駄ではありません。

初めての開業なら、希望条件がまだはっきりしていなくても大丈夫です。まずは「予算」「やりたい業種」「いつ頃開業したいか」を、自分の言葉で伝えてみましょう。

立地や広さなどを細かく固定しすぎると、業者側も別の可能性を提案しにくくなります。譲れない点を伝えつつ、紹介された物件を見て考える余地も残す。店サポの提案としては、その対話を大切にしてほしいと思います。

初めての物件探し、まだ条件が決まっていなくてもご相談を

不動産会社の役割を知ったら、次は「どんな店を開きたいか」を話してみる番です。予算と業種、開業したい時期の目安があれば、相談のきっかけになります。

店サポを運営するアソルティは、小型の居抜き店舗を中心に物件を提供しています。居抜き店舗での開業を検討している方は、まだ条件が固まっていなくても、お考えをお聞かせください。

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参考:国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」(仲介手数料の上限)

(構成・執筆:著者 / 画像生成・編集補助:AI活用)