飲食店舗 建物オーナーの悩み 共用部に物を置くテナント

繁華街で見かける飲食テナントビル。地下から上層階まですべて飲食店です。このようなテナントビルがちゃんと管理されているかどうかを見分ける方法があります。ポイントは二つ。一つが非常階段にモノが置いていないかどうか、もう一つがゴミ出しのルールが守られているかどうかです。二番目のゴミ置き場は、テナント以外は立ち入れない場所にあったりしますので調べようがないことがありますが、非常階段はチェックしやすいでしょう。

そもそも飲食店ビルは、容積を稼ぐために(貸し面積を増やす為に)非常階段を外階段にしていることが多く目視しやすいのですが、普段使わない非常階段であれば、使わない道具類や食材、ひどい場合は着替えをする場所として使用するケースも見受けられます。ここで疑問に思われた方がいらっしゃると思います。どこに問題があるのかと。

今回は、貸す側と借りる側で大きく認識の異なる共用部について大家さん目線で考えてみたいと思います。

共用部と呼ばれる場所はどこか

そもそも共用部とはどこなのでしょうか。早い話、テナント側からすればご自身が借りている、お金を払っている以外の場所を指します。(他人の貸室はもちろん違います)これを共用部と呼ぶのに対し貸室は専用部と呼びます。専用部をテナントが独占的に自由に使用できるのに対し、共用部は正に共同使用する場所かもしくは専用室を快適に使用する為の設備がある場所となります。

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共用部に物をおいてはいけない理由

一番問題となるのが、先程の非常階段や避難通路に物を置いている場合です。これは大家さんがというより消防法に抵触します。その建物で火災が発生した際もし避難経路に物が置かれていて逃げ遅れた人がでたらどうなるでしょう。非常階段に物が置いてあったばかりに一度に逃げられる人の数が限られたとすればどうでしょうか。どちらも人命にかかわる事態を引き起こします。

平成2年(1990年)に尼崎市で起きたスーパーマーケットの火災がまさにこれと同じ状況でした。床に置かれた段ボールが原因で防火扉が締まらず煙が充満し15名が亡くなっています。規模は違えども決して他人ごとではありません。

身近なところでは、共用部に物が置かれた際、なにもない場合よりも清掃コストが増したりします。なかには放火の危険性を指摘る声や害虫などが発生する問題も指摘されています。本来テナントの所有物は専用室内が基本です。大家さんが近くにいらっしゃらないのをいいことに勝手に物置を置くテナントもなかにはいます。甘い顔をせずに撤去してもらいましょう。

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共用部における建物オーナーの責任とは

所轄の消防署は消防査察と言って非常階段や避難経路、消化設備を定期的に検査し、問題点の改善を促し改善内容を文章で出させる取り組みをしています。ただ、地区によっては査察対象が多すぎて手が回らず数年も来ていないという対象建物も存在します。だからと言って共用部に物があることを知っていて放置していたとなると建物オーナーである大家さんも責任は免れません。以前新宿で起きた雑居ビル火災の際は建物オーナーが有罪となっています。火を使う飲食店を束ねる管理権原者という立場だからです。

これも実際にあった話です。共用部に物を置くことを黙認していた建物所有者に損害賠償判決が出た裁判です。その建物は1階に飲食店が入居していました。油を多く使用する重飲食店が入っていたのですが、エントランスをまたいで建物の脇に廃油や道具、食材の一部を棚を作って置いていたのです。毎日脂のついた長靴でエントランスを往来するうちにタイルの床が滑りやすくなっていたのです。ある雨の日雨と油で滑って足をとられた利用者が転んでしまい手首を骨折してしまったのです。さて、この怪我に対する賠償責任はだれにあるのかというものだったのですが、最終的に共用部を管理する建物オーナーの管理不行き届きとなり賠償をすることとなったのです。

共用部に物を置かせない為にはどうしらいいのか

マンションであれ一戸建てであれ物が置けそうな場所や物を置きたくなる場所が必ずあります。例えば階段の下や通用口の近く、地下であればポンプ室の中などです。そもそも契約時に共用部には一切の所有物を置いてはならないと規定するのですが、別途対象箇所の写真をとりその部分をマーキングした書類を交付しておけば完璧です。すぐに撤去の指示が出せます。逆に専有部以外に物置を設置し別途料金を請求する方法もあります。隣との境に余裕がない場合でも、小型ビルであれば屋上に設置するケースも考えられます。物があふれるテナントにとっては少々のコストは受け入れてくれるでしょう。

冒頭管理が行き届いているテナントビルとはと話をしましたが、そのほかにもポイントがあります。集合看板が整然と出されているか、集合ポストにチラシが溢れていないか、夜の置き看板は通行の妨げになっていないかなどのポイントがあげられます。もし建物オーナーが空室を無くし賃料をアップできるような飲食店ビル経営をしようと思うなら最低限これらのポイントのコントロールできるよう各テナントとコミュニケーションを日頃からとっておくようにしましょう。もし遠方でなかなか難しいというのであれば、それを代行してくれる管理会社を見つけることです。

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