飲食店の新常識 シェアレストラン・ゴーストレストラン

2018年からよく耳にするようになったワードがあります。シェアレストランとゴーストレストランです。なんとなく理解はしているもののちゃんと説明するとなるとチョットと言う方がほとんどではないでしょうか。実はこの二つの業態は以前から存在した業態を新たに名前を付け変えただけと言う方もいます。そこで、その生い立ちと実態に迫ってみたいと思います。果たして日本の飲食業界に根付くのでしょうか。

シェアレストラン

業 態

経営形態から見ると、本来の賃借人が営業をしていない時間帯に別の飲食店に転貸をすることをいいます。例えば、夜はスナックやBarの業態なのですが営業をしていない昼のランチ時にカレー、ローストビーフ丼やタコライスのお店に貸すといった具合です。昼夜逆の場合もあります。早朝から営業するパン屋さんは仕込みを終えると夜は早くからお店を閉めます。閉店後の夜からバルやスタンドバーの業態に貸し出しているケースも見受けられます。この手の業態はバブルの昭和から平成のはじめに、多額の敷金(賃料の30ヶ月分など)を支払えない人たちが、銀座や赤坂で始めた業態でもあります。

メリット

本来の飲食店は稼働していない時間を第三者に転貸することで使用料を得ることができますから売上の足しになります。一方、空いた時間を借りる飲食店側では、賃貸借契約につきものの敷金や保証金などの大金を預けることも無く、内装や設備、厨房機器なども自前ではなくそっくり借りることが出来ます。なにより、上手くいかなくても撤退する際の費用がかからないというのが最大にメリットなのです。

デメリット

いい事ばかりではありません。もし転貸をする飲食店がそもそも大家さんから借りている店舗物件であるなら大きなハードルがあります。日本の賃貸借契約書には必ず「第三者に対する無断転貸の禁止条項」が入っているからです。もしこのことを知らずにシェアレストランを大家さんに無断で始めた場合、最悪契約の解除を告げられる可能性があります。そうなれば、未稼働時間を営業の足しになどと言った流ちょうなことは言っていられなくなります。逆にいえば最初に大家さんの了解を取り付けておけば大丈夫です。もし大家さんとの間に管理をする不動産会社入っているとすると、「転貸」という表現は避けた方が賢明です。彼らはかなり強い拒否反応を示すからです。(転貸=悪の理解)最初は知り合いにお昼だけ手伝ってもらいますといったところから説明に入りましょう。もし許可が得られない時は、業務委託など転貸ではない方法をとることで許可が出ることがあります。よく管理サイドと話し合ってください。

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ゴーストレストラン

業 態

別に幽霊が出る訳ではありません。どちらかと言えば実態のない=幽霊になぞらえたネーミングとなっています。始まりは、ニューヨークなどの海外発です。日本以上に賃料の高い同エリアでは、深刻なランチ難民や夜の食事難民が溢れていました。そこに最近日本でも市民権を得つつあるウーバーなどのデリバリー業者が登場しどこにでも食べ物を運ぶサービスを始めたのです。ここをチャンスと見た起業家が、レンタルキッチン1ヶ所で10を超えるブランド(ハンバーガーやサンドイッチ、ピザなどのデリバリー専門店)を立ち上げ、ネットで注文を受けケータリングする飲食業態を始めたのが最初です。おわかりのようにレンタルキッチンなどを使い実店舗がないことからゴーストレストランを呼ばれるようになったのです。

日本では、2018年頃からこの業態を輸入しスタートさせたのが始まりのようですが、日本では保健所の免許の関係でレンタルキッチンとはいかず、実店舗の副業的なスタイルとして成長しています。透明なプラスチック容器に入れたカレーなどがインスタブームに乗って人気ですが、今後のバリエーションに期待したいところです。

メリット

ウーバーなどのデリバリーサービスを活用することで、場所の制限が格段に低くなります。例えば、雑居ビルの中低層階や人気のないエリアなど本来飲食店として借りないようなフロアーや場所を安く借りて営業できます。前段でご紹介したシェアレストランとして間借りをしながら営業することももちろん可能です。また、ケータリング専門店のように、1ヶ所で複数のブランドを一つのキッチンで作ることもできますので、複数のブランドで売上を伸ばすことが可能です。

デメリット

無店舗型のゴーストレストランはともかくWebやSNSなどのメディアをフル活用して宣伝し続ける努力が求められます。もしくは、デリバリー紹介サイトやウーバーなどと組んで積極的なキャンペーンを打ちながら認知度を上げる努力も欠かせません。逆に言えば、ここさえ成功すれば黙っていても注文は入ってきます。ビジネス向けなのか土日のファミリー向けなのか、それともその両方なのかターゲットをシッカリと設定しないと空振りに終わってしまう可能性があります。最初のマーケティングでボリューム、値段設定などターゲットにあわせてくみ上げられるかが成功の秘訣です。

今後の課題

日本では、シェアレストラン、ゴーストレストランのどちらもローリスクで始められる飲食店業態として位置づけられています。確かにお試しで飲食業を始める方や新メニューなどを実験的に世に問う業態などにとっては都合が良いのかもしれません。実はその逆で、この業態で成功した時に次はどの様に展開するのかが日本における黎明期の課題です。例えば、1店舗で複数業態を作る業態が成功したとすれば、それをパッケージ化しフランチャイズに乗り出すのも一つの方法です。ゴーストレストランの名前が有名になれば、名前とレシピを貸し出すライセンス契約でもいいでしょう。新業態は認知度が上がることで一気に広まりブームとなります。その波にどこまで乗って行くかを考えながらのスタートこそが新業態のだいご味なのです。

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