コロナ感染予防期間よりも、コロナが第5類に分類されてからの方が、飲食店を閉店したいと言うご相談が増えました。今すぐにでもお店を閉めたいという相談、もう少し様子を見たいが話だけでも聞いておきたいという内容が多いのが最近の特徴です。
お話を伺っておりますと、いろいろと考えあぐねた末にお電話を頂いているケースや「居抜き」などのキーワードでネット検索をして、いくつものサイトを訪ねられた後にお電話を頂くケースなど様々です。
共通しているのは、飲食店を居抜きで売るのは現実的にどうなのか?という率直な疑問です。
今回タイトルにもありますが、スタッフや取引先に知られないように飲食店舗の売却相談をする際に、なにに気をつけたらよいのか具体例を交えてお話いたします。
Contents
飲食店舗売却の相談はどこにすべきか?
飲食店の売却、つまり居抜きで店舗を売りたいと言う相談はそもそも誰にすればよいのでしょうか。大きく二つのグループがあります。
- 居抜き店舗を仲介する不動産会社
- 居抜き店舗を自社で買い取る不動産会社(サブリース会社)
仲介と買取では何が違うのでしょうか。
そもそも不動産会社のほとんどは仲介会社です。仲介とは、貸したい大家さんと借りたい店子のマッチングや、不動産を売りたい方と買いたい方のマッチングをする会社です。
実務的には、物件情報を手に入れたらすぐに別の不動産会社にその情報を開示してお客様を探してもらうと言う仕組みです。
これえらの情報を正確に探しやすくするため公益財団法人が国交省の命をうけて「レインズ」というサイトを運営し、不動産会社なら誰でも情報が見られるようにしたのです。
これを使えば数名でやっている不動産会社でも仕事が出来るという仕組みです。
一方買取をする不動産会社はどのような仕組みなのでしょうか。
買取を行う不動産会社は飲食店を売りたいという方から賃借権と内装設備を引き継ぎ第三者に転貸することを前提としています。
その仕組みはこうです。大家さんから借りた賃料に数万円上乗せしてサブリースつまり転貸をするという仕組みです。その際買取った居抜き物件を転貸先に転売もします。
仲介は単純に居抜きで物件の賃貸借契約を仲介するのに対し「転貸」(サブリース)となると大家さん、管理会社の承諾が必ず必要となります。
仲介会社、買取会社に相談する際気をつけることがある
仲介をする不動産会社に対して気をつけなければならないことがあります。
相談だけと言いながら相談したご本人に断りもなく自社のウェブサイトや飲食店専門のポータルサイトに閉店予定物件として公開することがあるからです。
先ほどのレインズでは物件登録は早いもの順ですから当然そうなります。
一方買取をする不動産会社というとこちらも断りもなく自社のウェブサイトや普段から飲食店を探している方々(自社会員登録等)に向け一斉配信をします。
手法は違いますがどちらも本人の想いとは異なり閉店情報となって広まる可能性があります。そのように公開されてしまうとどうなってしまうのか実際にあったトラブルが以下の通りです。
- 店の外に長い時間お店を見ている人が現れる
- ランチや夜の営業時間に初めてのお客さんが急に増える
- 店員にお店の売上や来客数などの質問をする客が現れる
- 写真を撮ったり、店内をメジャーで測る者がいる
居抜きの飲食店を探しているのは日本人だけではありません、中国やネパール国籍の方など日本在住の外国の方も多数いらっしゃいます。マナーという観点で申し上げると海外の方によるトラブルが多発しています。
それ以外にも、ポータルサイトや会員登録をしている不動産会社のHP上で管理会社の眼にとまることや、その情報を見かけた別の不動産会社が物件の管理先を知っていてっ連絡を取ることで発覚します。
相談した方は、ただ相談をしただけなのに勝手に募集をしたとして大きなクレームとなります。
それ以上に、居抜きで閉店する計画も露見してしまい最悪の場合、原状回復工事による明渡ししか認めないと通告されるなど大変な思いをされた方が過去に大勢いらっしゃいます。
飲食店側が不動産会社に守らせるべき約束とは
不動産会社に「居抜き」について電話で聞けることは一般論でしかない為に、実際にお店を見てもらい査定と売却までの詳細な段取りを伺うことでようやくその仕組みが理解できるものです。
不動産会社にとっても仲介であれ買取であれ利益を生む商材ですから相談を先に進めたいと思っています。両者の想いが一致しているのであれば口頭ではなく書面であらかじめ約束を交わしましょう。
- 賃貸借情報や売却を検討していることなどを第三者に口外しない
- ご本人の同意無くして第三者にそのことを開示してはならない
- 社員や役員に対しても同様の秘密保持を課する
- この取り決めに反したことにより損害が生じた場合賠償責任を負う
- この取り決めは〇ヶ月(〇年)間効力を有する
不動産業界でいう秘密保持誓約書に準じた内容です。
これらを最初に守ってくれる不動産会社でないと心配です。何故なら会社以外に担当者が情報を漏洩させることもあるからです。
もっとも数社と同様の取り決めをしてしまうと誰が情報漏洩をしたのか分からなくなりますので注意が必用です。
大げさに思われるかもしれませんが、個人情報保護に大きく舵を切っている時代にあって、悪意ある第三者(不動産関係者)により不利益を被ることだけは避けたいものです。
~まとめ~
最初に秘密保持契約がなされていたにも拘わらず第三者に情報を漏洩させてしまったケースで、営業マン個人が応じただけで会社がそのことを知らなかったと言うことがありました。
そもそも宅地建物取引では知りえた情報を第三者に口外してならないと定められています。その中で不動産会社側がそのような契約は知らないといっても「表見代理」といって会社を代表して行った契約行為とみなされ賠償責任を負わせることが可能です。
本当にスタッフ、取引業者、大家さん、管理会社すべての関係者に知られずに相談をしたいのであればこれぐらいやらないとどこかで必ず露見してしまいます。
本当にお気をつけ下さい。
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