飲食店業界において、このところ人手不足を理由に閉店をするお店が後を絶ちません。オーナーお一人のお店では、そのことが原因で無理をし健康を害される方までいらっしゃいます。
これまで折に触れては取り上げて来たこのテーマですが、現場で働くアルバイトの生の声を聞いてみると世間でいわれる姿と異なる実態が見えてきます。
今回は、若くて安価な労働力としてこれまで飲食業界を支えてきたアルバイトについて考えてみたいと思います。
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飲食業界にもシェアビジネスの波
シェアオフィス、シェアバイクなど世は所有から共有もしくはレンタルの時代に急速に変わりつつあります。かつては所有し独占するのが当たり前であった自動車もレンタカーの台頭が目覚ましく都心部ではオフィスさえもシェアする時代となっています。
そんなシェアの波が押し寄せる中で、アルバイトという働き方もまた一種のシェアビジネスと呼べるのではないでしょうか。
日本において人が働き賃金をもらう形は、永らく終身雇用など働く身分が保証されている代わりに、1社に限り独占されるものでした。
ところが、賃金をこれまでの様にあげられない企業は、業績次第で雇用も確約できなくなる時代に入っています。いきおい雇用する側は副業を認める方向に舵をきったのです。
転職を終身雇用に対し人材の流動化と表現するなら、副業が可能となることは一社独占の人材からのシェアリングと表現できます。つまり飲食業界で起こりつつあるのがこの人材のシェアリングなのです。
人手不足の原因!令和のアルバイトに本音を聞く
一人の個人が一つの仕事に縛られずに働ける環境を人材のシェアリングと表現しました。このことがまさに現在進行形で飲食業界の現場で起こっています。
アルバイトAさんの場合
お話を伺ったアルバイトのAさんは、大学2年生の女性です。彼女は学費の足しになればと週に3日程飲食店でアルバイトをしています。そのAさんの働き方はこうです。
通常1店舗に身を置き仕事の流れやメニューなどを覚えてアルバイト代を頂くと言うのが普通ですが、Aさんの場合はチョット違います。週に3日のアルバイト先がすべて異なるのです。3つの飲食店の掛け持ちをしていると言った方がよいかもしれません。
なぜそのような働き方を選んだのか聞いてみたところ意外な回答が返ってきました。
Aさん曰く、「一つの店舗で週に3日も働くと、店舗側から働き手としての期待が高まり、急な用事や体調不良でもなかなか休み辛い雰囲気になる」と言うのです。
また、3つの飲食店と言ってもどれもイタリアン系の飲食店を選んでいて、多少のルールや商品の価格は変わるものの概ねオペレーションは同じなのであまり戸惑うことなくアルバイトとして働けるといいます。
最後に口にした理由が一番印象に残ったのですが、「待遇や雇用条件など比べることが出来るから」だと言うのです。例えば、ある店では残業代がちゃんとつくのにある店ではサービス残業扱いだったり、急なシフトチェンジで呼び出されることも当たり前だといいます。
週に1日しかお店に出ないアルバイトは期待もされない以上に自分に合わないと感じたらすぐに辞めることが出来るメリットがあると彼女はいいます。
Aさんが口にした内容は、長年飲食業界が抱えて来た矛盾や雇用する店側のおごりからアルバイト自身が身を守るために思いついた働き方なのです。
働き手が職場を選ぶ時代に!人手不足の原因は店の管理側にあり
これまで飲食業は、若い力を手っ取り早くアルバイトとして活用してきました。また働く側も面倒な手続きを経ることなくすぐに働き始めることが出来ることに何の疑問もなかったことでしょう。
それが今、少子化とアルバイト先の多様化により必ずしも飲食業界を頼らなくとも賃金が手に出来る環境が整いつつあります。
より条件の良い職場探しは、単に時給が高いか安いかの比較から、保険や働く環境などこれまでとは異なる価値観の時代に入っていることに飲食業界が早く気付くべきなのです。
今回のAさんが言う様に、同じ業種、同じ時給で働くのならどの飲食店が自分にマッチしているか、どの飲食店の経営環境がアルバイトとして働く者の権利を守ってくれるのかが問われるということです。
更にその情報は、世の中で労働力をシェアリングしているアルバイター達の間で、SNS等により瞬時に知れ渡ります。そうなればいくら宣伝広告費をかけてアルバイトを求人してもだれ一人も応募して来ないという悲劇が生まれます。
人手不足に陥らないための適切なアルバイトマネジメント
冒頭からアルバイトを人材のシェアリングと申し上げました。ポイントはここです。車であれ自転車であれオフィスであれシェアリングの有用性は必要な時に利用できる手軽さにあります。
人材も同じです。モノではありませんから所有ではなく正規雇用をしない代わりにアルバイトという形で労働力をシェアします。
モノのシェアビジネスが一時的に利用できる代わりに割高な料金設定となっています。同じ観点からアルバイトの時給を考えると正規雇用で人を雇い入れるほどは高くない代わりに割高な時給を支払うことで優良な人材が手に入るという図式となっています。
もうお分かりだと思いますが安く都合よく使うアルバイトの時代から正規雇用に近い賃金を払う代わりにキチンと働ける人材としてアルバイトを迎え入れる時代に変わったのです。
大学生であれいわゆるフリターと呼ばれる人材であれ、たとえ個人の飲食店であっても人材教育(マナーや接客方法、レシピ等)をキチンと教えることが出来ないと今後はアルバイトを雇うことがより困難になることでしょう。
また、彼らを働く人材として雇用する側が、対等に付き合える視線とより働きやすい環境を作るために積極的なコミュニケーションが求められるのです。
お店のオペレーションの不備やクレーム対応にも原因
キッチンやホールが日頃から慢性的な人手不足で、そもそもスタッフの人数が足りない日が時々ある‥なんてことはありませんか?
オーダーミスや料理を持っていくのが遅くなったり、テーブルの片づけが間に合わなくて席が空いてるのになかなか案内できないなどして、お客さんに迷惑がかかってしまうとなると、従業員は過労やクレーム対応などからストレスを感じてしまいます。
従業員が無理をしないと回らない現場、をいち早く解消し、オペレーション改善に勤めることが結果として離職を防ぎ、お客様の満足度および店舗の利益を伸ばすことができます。
求人の際にアピールポイントを出す
求人プラットフォームでの募集や求人広告を回しても人材を集めることができない‥そういった店舗さんもあるかと思われます。応募が少ないのは必ず原因があるがずで、給与や福利厚生等の待遇および、働く人の特徴やお店の雰囲気など、自社の求人のアピールポイントを訴求しなければなりません。
特に、飲食業界の求人は画一的になりがちで、選ぶ側を考慮して差別化することが大きなポイントとなってくるでしょう。
従業員の業務に対する給料は適切か?
特にアルバイトの場合、時給50円の差でも働くモチベーションを大きく左右すると言えるでしょう。
ホールスタッフ、キッチンスタッフにとって、忙しさの割にあっているかという考えは非常に重要です。
繁盛店でお客様の回転数が高いにも関わらず、平均を下回る時給で薄利を稼ごうとすれば、結果的に従業員離れによる新規採用や教育等のコストがかかってしまうでしょう。
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