
冬の鍋メニュー、今年も去年と同じ内容で出して大丈夫でしょうか。肉や魚、野菜に鍋つゆ。材料をそろえたら、思ったほど安くならない。それでも値段を上げると、注文が減らないか気になります。
鍋は今も費用を調整しやすい料理ですが、「鍋だから割安」とは言い切れません。主役の具材を決め、出汁や薬味で楽しみを足すことが、満足感と採算を両立する出発点です。2026年の人気を確認し、お店にも家庭にも使える工夫を考えましょう。
【2026年調査】家庭で食べた鍋の1位は「おでん」
紀文の「家庭の鍋料理調査2026」では、前年の秋冬に家庭で食べた鍋の上位は、①おでん57.6%、②キムチ鍋44.2%、③すき焼き44.1%、④しゃぶしゃぶ40.9%、⑤寄せ鍋40.0%でした。
調査は7地域の既婚女性が対象。上記の設問は1,298人の複数回答で、おでんを含む分類です。全国の外食店の売上順位ではありませんが、なじみのある味を考える参考になります。
味の傾向では、ミツカンの2026~2027年の業務用特集が、出汁・塩・白湯・辛味に注目しています。流行を追って食材を増やす前に、今ある寄せ鍋を「しょうが香る鶏塩鍋」にするなど、自店の得意な味へ取り込んでみましょう。
鍋を食べたい理由は「温かさ」だけではない
ミツカンが家族と家鍋を食べた全国の男女1,000人に行った2026年調査では、74.0%が物価高の中で助かる献立と回答。一方、75.0%は味や具材のマンネリを感じています。
ここには、お店で鍋を出すヒントがあります。家庭でも食べられるからこそ、「自家製つくねがおいしい」「出汁の香りが違う」といった、わざわざ注文する理由を一つつくることです。
家庭でも、毎回具材を総入れ替えする必要はありません。ゆずやしょうが、すりごまを取り皿に添えれば、同じ鍋をそれぞれの好みで楽しめます。お店なら、薬味を選べる小皿で食べ進める楽しみを加えられます。
2022年より食料は約2割高い。鍋はまだ割安?
総務省の消費者物価指数では、食料の全国年平均指数は2022年104.5、2025年125.8。同じ2020年基準で比べると、約20.4%の上昇です。2026年9月も、食料は前年同月比2.8%上昇しています。
これは食料全体の動きで、鍋の材料費が一律に2割上がったという意味ではありません。それでも、肉も魚介も何種類も入れ、つゆや〆まで買い足す鍋を、無条件に割安とは言いにくいでしょう。
一方、具材を選び直し、購入した食材を使い切れることは鍋の強みです。家庭では同じ人数の夕食と費用を比較し、お店では1人前の材料費に仕込みの手間や廃棄も含めて考えます。材料費だけで「安い・儲かる」を決めないことが大切です。
定番鍋のおいしさを残す、物価高への4つの工夫
①寄せ鍋は「主役を一つ」に
鶏肉も豚肉も魚介も、と欲張る前に、自家製つくねなど主役を決めましょう。豆腐と手頃な野菜を合わせ、出汁の香りでまとめます。家庭でも、何種類もの肉や魚を少量ずつ買う負担を抑えられます。
②キムチ鍋は肉の部位と野菜を比較
豚バラに固定せず、肩やこま切れの価格も確認。豆腐やもやしを組み合わせて、食感に変化をつけます。白菜が高い日はキャベツなども候補に。代替品が必ず安いとは限らないので、その日の単価と味の相性で選びましょう。
③すき焼きは牛肉の量を決めてから
牛肉をむやみに減らすと、ごちそう感まで失われます。1人分の量を決め、焼き豆腐やしらたきにも味を含ませましょう。お店では基本の肉量を明示し、追加皿を用意すれば、予算や食欲に合わせて選んでもらえます。
④おでんは種類より「食べたい具」
大根、卵、練り物など、定番を絞って仕込み量を調整します。家庭なら好みと人数、お店なら具別の注文数を手がかりに。大袋が割安でも、余らせれば節約にはなりません。長時間の加熱・保温にかかる費用も確認しましょう。
~まとめ~ まずは一品、量って作ってみよう
店サポの提案としては、今年の鍋を一品選び、人数分の材料を量って試作することです。主役の量、野菜、出汁、〆まで含め、費用と食べ応えを確認しましょう。
お店では、普段の料理と共通で使える食材を選べば、鍋用だけの在庫を増やさずに済みます。家庭でも、残りの白菜を炒め物に使うなど、買った食材を使い切る予定まで考えます。
お客様が楽しみにする一口は残し、余る材料を見直す。その工夫から、材料高の冬に合う鍋づくりを始めてはいかがでしょうか。
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参考資料(2026年11月確認):紀文「鍋白書2026」/ミツカン「令和の家鍋あるある調査2026」/ミツカン「外食の鍋トレンド2026–2027」/総務省「消費者物価指数」2025年平均・2026年9月分
(構成・執筆:著者 / 画像生成・ファクトチェック:AI活用)





