3月に4月、古くから別れと出会いのシーズンだと言われてきました。学校、企業など4月に年次や組織が改まることが一番の理由ではありますが、寒かった冬から解き放たれる時期でつい寄り道がしたくなる時期でもあります。
また歓送迎会、花見需要と飲食店は賑わう時期でもあります。とは言え、花見のシーズンは夜の営業を奪われる時期でもあります。
ところが、コロナの前から日本全国花見で賑わうこの時期に異変が起きているようです。一体何が起きていて、どのように変わりつつあるのか3つのキーワードを軸に検証したいと思います。
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花見異変 その理由とは
3月末から4月初めにかけて桜のシーズンです。毎年基準となる桜の木で花が5つ以上つぼみが開けば開花宣言が出され、それに合わせて天気予報や気温の変化、満開の予想日などTV各局で競うように報道されています。
毎年楽しみにしている人がおられる一方で、逆に憂鬱になる人もいらっしゃることでしょう。楽しみにしている方はいいとして、憂鬱になる方はどんな理由があるのでしょうか。
- 花粉
- 移動(転勤)
この時期スギ花粉が一気に飛散します。街角ではマスクやゴーグルが手放せないと言う声もよく耳にします。見た目は大丈夫そうでも薬で抑えているという方にもよくお会いします。
これだけ国民病と化している花粉症の全盛期にこともあろうに野外で花見とはトンデモナイと密かに思っている人がどれだけいらっしゃることか。
また、3月に決算を控え業績の追い込みの時期に酒を飲んで騒いでいる場合ではないと考えている営業職の方も多いと思います。
人事や総務関係でも4月から入社する新人の研修が始まる頃です。併せて、就職面談の解禁日が早まった関係で3月1日から会社説明会で各大学を周り大わらわという状態です。
これほど各企業、各部署が困難を抱えつつ集まる花見とは果たして懇親や士気を高めるイベント足るものなのでしょうか。
花見に変化!桜の代用とは
「エア花見」なるものが流行りつつあるのをご存じでしょうか。これまで不評を買ってきた問題点を次々と解決してくれるサービスの事なのです。
桜の生木で花弁がついているものは相当高額ものです。さらに日持ちがせず散ってしまいます。もっとも、古来より「桜折るバカ、梅おらぬバカ」と言って、桜の木に手を掛けることを日本人は避けてきたこともありなかなか扱いが大変です。
近年技術が進み本物と見分けのつかないアートフラワー、つまり造花が重宝されるようになってきました。エア花見、じつはこの造花を店内の一角や天井にアレンジすることで、室内にいながら花見の気分を味わえるといって話題になっています。これであれば、花粉を気にすることなく、場所取りの手間もなく、料理やお酒も準備する手間がかかりません。
また、遠くの桜ではなく近くの飲食店であれば時間も距離も節約できます。いい事尽くしです。とは言え、御座やシートを引いて車座になりながら杯を交わす一体感を得たいと言うことで新たなスペースに注目が集まっています。
- レンタルスペース
- 会議室
- キッチンスタジオ
手作りのエア花見会場はプロジェクターなどで桜を映し出して雰囲気を出し、床にシートを敷きこれまた花見の気分です。何よりキッチンスタジオのようなスペースであれば持ち寄った食材を料理できますから外で冷めた料理を食べるのに比べ格段によいでしょう。
飲食店が繰り出す奥の一手とは
エア花見を開催する飲食店は別として、レンタルスペースやキッチンスタジオでエア花見を行う際にケータリングを利用することが多いとも聞きます。ここが飲食店のチャンスです。
数あるケータリングサイトでも公園や野外の花見会場まで料理を届けるサイトは極々限られています。また、都内の公園ですと都条例による縛りがあって公園内での商行為つまり金銭の授受がある行為は禁じられている関係で公園の入り口止まりという方針のところがほとんどです。
これに対しレンタルスペースやキッチンスタジオは建物の中ですから確実に届けられます。もし注文が来ても人手不足で自分たちでは届けられないというのであれば、ウーバーイーツのような配達まで請け負ってくれるサイトに登録するのが良いでしょう。
~まとめ~
会社の所在地次第では、近くに花見の場所が無い場合などエア花見は有効だと言うことが分かってきました。となれば、サッカーや野球中継の時の様に「エア花見できます」や「エア花見やってます」と道行く人に告知をしましょう。
満開の時間は短く、屋外では天候にも左右されます。そのため思うように日程調整が出来ないことも十分考えられます。そんな時に飲食店が粋な演出をすれば物珍しさも手伝ってまとまった予約が入ることでしょう。
そう言えば、江戸末期に今の六本木のような場所があったことをご存知でしょうか。文化人、富豪、特権階級と呼ばれる人の遊び場それは吉原でした。この吉原の通りには千本の桜が一夜にして出現したと言います。実はエア花見古くて新しいものだったのです。