3年目の飲食店が閉店する実態と理由【業界人が語る】

3年目の飲食店が閉店する実態と理由【業界人が語る】

飲食店 閉店理由とは

  • 料理の食材やボリュームを変えることで原価率を抑えると客離れが起きる
  • ご飯お代わり無料やドリンクサービスなど付帯サービスの有料化で客離れ
  • 今は来店されない新規顧客層の開拓を怠る
  • 定番料理の味にあぐらをかき改善していない

お客様がお店を訪れる理由を考えていない、創り出していないことが閉店の理由です。

飲食店をオープンして1年未満に閉店をする割合が35%という事実をご存知でしょうか。

この場合、固定客がつくまでに運転資金が尽きてしまい閉店というケースがほとんどです。
細かく見ればきりがありませんが、お客様が求めるものよりもご自身が造りたかった料理だったり、内装にこだわり過ぎて運転資金が減ってしまったり、賃料が高かったりと理由は様々です。

早い話軌道に乗る前に失速したということです。

次に閉店をされる割合が高くなるのが実はオープンから3年を過ぎたあたりなのです。

実に20%を越えます。しかしオープン1年未満と違い概ね順調だったハズがどうしてなのでしょうか。
今回はそのあたりの事情に迫ってみたいと思います。

飲食店の閉店は「負の連鎖」

オープン立ち上げの繁忙期から、年末や年度末を3回も無事潜り抜けて来た飲食店に何が起こるというのでしょうか。もちろんある日突然なにかが起こるというものでなく、徐々にその兆候は表れ始めていたはずです。

売上、利益が安定し始めると人間欲が出るものです。もっと売り上げが伸びないか利益をもっと多く残せないだろうかと。この時点で二つの方向に分かれて行きます。

一つは新たな看板商品の開発やこれまでやってこなかったお弁当やケータリングなどで売上を伸ばすやり方。

もう一つは、同じ売上で利益をより多く残そうと考える方法です。

問題なのは後者の方です。

飲食店開店 最初は売上が経営課題だったはず…

オープン当初は一日の客数、売上が経営指標の最重要課題だったはずです。ともかく来店してもらわないことには始まらないわけですから、駅前や店先でのビラ配りに呼び込みなども一生懸命行ってきたはずです。それが来店客の安定とともに考え方が徐々に変化し始めます。来店客の客単価をあげられないか、利益をもっと出す為に売上にたいする食材や従業員のコストの比率つまりFL比率を下げられないかと思い始めるのです。

これを実際に始めるとどうでしょう。全体的なボリュームがダウンしたり、そのボリュームダウンを隠すために器を変えたり見た目が変わってきます。調理方法や材料の構成を変えてくるお店もあります。今まで入れていた食材を別もものに替えて味を調えるのですが、最初の1ヶ月、2ヶ月はそんなに客数が変わらずに推移しますので、FL比率が低下した分利益は残って行きます。もっとも常連客には既にバレているものです。

兆候はその後徐々に出始めます。曜日や月で大体安定していた客数に変化が出始めます。ムラが出るというのでしょうか、お客様の入る、はいらないがハッキリと分かるようになると言います。その後何も手を打たないでいると徐々に客数が減り始め折角築いてきたリピーター客が離れて行ってしまいます。これはマズイと思った時には手遅れです。

同じような状況は、メインでないサービスでも起こります。

閉店する飲食店が出す3つのサイン( 前兆 )

例えば、それまでご飯お代わり自由だったのが、別料金になったり、ランチでドリンクバー飲み放題だったのが、有料になったりでお客様は敏感に反応します。たとえメインの料理は何も変わらなくても、それらのサービス込みでお客様はコストパフォーマンスを考えるものです。もし、付帯サービスを止めたことで客足が遠のくなら、メイン料理の力がそもそも弱かったという証明です。

新規顧客開拓を怠る

オープンから3年も経てば、ある程度のリピーターがついて曜日や季節毎での売り上げが見込めるものです。ただ、原価率を高く設定する看板料理がなかったりオーナーとお客様の人的繋がりの希薄なお店だと新しいお店にお客様を取られてしまう恐れがあります。と言っても一遍にということではなく、これまで1ヶ月1度来店下さっていたリピート客が2ヶ月、3ヶ月に1度の利用となって行くということなのです。もちろん、新しいメニューや季節の素材を生かした期間限定のメニューを定期的に提供することでリピート客の足を遠ざけない工夫が重要ですが、残念なことに工夫を凝らしていても徐々にリピート客の来店インターバルは長くなり結果数的には減退して行き売り上げは下降線をたどることになります。

ではどうすればよいのでしょうか。

飲食店 「閉店」「廃業」するのなぜ?

ズバリ新規顧客の開拓です。

まずオープン当時の事を思い出していただきたいのですが、いろんな手を使ってお店を認知してもらったはずです。もう一度その時のことを思い出して新たな顧客獲得に知恵を絞って頂きたいのです。とは言え同じことをもう一度やりましょうということではありません。

手始めに、ご来店いただいているお客様の分析を行います。男性が多いのか女性が多いのか、夜の時間帯は早い時間が多いのか9時以降の遅い時間が多いのか、ご来店されるお客様の年齢層は何歳ぐらいなのかなどです。

女性が少ないようなら、女性限定メニューや女性3名以上をターゲットにした女子会セットなどこれまで来店が少なかった層に向けてお値打ち料理で新規顧客獲得を目指します。ただ気を付けたいのは、新しいお客様獲得に力を入れるあまりに、これまでのリピート客が入店できない事態になると今度はリピート客が離れて行ってしまいます。リピート客、常連客用の席は常に確保しておく気配りが重要です。

飲食店の宣伝法で言えば、グルメサイトなどで広く探してもらえる環境も重要ですが、お店の前を通る人や近くのオフィスに勤めるビジネスマンやOLの皆さんへの告知など局地戦が最も即効性があります。もし人通りのある通りに面しているお店であれば、タペストリーなどを製作して大きく見えるようにするのが効果的です。のぼりを何本も立てるより品よく多くの情報を伝えることが出来ます。

同様に、周辺企業を改めて回るのも効果があります。新しいメニューやこれまで来店頂けていない層を狙ったキャンペーンのチラシなどを持って訪問するのです。大型ビルはセキュリティーが厳しくなっています。中小のビルを丁寧に回りましょう。クーポンなどを携えて行けば門前払いということはありません。

日本には創業10年を超える飲食店が数多く存在します。もっとも創業から10年での生存確率は10%程になるそうです。なかには、明治時代から続く牛丼店もその一つです。当初から牛丼単品で長くチェーン展開をしてきたのですが、創業以来同じ味ではなくお客様に飽きられないよう常に研究をし、味を時代に合わせていると聞きます。同じようにメニューの少ない専門店は3年を超えるあたりから味のマイナーチェンジを積み重ねて行かないとお客様が来るたびに改めて美味しいと思っていただけなくなる危険性があります。常に味の工夫を続けることが次の3年に向けてお店が存続する為の秘訣ではないでしょうか。

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