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【簡単解説】飲食店サブリース契約の誤解を3つの質問から読み解く

近年、賃貸の飲食店舗物件で、サブリース という契約形態が増えてきました。

「あぁ 店舗サブリース ね」といいはするものの、その実誤解をされている方もまだまだ多くいらっしゃいます。なぜでしょうか?

お話を伺うたびに感じるのは、サブリースという契約形態が大家さんや管理会社さんから見ると転貸としか捉えられていない為、すぐに無断転貸立退きといったマイナスの事例を思い起こすようです。

実際のサブリース事業というのは、入れ替えの多い店舗物件での賃料保証を行ったり、入居テナントと近隣テナントや住民のトラブル解決、入居時の施工管理など本来建物を管理する会社がこれまで行ってきた業務を大家さんから手数料を頂くことなく行う商売なのです。

今回は、よく寄せられる3つの質問をもとにサブリース(転貸)契約の誤解をひも解いてみたいと思います。

【徹底解説】飲食店の居抜き店舗サブリースがいまだに誤解される理由

Contents

サブリース会社が抜ける!出なければならないの?

まず一つ目は、大家さんとサブリース会社の賃貸借契約が双方同意の上終了する場合(合意解除)、入居テナントがサブリース会社と結んでいる転貸借契約も終了し、出てゆかなくてはならないのか?というご質問です。

結論から申し上げると、

サブリース事業者と大家さんとの賃貸借契約が双方合意の上で終了した場合でも転借人であるお客様の契約は終了しません。

もともとサブリース業者は、 転貸(サブリース)を前提に大家さんの承諾を得て賃借しているわけで、間接的には契約関係にあります。ゆえに合意解約の場合は、物件から出て行かなくても大丈夫なのです。これは裁判所の判例からお墨付きが出ています。

このことが大家さん、管理会社さんの多くに対し、転貸借契約はサブリース業者との賃貸借契約が終了しても転借人であるテナントとの転貸借契約を終了させられないとの警戒心を生んでいます。

例えば、建て替えなどで立退きの必要が生じた場合などは、立退料を二重に支払う必要が生じるのではとご心配されるようです。

現実には、通常サブリース業者は立退料をあてにするのではなく、大家さんと協力してテナントの移転先を探す協力をするものです。もし金銭補償が必要な場合でも、大家さんは転借人であるテナントに提示をし立退きとなるのが一般的です。

大家さんから直接家賃の支払い依頼が来た。これって払うべきなの?

転借人であるテナントは、大家さんから直接家賃の支払いを求められた場合、支払う義務があるとされています。

但し、サブリース事業者が大家さんにきちんと家賃を支払っているにも拘わらず大家さんが直接家賃を支払うようテナントにお願いするのは誤りです

あくまでも 大家さんはサブリース業者と話し合いの上、合意した場合にのみ初めて許されることなのです。

大家さんから突然の契約解除!サブリース会社が賃料不払い解除の場合仕方ない?

店舗サブリース 契約をしているサブリース事業者(転貸人)が大家さんに対して家賃の不払いをして、大家さんから 店舗サブリース 契約の解除をされてしまった場合どうなるかという質問です。

もしも大家さんがお店をやっているテナント(転借人)も一緒に出て行って欲しいと望まれるのなら一緒に解除が出来ます。(債務不履行による解除の場合)

この件について、民法の規定通り、裁判所での判決をもとに書いておりますが、大家さん、管理会社さんは、サブリース事業者は解除できても転借人であるテナントに出て行ってもらうことは不可能だろうと誤解があります。ここが大家さんもテナントも誤った認識が多い部分なのです。

但し、テナントが家賃を継続して払える能力があり、大家さんとの関係が良好であればその物件にとどまることは当然可能です。

~まとめ~

サブリース契約についての誤解は、もともと借地借家法に基づき借手の権利が保護されている日本の賃貸借契約において、いざ立退きの必要が生じた場合に賃借人がいるだけでも大変なのに、転貸人が存在するとなると時間も金額も2倍かかると信じ込んでいるところです。

サブリース事業者が滞納をするかどうかは二の次として、一義的には貸出された物件を大家さんがどうなさりたいのかハッキリと方向を示されれば、面倒な立退きやお客様に対する代替え物件の用意はサブリース業者が責任と熱意をもって解決するはずです。

サブリース事業とは、単なる転貸による鞘抜き事業ではなく、不動産にまつわる知見や経験を大家さんの代わりとなって発揮し大切な財産をお守りすることが身上であるとご理解ください。

普段は、予防保全などの物理的な管理や工事の際の監理を行っていますが、いざとなれば大家さんとテナントの間を取り持つコーディネイターだとご理解下さい。

不動産管理会社と大家さんが飲食店舗サブリースを認めない4つの誤解と実情

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