令和2年4月新型コロナウイルスの感染防止を目指し政府は緊急事態宣言を発出しました。感染拡大が続く東京都では、6つの業種に対し独自の休業要請を出しました。これに対し中小の飲食店からは経営が成り立たないとの声が上がり。小池都知事は、休業もしくは時間短縮営業に応じた店舗に対し1店舗当たり50万円の協力金を支払うという形で決着しています。
ただ、海外の新型コロナウイルス対策では、賃料の8割を国が補助するという話が出ており、日本でも同様の取り組みが出来ないかとの声が上がっておりました。
4月21日与党から事業者つまり大家さんに対する賃料の補助金制度を検討するとの発表がなされ飲食店を含む新型ウイルス感染予防で影響を受けている店舗の賃料について支払い免除か、補助金かなど新たな制度が出来つつあります。
今回は、現自民党案にそった内容でこの補助金制度を活用する場合に準備すべきことを大家さんにお伝えしたいと思います。
Contents
新形コロナ賃料補助金制度とは
「飲食店などが大変厳しい状況にあり、テナントに直接支援を行うことが大事だ。家賃の支払いのための助成金や補助金を考えていかなければならない」自民党の記者会見での発言です。これまで経済産業省を中心に発表して来た経済対策や都が独自で発表している休業補償とは全く別に店舗の賃料支払いの為に補助金制度を検討するというものです。
新形コロナ賃料補助金制度の背景
多くの飲食店経営者の方から今回の新型コロナウイルスに関し、お話を伺いました。そのなかで異口同音に語られるのが、休業補償や助成金など返す必要のないお金は大変有難いという反面、売上げが前年同月比で20%下がっただとか、直近同期と比べて5%下がっただとかの条件をクリアすれば対象となる新型コロナ融資については、たとえ融資利率が1%台であっても、返す見込みが立てられないもしくは自信がないとの理由で敬遠しているというのが実態なのです。
だからこそ、議員立法も含めスピード感をもって柔軟に対応するということになったようです。
新形コロナ賃料補助金制度<給付案>
21日の時点では、わかりやすいようにテナントつまり各飲食店への給付を念頭調整が進められているようです。おそらく国民金融公庫などの政府系金融機関からの融資や国からの給付となりそうです。
※内容が固まりましたら改めてお知らせいたします。
新形コロナ賃料補助金制度<大家さんのメリットその①>
最初はテナントである飲食店の賃料負担を軽減するところからスタートした新型コロナ賃料補助金制度ですが、事業者で貸主である大家さんにも今回はメリット用意しています。
賃料の減免もしくは猶予 ・・・ 法人税・社会保険料 ➡ 1年間猶予
対象要件・・・令和2年2月以降1ヶ月以上前年同月期に比べ売上が20%減少
※国税の猶予にあたり、担保の提供や延滞税、延滞金は特例として免除となる予定
新形コロナ賃料補助金制度<大家さんのメリットその②>
建物所有者が賃料の減免を行った場合・・・来年度分 固定資産税・都市計画税を減免
※令和2年2月~10月の期間中に
- 3ヶ月間の売上が前年同月比30%以上50%未満の減少・・・50%免除
- 3ヶ月間の売上が前年同月比50%以上の減少・・・100%免除
新形コロナ賃料補助金制度<大家さんのメリットその③>
上記大家さんのメリット①、②はオフィスビルや賃貸不動産を複数持つ”事業者”という注釈がつく可能性があります。その場合、個人で飲食店などに賃貸をして不労所得として賃料を受け取っている場合は、所得税での優遇措置が受けられるものと思われます。
今後の発表にご注意いただきたいと思います。
参考:賃料猶予・野党案
2009年当時、リーマンショック対策として施工された「中小企業金融円滑化法」をもとに提案されている野党案をご紹介します。
家賃の支払いを一旦政府系金融機関が肩代わりして、一定猶予期間後に同期間がテナントにその費用を請求するという仕組みを提案しています。与党は、事業者である大家さんに金融機関からお金が集まるだけだと反発仕手いるようです。
新型コロナ賃料補助金制度創設~まとめ~
今回の補助金制度の検討発表を受けてある大家さんから一本の電話が入ってきました。その内容は、月末の賃料を一律1ヶ月猶予するというものでした。大変有難い申出ではありますが、大家さんも色々な緊急融資や今回の補助金の対象になる為の準備を始めているのかなとも取れます。なにはともあれ、活用できる融資や助成金、補助金は全て活用できるよう日々発表される内容に注視してゆきましょう。