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【飲食店を閉店したい】令和版 飲食店関係者からよせられた閉店相談の事例集

飲食店-相談-事例

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Summaryーまとめー

  • 婚約者からの電話
  • 取引業者からの電話
  • 内装会社からの電話
  • 近くの不動産会社からの電話

日々飲食店を閉店したいと相談が寄せられてきます。たいていは飲食店の事業主であるご主人からのお問い合わせがほとんどなのですが、このところ飲食店舗に関わる関係者という方からのお問い合わせも増加傾向にあります。

これまで飲食店の閉店に関しご主人一人が悩んでおられた姿が想像できたのですが、このところ周辺の方と相談をしながら進退を検討されている姿も垣間見えます。今回は、お問い合わせの実例を参考にしながらどのような方が悩める事業主であるご主人の相談に乗っているのかみてゆきたいと思います。

Contents

婚約者からの電話

その飲食店は中央線沿線の急行停車駅にほど近い場所で営業されています。このお店は、店内で生演奏が出来る今では数少ないお店です。週末ともなれば、演奏を聞きに訪れるお客さまで満杯です。

ウィークデイも、音楽で繋がる常連さんで客足が途切れることはなかったと聞きます。ただ、以前と違い週末の来店数は減少気味なことに加え、客単価が伸びないことが徐々に経営を圧迫していたそうです。深夜に及ぶ営業も昨今の人手不足と人件費の節約からご主人がフルで営業を続けられた末に体調を崩され閉店を考え始めたとのことです。

閉店か継続か思い悩む中での体調不良を見かねたのが、ご主人の婚約者だったのです。何れはお店を手伝う覚悟でいた彼女でしたが、飲食店の存続よりもフィアンセの体を気遣うなかで、居抜きで閉店できる可能性があると進めたことが問い合わせの発端だったのです。

最初は、ご主人だけで相談を進めることとなっていたたのですが、いつの間にか彼女が窓口となり、思い入れのある飲食店を手放す説得役をかって出てくれた格好になりました。

あらためてお話を伺うと、体調を整えてから改めてお二人で飲食店を開きたいとご相談なさっているそうです。

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取引業者からの電話

その電話は、飲食店に食品を卸している食品会社の方からかかってきました。内容は、居抜きで飲食店を閉店が出来るシステムへの質問がほとんどでした。

原状回復義はどうするのか、大家さんへの説明は誰がするのか、手数料は発生するのかなど疑問に思われる点はすべてヒアリングして来られました。1時間ほどご説明をし、十分ご理解をされたたところでようやく本題です。

なんでも、ご自身が食品を卸している飲食店の売上が思うようにいかず、早晩運転資金が切れてしまいそうだという状態だそうです。先々を心配しての問合せです。こちらももう少し突っ込んでお話をお聞きする中で分かってきたのが、売掛金の存在です。どうやら未回収の売掛金が発生しているようで、居抜きで飲食店を売却できれば、その売却金額の一部を返済に回してもらうことを期待しての電話だったのです。

ただ、今回のケースでは、食品卸の取引業者と飲食店のオーナーであるご主人とで売却の金額や時期についてズレがありすぐに方針が決まると言うものではありませんでした。落ち着きどころとしては、一旦お店は継続し半年後を目途に閉店するかどうかの判断をすると言うことになったのです。

改めてご主人にも居抜きで飲食店を手放すシステムとスケジュールについてレクチャーを申し上げた件がございました。

内装会社からの電話

スケルトンから飲食店の内装設備を施工した内装会社から相談の電話を受けました。あえて居抜きではなく拘って作った飲食店を手放したい、相談を受けた内装会社の担当からは、解約で原状回復工事をするのなら自分たちにまかして欲しいといってきたのです。まずは、内装業者抜きでご主人と面談です。

10坪ほどですが、駅近くの2Fにスケルトンから造り込んだダイニングバーは早い時点でリピーターがつきそこそこ繁盛しているように見えていました。実際、遅い時間程お客様が増える深夜営業型の店舗です。この店舗実はお二人での共同出資でスタートしており、一方が契約者、一方が連帯保証人の関係で毎日お店に立たれていたのです。

その後、それまで順調だった売上が徐々に減り始め赤字となる月が続きだしたそうです。そこで相談されたお二人は、片方が別の飲食店で働きその稼ぎで赤字を補てんすることを決めたそうです。

ただその関係は長くは続かずそれまでの関係にヒビが入り仲たがいをしてしまったようです。その仲裁役をオープン前に多くの時間を費やして打ち合わせた内装業者の担当に依頼したと言うのが今回の顛末でした。

結局、すぐに閉店をして居抜きで店舗を売却、預けていた敷金等も出資分に合わせて清算となりました。

近くの不動産会社からの電話

都内ではまれなケースですが、ちょっと郊外に出るとよくあることなのですが、飲食店の状態に変化があると飲食店舗近くの不動産会社から連絡を頂くことがあります。

例えば、ゴミの出し方が悪いと悪い評判が出ているよだとか、以前ほどお客様の入りが良くないようだけど大丈夫?などなどお店の前を通りがかった感想を入れてくれます。離れた場所で物件を管理する側からすると本当にありがたいお話です。

今回は、お店のご主人が閉店の相談に来られたとの一報を頂いた次第です。もともと知り合いだったこともあり、こっそり相談に行ったようです。そこでレクチャーを受けてから閉店に向けて準備をしようと考えていたようです。

一通り不動産会社から説明を受けるなかで、管理をしている不動産会社に相談をして、もし可能なら居抜きのままで閉店できないお願いするのが得策だよとアドバイスをもらったようです。その流れでご主人から電話がかかってきたと言った具合です。

当然くだんの不動産会社から先に電話が来たことは伏せてお話を伺ったのですが、たまたまそのお店を引き継いでくれる方が近くにいると言う情報も同時に聞いていましたので、値段の調整はあったものの契約を切り替え、スピード解決となったのです。

~まとめ~

今回披露させて頂いた内容はごく一部ではありますが、昨今の飲食店舗に関わる皆様の身の回りでいかにもありそうな案件を取り上げてみました。

信頼のおける方との相談はやはり必要だと思います。というのも相談でアドバイスをもらう以上に、人に話をすることでご自身の考えが整理されるという効用が重要なのです。

一人で悩むがゆえにいたずらに時間をかけてしまうことは、なにもプラスに働かないばかりか貴重なお金を無駄にする可能性があります。

今回の4つのケースが少しでも参考になれば幸いです。

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